アルバム感想『Rainbow』 / KEYTALK

Rainbow(完全生産限定盤)
『Rainbow』 / KEYTALK
2018.3.7
★★★★★★★★☆☆

01. ワルシャワの夜に ★★★★★★★★★☆
02. 暁のザナドゥ ★★★★★★★★☆☆
03. ロトカ・ヴォルテラ ★★★★★★★★☆☆
04. セツナユメミシ ★★★★★★★★☆☆
05. nayuta ★★★★★★★★☆☆
06. 雨宿り ★★★★★★★★☆☆
07. 黄昏シンフォニー ★★★★★★☆☆☆☆
08. テキーラキラー ★★★★★★★☆☆☆
09. ミッドナイトハイウェイ ★★★★★★★★☆☆
10. Rainbow road ★★★★★★★☆☆☆
11. 旅立ちのメロディ ★★★★★★★★★☆
12. FLOWER ★★★★★★★★☆☆

 

 

 約1年ぶりとなる5thアルバム。
 今回も根底の部分に関しては一切 変動がなく、裏打ちを多用したダンサブルなサウンドとメロディアスかつリズミカルな歌メロで聴き手をノせるスタイルを貫徹しています。が、これまでさほど大きくクローズアップしていなかった陰サイドを掘り下げたり 大学生の飲み会的なノリを多少 抑制したことで、過去作のn番煎じ的な印象を回避しておりば。

 

 オープニングを飾る 闇夜を駆け抜けるイメージの疾走ロックナンバー『ワルシャワの夜に』が個人的に本作のベストトラック。特別 奇を衒ったテクを盛り込んでいないながらもイントロから演奏がカッコいいし、間奏のエモーショナルなギターソロも素晴らし。

 

 

 

 

 続く 妖しげな空気を振りまくスウィンギンな歌謡ロック『暁のザナドゥ』もパンチが効いてるし、演奏も歌メロも笑っちまうくらいに彼らの手癖バリバリすぎる『ロトカ・ヴォルテラ』、チープな和風アレンジが癖になる『セツナユメミシ』、昔のデッドストックから引っ張り出して一切手直しせずに録ったんじゃねえかと言いたくなるほど 往年のKEYTALKっぽさ半端ない『nayuta』といったダンスロック3連チャンも上々のノリ。

 

 申し訳程度のシティポップっぽさとファンクのノリを持ち込んだミドルスロー『雨宿り』は、今までの彼らにありそうでなかったタイプの楽曲ながら、女のハートと乳首をおもちゃの射的のコルク玉でペチンと当てるような しょぼい胸キュン感が如何にもKEYTALKっぽい佳曲。流れ的に箸休めになってるだけじゃなく、純粋に曲としても良い。

 

 ほんで後半、良くも悪くもコマーシャルな作りの爽やかポップロック『黄昏シンフォニー』、『MONSTER DANCE』で確立されたお祭り的ノリを本作で唯一引き継いだ『テキーラキラー』、サビ後半でバトル系のアニソンみたいなノリに転じるトコが個人的にツボな疾走ロックナンバー『ミッドナイトハイウェイ』、「Anything」を「エリツィン」と空耳してしまう 飛翔感あるメロコアナンバー『Rainbow road』と、前半に負けじと景気よくトバしてます。

 

 

 巨匠が作詞曲を手掛けた『旅立ちのメロディ』はタイトルに違わぬ 淀みのない 清々しく開放的なメロディに心洗われるミドルバラード。これまでのKEYTALKの聴かせる系ナンバーって私的にイマイチなものが多かったのに、前述の『雨宿り』といい今回はなかなか好感触。

 しかしなんだこのキザったらしい口ぶりで綴られた歌詞は。冒頭の「今日の君は誰のものでもない」「この瞬間を 物語の主人公になるんだよ」からして巨匠っぽさ開けっ広げ。んでまたそのフレーズをこいつはスカした素振りで歌いやがるんだよ、それも雰囲気イケメンな声色で。なのにそれが鼻につくことなく良曲としてすんなり受け止めて聴けちゃってるという、この認めがたい事実に腹立つ。しかもこれ、J-POP好きな人やお涙頂戴音楽が好きな人だったら 歌詞のテーマや歌メロの特性からして大仰なアレンジを盛り付けたくなっちゃうタイプの楽曲なのに、そこに手を出さず、しかもバンド演奏もやたらめった主張することなくシンプルに徹する道を選択しているのがまた腹立つんだわ。全てこいつらの思惑通り。しかし、それらを全て踏まえた上で聴いてもやっぱり好きな曲だ。

 

 ほんでアルバムのトリを飾る 義勝作詞曲の『FLOWER』も洗浄機能が作用した綺麗な歌メロが上々なミドルナンバー。前曲同様、我を出さずシンプルに徹した演奏と、お日様の香りがするアレンジが仕上げ方としてベストなチョイス。上手く言えないけど、確かになんか義勝っぽい雰囲気。そして聴いていて何故だか童心をくすぐられてしまう。前曲とセットで 前々作『HOT!』で見事にスベった90sアプローチのリベンジをしっかり果たしてます。

 

 

 特別 真新しいことはしていないし、曲によっては以前に別の楽曲で聴いた覚えがあるギターフレーズやベースフレーズを多用してるものもあったりしますが、これまでの強みを引き続きそのまま活かしたり 今まで足りてなかった箇所を補填したりと、KEYTALKらしさの強化に努めたようなアルバム。何気に『OVERTONE』よりも好きかもしれん。
 今作でも、J-ROCK畑のバンドながらも楽曲はJ-POPのテリトリーにズッポシ入り込んだようなキャッチーさを備えているので、J-ROCK慣れしていないJ-POPユーザーでもこれは気に入るかも。

 

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