アルバム感想『MONSTER』/ B’z

MONSTER
『MONSTER』/ B’z
2006.6.28
★★★★★★★★★☆

01. ALL-OUT ATTACK ★★★★★★★★★★
02. SPLASH! ★★★★★★★★★☆
03. ゆるぎないものひとつ ★★★★★★☆☆☆☆
04. 恋のサマーセッション ★★★★★★★★☆☆
05. ケムリの世界 ★★★★★★★★☆☆
06. 衝動~MONSTER MiX~ ★★★★★★★★★☆
07. 無言のPromise ★★★★★★★☆☆☆
08. MONSTER ★★★★★★★★★☆
09. ネテモサメテモ★★★★★★★★★☆
10. Happy Birthday ★★★★★★★★☆☆
11. ピエロ ★★★★★★★★★☆
12. 雨だれぶるーす ★★★★★☆☆☆☆☆
13. 明日また陽が昇るなら ★★★★★★★☆☆☆
14. OCEAN~2006MiX~ ★★★★★★★★☆☆

 

 

 

 ベスト盤を挟んで約1年ぶりにリリースされた15thアルバム。

 B’zの全作品の中でも特にバリエーションが豊富で、トータル的にものっそくカラフルな印象。いわゆるJ-ROCK畑のバンドとは異なる チャート音楽界隈でサバイブしてきた彼らならではのポップ性が遊び心を伴ってアウトプットされているわけですが、言い換えるなら 徹底してJ-POPに取り組んでる、ということですね。無論、セルアウトや軟化とは全く違う意味で。「ハードとポップの折衷」や「ポピュラリティを完備したロック」を実現させたB’zのアルバムとして『LOOSE』『SURVIVE』といったものがありますが、本作はそれらとはやや赴きや感触が異なります。

 

 ほんで、やたら開放的なプロダクションの効果もあってか、音の鳴りがめっちゃラフ。シンプルなロックが中心の作品なら前作みたいなタイトな音触りのほうが断然良いかと思いますが、今回みたいな娯楽性が高いJ-POPにどっかと座り込んだようやアルバムなら こういう大味気味な鳴りもアリかなと。

 

 ハリネズミばりに刺々しさをむきだしにしたサウンドと変則的な曲展開で聴き手を翻弄する高速ハードロック『ALL-OUT ATTACK』でまずは豪快にロケットスタートを切ります。

 

 それに続き、個と個の繋がりを生々しいエロフレーズをふんだんに盛り込んで希求した 渋みあるファンクロック『SPLASH!』、一筋の光を求めているかのようなミドルナンバー『ゆるぎないものひとつ』、レゲエのノリとブラスアレンジを取り入れた陽気なポップナンバー『恋のサマーセッション』、横ノリのダンサブルなポップロックに仕立て上げた”人の振り見て我が振り直せ”ソング『ケムリの世界』、地味ながら深みのあるミディアムバラード『無言のPromise』、景気の良い疾走ポップロック『衝動~MONSTER MiX~』、サイヤ人が大猿に変身する様を表現したかのような 笑っちゃうくらいガッチガチで緊迫感に満ちたヘヴィロック『MONSTER』、ユニークなフレーズチョイスで社会を風刺するブルージーで忙しないポップロック『ネテモサメテモ』、明るくも温かみのある躍動的なポップナンバー『Happy Birthday』、荒廃感と血生臭さに包まれたザラついたロックナンバー『ピエロ』 と、まるでどこぞの売れっ子アイドルのようなフレキシブルさを発揮しつつ、皆さんご存知のB’zイズムをしっかり活かした エンタメ性豊かなラインナップ。

 

 

 インパクトの大きさという意味では『雨だれぶるーす』が最も強烈。これはどえらいことになってます。バリバリ歌謡曲を演っちゃってるというか、ここまでくるともはや演歌です。それも演歌とハードロックが「折衷」ではなく 水と油ばりに混ざり切らないまま同時に鳴らされてるわ、他の収録曲と同様やたらラフに音が鳴ってるわで なかなかくどい仕上がり。自身の(というか松本先生の)ルーツをとことん突き詰めたような意欲作ですが、冒頭からラフな音の鳴りに耳が痛くなるし胃もたれ引き起こすしで、これには正直ついて行けないっす。

 

 希望というフレーズを連想させるようなミディアムロック『明日また陽が昇るなら』は楽曲の作風的にも詞の内容的にもエンディングに相応しいナンバーですが、開放的なプロダクションの効果でシングルテイクよりもダイナミズムを増した『OCEAN~2006MiX~』でドラマティックに締めてます。良きクロージングかと思いますけど、アルバム全体のボリューム感を考えると この曲はハブったほうが良かったかも。既にベスト盤に収録済みなんだし。

 

 仕上がりが全体的に大味気味でややボリューミーなので、フルで聴くと必要以上の満腹感に襲われてしまいますが、一曲一曲はとっつきやすいし、全体を俯瞰するとB’zきっての豊富なバラエティ感が楽しいアルバム。

 

 

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