アルバム感想『Ja,Zoo』 / hide

Ja,Zoo(ヤズー)
『Ja,Zoo』 / hide
1998.11.21
★★★★★★★★★☆

01. SPREAD BEAVER ★★★★★★★★☆☆
02. ROCKET DIVE ★★★★★★★★★★
03. LEATHER FACE ★★★★★★★★☆☆
04. PINK SPIDER ★★★★★★★★★★
05. DOUBT ’97 (MIXED LEMONed JELLY MIX) ★★★★★★★★★☆
06. FISH SCRATCH FEVER ★★★★★★★★☆☆
07. ever free ★★★★★★★★★★
08. BREEDING ★★★★★★★★☆☆
09. HURRY GO ROUND ★★★★★★★★★★
10. PINK CLOUD ASSEMBLY ★★★★★★☆☆☆☆

 

 

 hideが他界した後にリリースされた3rdにして最後のオリジナルアルバム。元々は全13曲収録予定だったそうですが、制作やレコーディングが完了する前にhideが他界してしまったこと、そして、hideの盟友I.N.Aの「平成10年 5月2日を忘れないでほしい」という願いゆえに全10曲、収録時間58分28秒になったそうな。完成していたテイクや残されたボーカルトラックをもとに、hideのツアーバンドでもあるSpread Beaverのメンバーの協力もあり、 I.N.Aらの手によって(構想通りとはいかずとも )この状況における最善の形で完成にまで漕ぎ着けた渾身の一枚であります。

 

 けばけばしいまでに色彩豊かなポップアートという印象だった前作とは違い、今回は全体的にソリッドな感触で ある程度サイバーロックテイストでまとまってる感じがします。
 それでいながらも、単色の攻撃型に特化することなく、hideならではのユーモアや、エキサイティングさとポップさの絶妙な配合ぶりは相変わらず健在と、彼のアイデンティティーにブレがないのが実に頼もしい。

 



 

 足取り軽やかでユニークなフレーズチョイスで前進を促すハードかつポップなサイバーロック『ROCKET DIVE』、人生の挫折と再起をストーリーめいた独自の詞世界で綴った スリリングでヘヴィな退廃的ロックナンバー『PINK SPIDER』、明るくも ほんのり感傷的なロックンロール『ever free』、1サビ後の間奏における拍子の転換がドラマティックさを生んだ感涙の名バラード『HURRY GO ROUND』といったシングル曲はいずれも長い歳月を経てもなお色褪せない名曲たち。

 

 ですが、デジロックサウンドでありながらもメロディラインは歌謡チックなインスト『SPREAD BEAVER』、hideがボーカルとして参加していたバンド(ユニット)・zilchの『INSIDE THE PERVERT MOUND』のセルフカバーであるテクノ風味のダンサブルなハードロック『LEATHER FACE』、インダストリアルな原曲よりも攻撃力が増幅したデジタルハードコア『DOUBT ’97 (MIXED LEMONed JELLY MIX)』、サーフロック的なアプローチのゴキゲンアップナンバー『FISH SCRATCH FEVER』、自身の脳内に「天使と悪魔」に相当するムシケラを飼育しているようで実は自身が支配されてるのではと葛藤する様が描写されているような ダークかつヘヴィなオルタナロック『BREEDING』といった楽曲達もhideイズムが活き活きとした佳曲達。

 『PINK SPIDER』の続編に位置する『PINK CLOUD ASSEMBLY』は、hideのボーカルトラックが存在しなかったものの、hideの実弟でありマネージャーでもある松本裕士氏による朗読を起用したことで完成に至った楽曲であります。

 

 既存曲やリメイクものが過半数を占めるという、結果的にXの『DAHLIA』を想起させる構成になっちまいましたけど、制作を断念せず、そしてhideイズムを無下にすることなくアルバムを完成させてくれたことには感謝するほかない。

 


 

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