『B’z The Best XXV 1988-1998』 『B’z The Best XXV 1999-2012』全曲レビュー Vol.4

B'z The Best XXV 1988-1998(初回限定盤) B'z The Best XXV 1999-2012(初回限定盤)

 

 B’zの全シングルレビュー。今日は27th『今夜月の見える丘に』~33th『熱き鼓動の果て』まで。

 

◆ 『全シングルレビュー Vol.1(1st『だからその手を離して』~9th『ALONE』)

◆ 『全シングルレビュー Vol.2(10th『BLOWIN’』~18th『LOVE PHANTOM』)

◆ 『全シングルレビュー Vol.3(19th『ミエナイチカラ ~INVISIBLE ONE~ / MOVE』~26th『ギリギリchop』)

◆ 『全シングルレビュー Vol.5(34th『IT’S SHOWTIME!!』~42nd『SPLASH!』)

◆ 『全シングルレビュー Vol.6(43rd『永遠の翼』~50th『GO FOR IT, BABY -キオクの山脈-』)

◆ 『全シングルレビュー Vol.7(『HEAT』『核心』『Q&A』『ユートピア』)

 

 

27th SINGLE

1st beat: 今夜月の見える丘に ★★★★★★★★★☆
2nd beat: だからその手を離して -Mixture Style- ★★★★★★★☆☆☆

 

 冒頭のアルペジオといい、Aメロのアコギ&リズム隊のプレーといい、まったりしつつも妖しげな輝きを放つ月夜を連想させる雰囲気作りが実にお見事。「あなたが好きよ」「愛してるぜフォーエバー」みたいな想いのぶっちゃけに留まらず、「君の気持ち知るまで今夜僕は寝ないよ」「傷ついてやっとわかる それでもいい 遅くはない」と根っこからの固い繋がりを求める、稲葉先生らしさがさり気に発揮された恋愛歌詞もいいっすね。ラブストーリーもののドラマ主題歌にしちゃ ギターもリズムもえらく重いような気もしますけど、ポピュラリティは抜群。

 

 カップリングには『B’z The “Mixture”』の予告編みたいな感じで『だからその手を離して -Mixture Style-』を収録。80’sムードバリバリの原曲よりは断然カッコよくなってるし、無論こっちのテイクのほうが好みですけど、再演したところでサビのモッタリ感が解消されるわけもなくっていう。

 

 

28th SINGLE

1st beat: May ★★★★★★★★☆☆
2nd beat: You pray, I stay ★★★★★★★★☆☆

 

 初めてこの曲を聴いた時は、驚きを通り越して唖然としてしまいました。ギリチョ、ブラフ、ミクスチャーとハードロック路線をバリバリ爆走していたさなかで まさかのエセR&B着手。『The 7th Blues』で演ってたようなモノとも当時のトレンドだった90’s R&Bとも異なるばかりか、R&Bに不可欠な色気がない代わりに歌メロが始めから終わりまで腑抜けモードを貫徹しているっていう。歌い出しが「きゅ~う~にぃっ(ダンッ)き~み~がぁっ(ダンッ)♪」ですからね。まさかデビュー曲のあのモッタリグルーヴが再録ばかりか新曲にまで持ち込まれることになるとは!アレンジを手掛けているのは元WANDSの大島康祐氏。生ドラムではなく、シャープな打ち込みスネアが採用されているんですが、彼ならではの持ち味がいいカタチで発揮されてますね。サビ手前のキメや間奏で特に。っていうかこの曲を佳曲たらしめているのは彼手腕のアレンジなんですよね。これがあるからこそ腑抜けモードの稲葉節が生きるってもんで。

 あと、MVがえらいことになってましたね。なにあの力の入れようときたら!一体何を企んであの仕込みに時間と金を注ぎ込んだんだ!?っていう、そこだけにひたすら驚くばかりの映像なのでありました。

 

