アルバム感想『EXIST!』/ [Alexandros]

EXIST!(通常盤)
『EXIST!』/ [Alexandros]
2016.11.9
★★★★★★★★☆☆

01. ムーンソング ★★★★★★★☆☆☆
02. Kaiju ★★★★★★★★★☆
03. Girl A ★★★★★★★★★☆
04. Claw ★★★★★★★★☆☆
05. O2 ★★★★★★☆☆☆☆
06. Feel like ★★★★★★★★★☆
07. Aoyama ★★★★★★★★★☆
08. Nawe, Nawe ★★★★★★★☆☆☆
09. Buzz Off! ★★★★★★★★☆☆
10. クソッタレな貴様らへ ★★★★★★★☆☆☆
11. Swan ★★★★★★★★☆☆
12. I want u to love me ★★★★★★★☆☆☆
13. 今まで君が泣いた分取り戻そう ★★★★★★★☆☆☆
14. NEW WALL ★★★★★★★☆☆☆
15. [Secret Track] ★★★★★★★☆☆☆

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 約1年半ぶりとなる6thアルバム。
 楽曲のバリエーションが今までよりも断然 豊富になり、それによって前作よりもJ-ROCKリスナー以外にも訴求できる力がさらにアップしてます。

 

 本作のリード曲である『ムーンソング』は軽快で優雅なポップナンバー。洋平氏のハイトーンが活きるメロディアスな歌メロはドロスらしさの一つではありますけど、こういった柔らかな音触りのポップソングってあまりなかったような気が。ぶっちゃけ演奏面ではこれといった面白味はないのですが、煌きのある綺麗な歌メロは絶品。

 

 浮遊感あるミスティーなバラード『O2』。これは明らかに今までにない新境地ナンバーで、サウンドだけ抜き取ったら、なんか理科の教材ビデオのBGMみたいな雰囲気。『ムーンソング』とはまた違い、洋平氏のハイトーンをファルセットで活かしており、むやみやたらに新たなエレメントを取り込んでるわけではないんだなということをここで確認。

 

 『Feel like』『Aoyama』といったオシャレでスタイリッシュなUS的ポップナンバーもこれまでのドロスにはなかったタイプの楽曲のはずなんですが、いやあなんでしょう、このこなれた感じは。新たな境地に踏み込んでみた的な感触がなく、今まで表沙汰にしなかっただけでずっと隠し持ってたんじゃねーか?ってな感じのスマートでしなやかな着こなし様。

 演奏なんかも、特に『Aoyama』におけるギターサウンドは気品がありつつファンキーなグルーヴも備わってるし、歌唱も甘く滑らかで キメキメにならないナチュラルなイケメンぶりを魅せているし、新たな一面にしてここがハイライトって感じですね。

 にしても『Aoyama』の歌詞は洒落たポップソングの割りになかなか刺々しいっすね。どんなに売れようとも頑なに自分を曲げない、己のスタンスは一切ブレない。ビッグマウスっぷりと頑固さをよりにもよってこんなジェントルマンライクな楽曲でアピるんかと。

 

 三味線のような和風リフレインが印象的な、ノイジーでダンサブルなロックナンバー『Kaiju』、スペーシーなシンセをバックに据えたハードロック『Girl A』、ブレイクビーツを下敷きにして性急に駆ける、彼らお得意の早口ハードロック『Claw』、小賢しいリフで押す早口ロックンロール『Buzz Off!』、テンポも拍子も目まぐるしく変わるオルタナロック『クソッタレな貴様らへ』といった攻めのナンバーはどれも攻撃力は十分だし、彼らならではのイズムも相変わらず健在。

 

 螺旋を描くように上昇していくイメージの、キャッチーでメロディアスなロックナンバー『Swan』、徐々に演奏陣が自己主張を強めたり、ターザンぶったガキのコーラスが導入されたりとスケール感が段々とエスカレートしてくる疾走ロック『I want u to love me』といったポップ寄りのロックも漏れなくドロスのイズムが忍ばせてあって良き出来。

 

 『Nawe, Nawe』『今まで君が泣いた分取り戻そう』といったストリングスを導入したバラードがありますが、印象はそれぞれ全く別モノ。

 前者はバンドアンサンブルとストリングス隊がぶつかり合った壮大かつ激しいサウンドで、大西ライオンみたく「シンパイナイサー!」的なことを歌ってます。なんかよくわからんが気持ちが昂る良い曲。

 一方後者は、如何にもJ-POP的な小綺麗バラード。こういう楽曲をチープ化も陳腐化もせず衒いなく演れちゃうのも彼らの強みの一つですね。これもよいです。

 

 ラストの『NEW WALL』もまたストリングスを引き連れた楽曲で、こちらはドラマティックで雄大なロックナンバー。世界観を演出する上モノに頼らず、演奏陣の緻密なプレイが炸裂することによって力強さと足取りの軽さが出ています。そして歌詞がサイヤ人チック、てかもっと言うと悟空っぽい。ということで、これはドロス流「そうさ今こそアドベンチャー!」ロック。別に摩訶不思議な雰囲気はないので、敢えてこの言い方。

 

 演奏の面白味でいうと前作に軍配が上がる分、作品自体の好みも前作のほうが上なんですが、彼らのオリジナリティーや毒性を堅持したまま新たな武器を増やしてポピュラリティまでさらに広がっているのはシンプルに凄いなと。『クソッタレな貴様らへ』で歌っていたように、マジでこの先も多彩なジャンルを自分らのモノにしていきそうな感じがする。ということで、今回も良作です。セルアウトだなんてとんでもないお話。

 

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