アルバム感想『IN THE LIFE』/ B’z

IN THE LIFE
『IN THE LIFE』/ B’z
1991.11.27
★★★★★★★★★★

01. Wonderful Opportunity ★★★★★★★★★☆
02. TONIGHT(Is The Night) ★★★★★★★★★★
03. 「快楽の部屋」 ★★★★★★★★★★
04. 憂いのGYPSY ★★★★★★★★☆☆
05. Crazy Rendezvous ★★★★★★★★☆☆
06. もう一度キスしたかった ★★★★★★★★★☆
07. WILD LIFE ★★★★★★★★☆☆
08. それでも君には戻れない ★★★★★★★★★★
09. あいかわらずなボクら ★★★★★★★★☆☆
10. ALONE ★★★★★★★★★★

 

 

 

 リリース当時、水を得た魚状態だったB’zの5thオリアル。当時の歴代最高イニシャル&史上2作目の1Weekミリオンを叩き出した 特大ヒット作で、完全にB’zのいち個性として定着した「inspired by OVERSEAS HR/HM」を汲みつつ J-POPの決定盤をつくってみた、てな感じのアルバムです。

 

 「最先端から加速する」とか大ボラ吹いていた初期どころか 前作『RISKY』と比べても あらゆる面で随分と洗練されたなあという印象を受けるんですけど、今聴くとやっぱり古臭さを感じずにはいられないというか、思いっきりアーリー90’s感丸出しの音を鳴らしてます。もっと言うならば、まんま全盛期ビーイングの音。キラキラ澱んだキーボードとかシンセブラスとかミョミョしく鳴ってるシンセベースとか、あと楽曲とは直接関係ないですけど、ジャケ写(表も裏も)もめっちゃくちゃ当時のビーイングって感じがしますよね。

 

 特に『TONIGHT(Is The Night)』『それでも君には戻れない』がそんな感じ。前者はシャレオツでムーディーでバブリーな「inspired by 山下達郎」ナンバーで、後者はセツナメロと 恋人との別れた後の心象描写が秀逸なマイナーロックナンバー。
 これまで以上にギターサウンドを前面に出しながらも、キーボードとブラスを駆使したビーイングまみれなアレンジを導入していますが、私的にはどちらもこのアレンジありきの曲だと思っているんで、むしろこれこそがマストな仕上がりって感じ。ボーカルにしても当時の稲葉先生が歌ってこそ映えるといった印象なので尚更。どちらもBメロが素晴らしすぎますな。これこそが名曲の証。

 

 また、本作にもいつも通り問題作と言うべき楽曲が潜んでいまして。それが『憂いのGYPSY』ですね。エアロスミスの『What It Takes』をお題に、タック松本がパクリジナルの技術を極めてしまったとも言うべき一曲で、初っ端のシャウトを含めたイントロ~平歌までバカ丁寧にコピーしてます。弁解不能の域にまでアクセル全開でつっこんじゃってますやんっていう。パクリジナルの技術を極めるには 神経の図太さも必要なのだなということを甚く痛感した次第。まあ元ネタを知っていても知らなくても、ノスタルジックなメロディ、歌詞&サウンドが心の隅々まで沁みこんでくることに変わりはないんですけどね。

 

 開放的なドライブナンバー『Crazy Rendezvous』は、エンジンふかす音で20秒以上使っちゃうイントロも然ることながら、どう考えても拉致でしかない歌詞が何気に驚異的。援交よりも酷いな、やってることが。っていうか、日本政府が北朝鮮に拉致事件を提起し始めたこの年になんつー歌を歌ってやがんだアミーゴこましエンジェルは。しかもこんな朗らかなムードで。『GREEN』(2002)とか『BIG MACHINE』(2003)あたりでこんな曲演ってたら、SKEの『バンザイVenus』みたく不謹慎呼ばわりされてたかもしれないっすね。

 

 押韻を多用した歌詞が胸のすくリズム感を演出している ファニーなハネモノポップス『Wonderful Opportunity』、ダンサブルでワイルドなリフとラスサビ前の「ヘーイ!リスントゥミーピーポー!ディスィズザLIVE GY—M!ふぅぁあっ!!」に痺れまくれる、ライブ意識バリバリな(その割りにライブでちっとも演らないけど)『「快楽の部屋」』、稲葉先生のストーリーテラーっぷりをまざまざと魅せつけた「inspired by 教授」バラード『もう一度キスしたかった』、ビーイング系疾走ロックの雛形とも言うべき『WILD LIFE』、いわゆるキャンプファイアーソングといった趣のアンプラグドな小品『あいかわらずなボクら』、B’zバラードの最高傑作『ALONE』といった その他の楽曲も軒並み素晴らしい出来。傑作の一枚。

 

 なんですけど、いくらポピュラリティ抜群の楽曲揃いといっても、90~93年特有の音が苦手な人にとっちゃ このアルバムは『RISKY』や『BREAK THROUGH』以上に聴いてらんないアルバムかもしれません。万人受けするというには かなり苦しい。

 

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