アルバム感想『AWESOME』/ Beverly

AWESOME
『AWESOME』/ Beverly
2017.5.31
★★★★★★★☆☆☆

01. Tell Me Baby ★★★★★★★★☆☆
02. Too Much ★★★★★★★★★☆
03. I need your love ★★★★★★★☆☆☆
04. Dance in the Rain ★★★★★★★★☆☆
05. Mama Said ★★★★★★★★☆☆
06. Unchain My Heart ★★★★★★★☆☆☆
07. 今もあなたが… ★★★★★★★☆☆☆
08. Nowhere to go… ★★★★★★★☆☆☆
09. Empty ★★★★★★★★☆☆
10. Never Ever ★★★★★★★☆☆☆
11. Just once again ★★★★★★★☆☆☆
12. Sing my soul ★★★★★★★☆☆☆

 

 

 フィリピン出身の女性シンガー・Beverly(ビバリー)の1stアルバム。

 少女性を有した声質に、芯が強くブラックミュージック適性が高い 腹からしっかり声が出たパワフルな歌いっぷりは どことなくMISIAを連想させます。そして、このボーカルこそが本作の味の決め手で、言ってみりゃこのアルバムは彼女の歌唱を堪能するための作品も同然です。

 

 収録曲の傾向としては、彼女の声質に合ったブラックテイストのものがメインとなっておりば。
 空の青がイメージの中で広がる雄大なアップナンバー『Tell Me Baby』から早速 彼女のポテンシャルが余すことなく発揮されており、そのパワフルな歌唱により開放感がうわっと増すのがなんとも気持ちが良い。

 

 

 続く『Too Much』は90sな香りが漂うスモーキーなR&Bナンバーで、これが本作のハイライト。やっぱりこの曲のムードと彼女のボーカルのマッチングぶりが素晴らしいっすな。ちょいちょい絡むラップもいい感じだし、この手の楽曲がこれ一曲しかないのがちょい惜しいな。

 

 

 その他、パンチの効いたシリアスアップ『I need your love』、アーバンでジャジーなミディアムソウル『Dance in the Rain』、スウィンギンなゴスペルナンバー『Mama Said』、磐石のミドルスロー系R&B『Unchain My Heart』『今もあなたが…』、これまでの楽曲よりも音数を控えめにした オリエンタル風味のウェットなミドルR&B『Nowhere to go…』、深海の青を連想させるミドルナンバー『Empty』、アップテンポのオーソドックスなJ-POP『Never Ever』、スーパーシンプリーなピアノバラード『Just once again』、ザ・大団円なミドルポップス『Sing my soul』と、まあまあ粒が揃ってるなという手堅いラインナップ。

 

 難を言うなら、過半数の楽曲でグルーヴ感が欠如していること。収録曲のほとんどは表層こそブラックミュージックを取り繕ったものではあるものの、ベースなどのリズムワークが自然と腰を揺らせるような効きを発揮してないがゆえ、そこでどうしても物足りなさを感じてしまうんだよな。理屈抜きにノれちゃう曲って本作だと『Too Much』『Mama Said』の2曲だけ。

 

 あと引っ掛かったのが、彼女のボーカルワークがややワンパターン気味であることかな。歌は間違いなく上手いし起伏も弁えているし、各曲をフォーカスすりゃどの曲もその歌声によって活かされてはいるんだけども、ただでさえ高カロリーなこのボーカルを毎曲立て続けに聴かされるのはぶっちゃけ胃腸によろしくないわけでして。ミドルスロー系の『Unchain My Heart』『今もあなたが…』ですら最終的には腹から出す系のパワフルなボーカルに転じちゃうし。

 

 そんな中、『Empty』のサビでのドスが効いた歌いっぷりが凄く良かった。同じパワフルでも上に突き抜けるのと下へ掘り下げていくのとでは聴感が違うので、アルバム全体においてこれは良きアクセント。まあ終盤では結局上に突き抜けるようなフェイクをかましてくるわけですけど、楽曲が持つディープなブルーにより深みを持たせるこのボーカルはこの曲随一の聴きどころ。

 

 割りと良いアルバムです。けど、ボーカルと楽曲が相乗効果でヨクなる感じじゃなく、彼女のボーカルが プロトタイプな楽曲の良さを底上げしてるような楽曲が多めの作品なので、今後はあんまり売れ線を意識しすぎず もっと彼女の資質を生かした楽曲制作に臨んで欲しいっすな。まあそんなことをavexなんぞに物申しても無駄でしょうけども。

 

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