アルバム感想『ELEVEN』/ B’z

ELEVEN
『ELEVEN』/ B’z
2000.12.6
★★★★★★★★★☆

01. [I]
02. Seventh Heaven ★★★★★★★★☆☆
03. 信じるくらいいいだろう ★★★★★★★☆☆☆
04. RING ★★★★★★★★★★
05. 愛のprisoner ★★★★★★★★☆☆
06. 煌めく人 ★★★★★★★★★☆
07. May ★★★★★★★★☆☆
08. juice (PM mix) ★★★★★★★★★☆
09. Raging River ★★★★★★★★☆☆
10. TOKYO DEVIL ★★★★★★★★★★
11. コブシヲニギレ ★★★★★★★☆☆☆
12. Thinking of you ★★★★★★★☆☆☆
13. 扉 ★★★★★★★★★☆
14. 今夜月の見える丘に (Alternative Guitar Solo ver.) ★★★★★★★★★☆

 

 

 

 オリジナルとしては約1年5ヵ月ぶりとなる11thアルバム。

 ソリッドなハードロックが中心だった前作よりもさらに重さと破壊力がアップ。B’zならではのポップセンスやユーモアを交えつつ、HR/HMや当時Rage against the machineやLimp Bizkitらが幅をきかせていたミクスチャーロックに着手したといった感じで、サウンドの鈍重さで言えばB’z史上最高。直近のシングル曲を網羅してるとはいえ、『今夜月の見える丘に』の大ヒットで関心を抱いたリスナーを篩にかけるようなこの仕打ち、なかなかの我の強さです。

 

 起動のスタンバイOK的なインスト『[I]』を経ての『Seventh Heaven』は、演奏こそハードめですが楽曲自体はブラスアレンジを施したポップな作風ゆえ、ハードロックに苦手意識があっても楽しめるだろうし、ポップといえどアンサンブルに物足りなさを覚えることもないだろうし、という良い塩梅に収束しておりば。

 

 しかし、次の曲からはそういうわけにはいきません。
 『信じるくらいいいだろう』は ノイジーなリフを主体としたサウンドばかりか、絶望の淵に立たされた主人公の心境を綴ったような歌詞までもがヘヴィだし、『愛のprisoner』では おどろおどろしい空気が蔓延する中でヘヴィなリフと稲葉先生のまくし立て早口ボーカルが炸裂するし、『煌めく人』はレイジばりのミクスチャーロックサウンドの上でGTI(グレートティーチャーイナバ)のスピリットが覚醒したかの如く演説めいた熱血なラップが火花を飛ばしているし、『扉』なんて 前奏、サビ、後奏ではゴリゴリのリフで爆走し、平歌や間奏では蜃気楼を音像化したような幻想的なサウンドを描くという落差の激しい展開を有していて、おっさん達ほんと好き放題やりすぎ。

 

 シングル曲でもある『juice』は、サウンドこそハードかつヘヴィですが ストレートかつシンプルなロックゆえに曲者だらけのアルバム曲に比べればまだ取っつきやすいほう。

 

 中には、ねちっこいカッティングギターが主軸となったファンクな平歌から サビで鈍重サウンドを繰り出し 稲葉先生が絶叫する『コブシヲニギレ』なんつー ズッコケものの珍曲も用意されており、どんだけHR/HMに傾倒しようとも天下のB’zイズムはやっぱり健在。

 

 本作の中盤にどっかと据わるロッカバラード『Raging River』もまた凄いです。約7分半に及ぶ長尺ぶりも然ることながら、起伏に富んだドラマティックな展開と楽曲のスケール感を増幅させるエッジーなサウンド、間奏における荘厳なクワイアとオリエンタルなストリングスアレンジが実に鳥肌モノ。

 

 

 上記ナンバーの他にも『RING』『Thinking of you』とバラード曲はしっかり用意されているんですけど、HR/HM系ナンバーがこぞっている中での休憩地点になっているかと言えばそうでもなく。

 前者はホラー染みた雰囲気に包まれている上にアンサンブルもエッジが効いたものになっているし、後者はクライマックスを飾るに相応な作風ですが、サウンドはここでもハードに鳴らされてるし、終盤なんてそのハードさがエスカレーションしちゃってますからね。どちらも良い曲だけど、どこもかしこもリキ入りすぎっす。

 休憩地点的な役割を果たしてるのは、R&B/HIP-HOP的な要素をヘンテコな形でアウトプットしたミドルナンバー『May』だけ。

 

 サウンドやアイデアの痛快さに富んだ曲ばかりなので、苦手な曲がなく どれも好きなんですが、私的には ヘヴィロックにインダストリアルな要素をぶっこんだ『TOKYO DEVIL』がベストな一曲。後にアレンジ違いの英語詞バージョン『DEVIL』が音源化されましたが、サウンドの攻撃性やドラの音でバァーンと締めるアウトロを思えば本作テイクのほうが断然良い。

 

 

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