アルバム感想『Sleepless In Brooklyn』/ [ALEXANDROS]


『Sleepless In Brooklyn』/ [ALEXANDROS]
2018.11.21
★★★★★★★★★★

01. LAST MINUTE ★★★★★★★★★★
02. アルペジオ ★★★★★★★★★★
03. Mosquito Bite ★★★★★★★★★☆
04. I Don’t Believe In You ★★★★★★★☆☆☆
05. ハナウタ ★★★★★★★★★☆
06. PARTY IS OVER ★★★★★★★★☆☆
07. MILK ★★★★★★★★★☆
08. spit! ★★★★★★★★★☆
09. KABUTO ★★★★★★★★☆☆
10. Fish Tacos Party ★★★★★★★★☆☆
11. Your Song ★★★★★★★★★☆
12. SNOW SOUND (Encore Tracks) ★★★★★★★★★★
13. 明日、また (Encore Tracks) ★★★★★★★☆☆☆

 

 

 

 約2年ぶりとなる7thアルバム。

 どの曲を聴いても明らかにドロス以外の何者でもないのに、これまでのドロスとは聴き心地が異なるというか、過去のどのアルバムよりも格段に洗練されたような印象を受けました。

 

 これまでは、特にアップナンバーでは音をやたら詰め込んだりテクいプレーを盛り込んだりするものが多々あって、それがドロスならではの強みの一つとして機能してましたが、今作ではアンサンブルが以前よりも幾分シンプルかつスマート化したことがアルバム全体の洗練ぶりに寄与してます。あと、打ち込みやシンセの取り入れ方がサマになったことも大きく影響してます。楽曲が欲するムードや2010年代晩期のトレンド感の双方を見事に演出しているんですよね。

 

 光の粒子がチラつくような浮遊感あるエレクトロサウンドが夢心地な雰囲気を醸し出すミドルナンバー『LAST MINUTE』、自身のアイデンティティを貫く意思の強さを打ち出した 泥臭くもスタイリッシュに仕上がったミドルロック『アルペジオ』といった冒頭の2曲でその傾向がモロに表れてます。しかもどちらも超絶名曲。

 

 

 その2曲だけじゃなく、ゴリゴリのギターリフが牽引するオルタナロックナンバー『Mosquito Bite』『MILK』『spit!』『KABUTO』、これまでのドロスらしさが表出した 扇情的な性急ロックナンバー『I Don’t Believe In You』、ヒンヤリした空間で感じる小春日和のような温かさを紡いだアルペジオとストリングス、シリアスさを伴ってドラマティックに盛り上がる曲展開が印象深い叙情的なバラード『ハナウタ』タイトルが示す通りのレイジーなダンスビートとエレクトロアレンジが心地よいミドルナンバー『PARTY IS OVER』、EDM要素を導入しながらドロスのコマーシャルな側面をクローズアップしたダンサブルなポップロック『Fish Tacos Party』、自身の歌を擬人化した穏やかなバラード『Your Song』と、ポップ寄りもハード系もバラードもチルアウトっぽいのも漏れなく良曲で、曲単位でもアルバム単位でも間違いなく過去最高の出来映え。

 

 

 

 このアルバム、総合的にはポップな仕上がりだけど、分かりやすさに偏重したチープな感触がないんですよね。前作のレビューで「セルアウトなんてとんでもない」的なことを書いていて、実際 安直な売れ線迎合には走っていないんですけども、それでも大衆性意識は少なからず見受けられた。でも今回は大衆性意識をしてるわけでもなけりゃ、シャレオツ感を狙ってるとか執拗に攻めを意識してるとか、そういうあざとさや鼻につく前のめり感や刺々しさがあるわけでもないんですよね(聴いた感じは確かにシャレオツではあるけども)。自身の満足度はもちろん、日本のみならずどの国のリスナーが聴いても純然たるグッドミュージックだと、問答無用にカッコいい音楽だと感じられるものを追求した結果こうなった、みたいな。好き放題やり散らかしてるというのもちょっと違って、というより、如何なる類の楽曲でもポップさが含有されていないとカッコいい音楽にはなり得ないという意識が根底にあるが故に、自ずとカッコよくてポップでついでにシャレオツなアルバムになったのかもしれませんね。よく分からんけど。つーか、そうじゃなきゃ『Your Song』で「僕の名前はありふれた「とある歌」」なんて歌わないでしょ。

 

 

 ということで、個人的にはこれがドロスの最高傑作です([champagne]時代を含めて)。インタビューで「過去の作品のことは全部なかったものとしてこのアルバムを作った」というだけのことはありますよ(何様)。と言いつつ、本作のベストナンバーはEncore Tracksという名のおまけポジションに配置された『SNOW SOUND』なんですけどね。平成初期を喚起させるヒンヤリしたシンセ、感傷と甘み・冷気と温かみを帯びたメロディ、ダンサブルなビートが今は亡きザウスの光景を想起させる冬の名曲でゅある!Dual Dream!Winter Kiss!(謎)

 

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