アルバム感想『OFF THE LOCK』/ B’z

OFF THE LOCK
『OFF THE LOCK』/ B’z
1989.5.21
★★★★★★★☆☆☆

01. 君の中で踊りたい ★★★★★★☆☆☆☆
02. HURRY UP! ★★★★★★☆☆☆☆
03. NEVER LET YOU GO ★★★★★★★☆☆☆
04. SAFETY LOVE ★★★★★★★☆☆☆
05. GUITAR KIDS RHAPSODY ★★★★★★★☆☆☆
06. 夜にふられても ★★★★★★★☆☆☆
07. LOVING ALL NIGHT ★★★★★★★★★☆
08. OH!GIRL ★★★★★★★☆☆☆
09. ROSY ★★★★★★★☆☆☆
10. OFF THE LOCK ★★★★★★★☆☆☆

 

 

 

 「マインドも進化する」という不可解極まりないキャッチコピーを掲げた2ndアルバム。

 立ち位置的には最先端というより未だに80’sど真ん中じゃねーかって感じなんですけど、稲葉先生のリリックセンスやタック松本のメロディセンスが全編に渡って開花しはじめた感があるので とりあえず加速というか本格的に動き出したなって感じはするようになりましたね。

 

 タック松本のギターが前に出るようになったことで、デジタルとロックの融合に一歩近づきはしましたが、それでもまだまだキーボードの存在感のほうがデカいというのもあって、サウンド面だと満足に至るにはちょっとまだ距離があるかなって感じ。

 

 しかし、主にサビで発揮されるコーラスアレンジはシンプルながらも効果は絶大で、『SAFETY LOVE』『夜にふられても』などのアップナンバーにせよ『GUITAR KIDS RHAPSODY』『ROSY』などのミドル/バラードにせよ楽曲のムードを盛り上げるのに大きく貢献しています。

 

 あと、歌詞もだいぶ変わりましたね。前作は意味合いよりも単にリズムを重視して言葉を選んでいた感じだったんですけど、今回はテーマやストーリーをハッキリさせて描写したり、「そのうち そばにいてやんない」だの「ジゴロの余裕」だの 余所ではあり得ないフレーズをぶち込んだり、多くの単語を詰め込みながらもしっかりリズム感にも気配りが行き届いていたりと、最初のほうでも言いましたが この時点で早くもいわゆる稲葉節というやつが開花しはじめたのが分かります。
 『HURRY UP!』では、「今頃 あの娘は 空港のロビー」だの「飛んでって抱きしめてやれ」だの 全盛期のトレンディドラマやそこに登場するお節介な友人役風情の台詞を連想させるフレーズが飛び出し、思わずにやけてしまいます。

 

 本作中でいちばん気に入ってるのが『LOVING ALL NIGHT』。ぶっちゃけアレンジはスカスカ気味だし、調理のしようによっては ハードロックにもブラックミュージックにも成り得る曲にもかかわらず、ポップ感や「デジタルとロックの融合」に拘った結果なのか どっちつかずな感じにアレンジされてしまってるんですけど、ギターリフとか ダサい打ち込みベースとか 気だるくも色気を漂わせた歌唱&ラップとか チャラチャラした連中が跋扈する宇田川町あたりの薄汚れた空気感とか そういうのがなんか気持ちよく聴こえてしまうっていう。なんともアブナゲな曲です。

 

 あと、不倫ソング『NEVER LET YOU GO』、遠距離恋愛ソング『ROSY』といったバラードもまあいい感じ。これは稲葉先生の未完成なハスキーボイスが凄く魅力的でして。特に前者ナンバーでの悶えるような歌唱がいいですよねえ。後に『B’z The “Mixture”』で再演されてるんですけど、これは絶対このテイクのほうがいいです。バックを支えるギターやコーラスも泣きを喚起させる演出に一役買っていてさらに良い。

 

 80’s商業ロックをデジポップに着地させたような『夜にふられても』もいいし、タック松本のギタープレーの上で「おぉふろおおおおおっ!!!!!!」と稲葉先生がシャウトする『OFF THE LOCK』も、笑っていいんだか いけないんだかよく分からんけど、非公式ベスト『FlashBack』でスルーされたのが悔やまれる インパクト抜群の小品。

 

 結成から約1年、2013年現在のB’zとはまだまだ大きく様相は異なりますが、この時点で既にB’zは始まっていたと実感できる まずまずの作品。イマイチなサウンドプロダクションを補って余りあるB’zならではの魅力が詰まっておりば。

 

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