 カップリングの『You pray, I stay』は どん底かつ重厚な『ELEVEN』路線のヘヴィロック。当時 合成でマッチョ化していたユースケサンタマリア出演のチューハイCMで流れてた曲でして、そこで受けたエネルギッシュな印象と実際の楽曲のイメージがあまりに違いすぎて、タイトル曲に引き続き唖然としてしまったんですけど、まあ純粋にカッコいい曲ですよね。

 

 

29th SINGLE

1st beat: juice ★★★★★★★★★☆
2nd beat: UBU ★★★★★★★☆☆☆

 

 ネガティブな意味合いは断じて皆無なんですけど、この曲が切っ掛けで「B’z≒暑苦しい」の図式がわたしの中で浮上してきました。オーバーヒートした重厚サウンドを背に、「ぶったおれるまでやりきる」「アドレナリン惜しまない」と夏バテも熱中症も恐れぬ姿勢で弾けまくる、天井知らずのバイタリティ大放出ハードロック。つっても、『ミエナイチカラ』のような美菜ぎってきたあああああああああああ!!!!!な感じじゃなく、気が漲りすぎて興奮がおさまらねえっていう、伝説の超サイヤ人ブロリー状態って感じなんですけどね。楽曲自体も勿論当時からメッチャお気に入りでしたけど、MVもすごくいいよなあって、久々に観て改めて思いました。一年前に郷ひろみが『GOLDFINGER’99』のキャンペーンとして渋谷で敢行したゲリラライブに便乗したのか、この曲のMV撮影のために札幌でゲリラライブ敢行したんですけど、通常のライブとは異なる サプライズステージならではの熱狂ぶりが収められているし、外野の様々なリアクションがちょこちょこ挟まれているのも面白い。もちろん、前もって警察の許可を得てライブを敢行したんですよ、と念のため。

 

 カップリングの『UBU』(ウブ)は、サウンドこそ『ELEVEN』系統のハードな質感の疾走ロックですが、メロディは青春まさかりなポップ感と瑞々しさを有していて、聴き心地は実に爽快。

 

 

30th SINGLE

1st beat: RING ★★★★★★★★★★
2nd beat: guilty ★★★★★★★★☆☆

 

 ホラーの域に片足突っ込んだかのような和風ロッカバラード。その和風情緒を演出するギターの音色とか、湿っぽくて闇掛かったマイナー美メロも好きだし、ダメ男ぶりとストーカー気質という二つの稲葉要素がミクスチャーした どうしようもない歌詞や、悪魔に平伏して懇願するかのような稲葉先生の歌唱が相乗した音世界がまたドロドロしくも ふつくしい感じでたまらんのうみたいな。

 

 カップリングの『guilty』は、タイトル曲のおどろおどろしさを継承しながらも、タイトル曲とは真逆のB’zイズムを打ち出したハードロックナンバー。ディストーションしたギターとやかましく躍動するドラム、そしてそれらよりも一歩前に出て不穏なムードを煽るかの如くブンブン唸りまくるベースが体中にズッシリ響きます。「家庭崩壊」「キレる17歳」問題に対して嘆きとディスを投げつけつつ、最後の最後で救いの手を差し伸べる歌詞は、まさしく稲葉「先生」サイドの一面をまざまざと見せつけたような感じで、タイトル曲とは印象が正反対。見事に汚名返上を果たしております。

 

 

31st SINGLE

1st beat: ultra soul ★★★★★★★★★☆
2nd beat: スイマーよ2001!!  ★★★★★★★★★★
3rd beat:  ROCK man ★★★★★★★★★★

 

 今でこそB’zのスタンダードナンバーとして世に定着してますけど、シングル『juice』とアルバム『ELEVEN』で暑苦しいイメージが出来上がった矢先に、まさかの四つ打ちダンスビートを敷いた爽快スポーティーなこの曲が出現したもんだから、当時の私的にはびっくりこきまろな一曲でした。初期のデジタル・ダンス路線とは明らかに質感が違うし、近年でこういうダンサブルな打ち込みを取り込んでたのって『スイマーよ!』くらいだったんで、聴き心地としてはかなり新鮮だったし、月並みだけどやっぱり「ウルトラソウル!Hey!」の件が未だに凄く好きです

