アルバム感想『BREAK THROUGH』/ B’z

BREAK THROUGH
『BREAK THROUGH』/ B’z
1990.2.21
★★★★★★★☆☆☆

01. LADY-GO-ROUND ★★★★★★★☆☆☆
02. B.U.M ※※※※※※※※※※
03. BREAK THROUGH ★★★★★★★☆☆☆
04. BOYS IN TOWN ★★★★★★★☆☆☆
05. GUITARは泣いている ★★★★★★★★☆☆
06. Love & Chain ★★★★★★★★☆☆
07. となりでねむらせて ★★★★★★★☆☆☆
08. HEY BROTHER ★★★★★★★★★★
09. 今では…今なら…今も… ★★★★★★★☆☆☆
10. SAVE ME!? ★★★★★★★★☆☆
11. STARDUST TRAIN ★★★★★★★☆☆☆

 

 

 

 3rdフルアルバムです。『BAD COMMUNICATION』のロングヒットの勢いに乗り、チャートでは初のベスト10どころかベスト3入りを果たした作品であります。

 

 方向性としては 前作の延長線上にある作品なんですけど、ボーカル、歌詞、サウンド、アイデアなど あらゆる側面で青臭さに溢れているというか、「BREAK THROUGH」というタイトル通り、いろんな意味で「突き抜けた」アルバムです。

 

 バッコミのヒットに甘んじない 当時のB’zの上昇志向を投影した、本作の象徴ともいうべきアッパーなデジポップ『BREAK THROUGH』『BOYS IN TOWN』、和風情緒を孕んだミドルバラード『今では…今なら…今も…』といった真っ当にいい曲もありますが、それ以外の楽曲は先述通り いろんな意味で「突き抜けた」というか、どこかしら様子がおかしいエレメントを有したものばかり。

 

 『Love & Chain』『となりでねむらせて』では 前作以上にダメ男を主役に配した歌詞に磨きが掛かっているし、シングルにはなったものの ぶっちゃけ曲自体はさほど大したもんでもない『LADY-GO-ROUND』では 和風メロに感化されてか、大江奏ちゃんもビックリの 百人一首と英語を交えた「いなばふる」なフレーズをぶっ込んでいるし、しっとりロックバラード『GUITARは泣いている』では ステージ側のギタリストがオーディエンスの女性に恋をしてしまい 一人勝手に想いを巡らせ悶え苦しんでる なんつー恥ずかしい歌詞を情感豊かに大マジで歌い上げている!シリアスかつエモーショナルな楽曲とキモオタ風情の歌詞とのギャップに笑わずにはいられん腹筋崩壊バラードなのであります。

 

 そして『B.U.M』は全編英詞ラップで構成された1分ちょいの小品。ななななんなんだこりゃ!?ライブ本番前に円陣組んで士気を高める儀式の模様をまんま収めてしまったみたいな。

 さらに『HEY BROTHER』では エセヒップホップなノリ、稲葉節が猛威を振るったチャランポランでアンビリー・バブルな歌詞、中二病というより中学生が見よう見まねで挑んだかのようなグダグダすぎるラップと、くそ恥ずかしい要素ばかりをふんだんに詰め込んでいて、『GUITARは泣いている』以上に笑わずに聴くことは不可能。『君の中で踊りたい』でわりかしソツなくラップをこなしていたことを考えると、やっぱりこのノリは天然じゃなく確信犯なのか。それにしたって、「さぁ二人で!いい女でも!探しに行こうぜ!ぴきらぁっ!!」は いくらなんでもふざけすぎ。B’z史上最強の怪曲といっても過言ではありません。

 

 『SAVE ME!?』ではダメ男歌詞、過去最高(1990年2月当時)に自我を剥き出しにしたタック松本ギター、ジミ・ヘンドリックスの『Purple Haze』のイントロ&リフ引用、終盤で「パープルヘーイズ!」と意気揚々にシャウトと、B’zならではの要素をガッチリ完備した、『BAD COMMUNICATION』に続き タック松本のパクリジナルの技術が光った一曲。

 続く『STARDUST TRAIN』は、転調が効果的に作用したメロディ展開が耳を惹く 哀愁系疾走ポップナンバー。これといって様子がおかしい要素があるわけじゃないんですけど、前曲の脱力必至な締めを経てこれを聴いてしまうと、やっぱり笑わずにはいられないので。

 

 こんだけ佳曲やネタ曲が揃っているのにイマイチ嵌まり切れないのは やっぱシンセや打ち込みがチープで軽めで何より平成初期特有の音触りだからなんですけども、ひとまず本作でB’zのオリジナリティは確立されました。つっても、デビュー作から順にアルバムを聴いても この段階では将来 日本を代表するロックユニットにまで登り詰めるとは全く想像つかないですけどね。

 

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