 

 カップリングの『スイマーよ!』は『スイマーよ2001!!』のリメイク、というかアップデート版。大きくは変わってないですけど、スリリングに掻き鳴らされるアコギとよりエッジーさを増したエレキの効果もあって さらにハードな楽曲となったって感じなんで、私的にはこっちのほうが好きだな。1Aメロの「ストロー噛むなら僕を噛んで」が「僕のを噛んで」と より変態染みたものになってるのもいいし、2サビ直後にDメロがプラスされてるのも流れ的にはかなりスムーズでこれもまた良し。あと、タイトルが地味に面白いっすね。『スイマーよ!2001』じゃなくて『スイマーよ2001!!』っていうのが。

 

 B’z初の3rd Beatである『ROCK man』も↑2曲同様ダンサブルな打ち込みを用いたアップナンバーで、曲だけだったら後のスポーツタイアップナンバー以上にスポーツソングっぽい感じもするし、アミノバイタルのCMソングにも良さげ。この打ち込みサウンドの音色や質感がすごく好きだし、さらにリズムワークスもかなりツボだし、「気づいてるんだ とっくに どなたを守ればいいのか」と稲葉節を交えつつ情けなくも共感せずにはいられない歌詞もあって、私的には↑2曲以上に気に入ってる楽曲なのであります。

 

 

32nd SINGLE

1st beat: GOLD ★★★★★★★★★☆
2nd beat: ultra soul‐Splash Style‐ ★★★★★★★★☆☆
3rd beat: まっかなシルク ★★★★★★★★☆☆

 

 B’z史上最も大仰で荘厳さに溢れたバラードなんじゃないでしょうか。当時のB’zならではのハードエッジな質感を完備しつつ、ストリングスだけに止まらない オーケストラルなアレンジを 緩急を弁えた上で取り込んだサウンド・曲展開はカタルシス満点で圧巻。最後まで戦い抜き疲弊した戦士を称え 癒しを齎す名曲であります。

 

 カップリングの『ultra soul -Splash Style-』は、リズムをオフり、躍動感溢れるスパニッシュ風味のアコギをフィーチャーしたリミックステイク。間奏以降は普通にリズムもしゃしゃり出てきますけどね。どうせならもっとカオティックに弾けてくれたほうが面白かったんですけど、このテイクでも十分アリ。

 

 『まっかなシルク』は、カッティングギターとベースがユニゾりながらファンキーに弾ける『ELEVEN』系ハードロック。上機嫌なサウンドに乗せて平歌でマスメディアや選挙権を放棄した身勝手な日本国民をディスっているのが実に痛快。

 

 

33rd SINGLE

1st beat: 熱き鼓動の果て ★★★★★★★★☆☆
2nd beat: 夜よ明けないで ★★★★★★★★★★
3rd beat: 挑めよ儚いこの時に ★★★★★★★★☆☆

 

 タイトル通り熱い歌メロがいいし、1番のアーシーな質感のアコースティックなミドルから、2番以降の熱風を感じさせる疾走ロックへと転じるこの展開やB’z鉄板のコーラスワークも非常にグッドなんですが、個人的にはもちっとエッジーに仕上げてくれた方が良かったかなって未だに思います。

 

 

 しかし、カップリングの『夜よ明けないで』は隠れた名曲と呼んでやりたいほどにすこぶる良すぎます。感傷的なメロディと『ELEVEN』系統のディストーション効きまくりな重厚サウンドとの掛け合わせの最高峰といった感じで、火傷しそうなまでに胸熱。

 

 3rd beatの『挑めよ儚いこの時に』は四つ打ちビートを敷いた少年ジャンプ系アップナンバー。硬派なタイトルとは裏腹にウキウキした歌メロがなんともダサダサ。だがそれがいい。マストじゃないけど、まあグッドって感じで。

 

Next→『全シングルレビュー Vol.5(34th『IT’S SHOWTIME!!』~42nd『SPLASH!』)

 

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