アルバム感想『feminism』/ 黒夢

feminism
『feminism』/ 黒夢
1995.5.10
★★★★★★★★☆☆

01.心臓
02.解凍実験 ★★★★★★★★★★
03.feminism ★★★★★★★★☆☆
04.眠れない日に見る時計 ★★★★★★★★☆☆
05.Unlearned Man ★★★★★★☆☆☆☆
06.Love Song ★★★★★★★☆☆☆
07.白と黒 ★★★★★★★★★☆
08.優しい悲劇 [album mix] ★★★★★★★☆☆☆
09.情熱の影-Silhouette- ★★★★★★★☆☆☆
10.くちづけ ★★★★★★☆☆☆☆
11.Miss MOONLIGHT [album mix] ★★★★★★★★★★
12.カマキリ ★★★★★☆☆☆☆☆
13.Happy Birthday ★★★★★★★★☆☆
14.至上のゆりかご ★★★★★★☆☆☆☆

 

 

 オリジナルとしては約1年2ヵ月ぶりとなるメジャー2ndアルバム。

 V系っぽさこそまだまだ残ってはいるものの、暗黒路線を直走っていたインディーズ期の面影はほとんどなく、プロデュースを務めた佐久間正英氏の手腕も手伝って 随分とポップサイドに振り切ったなあって感じがしますな。驚きの白さとはまさにこのことです。

 

 あと、フツーの人間でもなんとか理解できる歌詞が増えたのも特徴のひとつですね。「あなたに欠けられた体を、 取り戻せないと誓った」だの「貴方を沈める鏡に生まれ いつかは私と死んで欲しい」だの、今までの歌詞は何を言ってるのか解読不能なものが多かったから、これは社会人として大きな進歩。

 

 『Love Song』『優しい悲劇』のような 線の細い王道V-ROCKや、『くちづけ』『至上のゆりかご』みたく 清春の気持ち悪い歌唱を活かした とろっとろなミドル/バラードもありますが、中には『feminism』『眠れない日に見る時計』なんつー 思っきしチャート音楽に傾倒した爽やかポップソングもあります。なんかちょっとGLAYっぽいですよね、その2曲。後者とか初めて聴いた時はかなり衝撃的でしたもん。こんな晴れた昼下がり的なまったりした清涼感を備えてるのって、後先みてもこれ一曲だけだし。

 『Happy Birthday』もなかなかの くりびつてんぎょうモンです。黒夢のくせして何ウキウキしちゃってんだっていう。サビでの上機嫌な「smile for you~♪」にはいつもと違った気持ち悪さが。間奏を聴くと どういうわけか「Hey Boy!Hey Boy!」とコールしたくなります。

 

 本作を聴いてると、当時の黒夢って売れるためだけにやむなく売れ線ポップスを演ってたんじゃなくて、本当は純粋にこの手のポップスをヤりたくてしょうがなかったんじゃねーのか!?と勘繰りたくなりますな。だって『feminism』『眠れない~』『Happy~』とか シングル曲以上にポップサイドに振り切っちゃってるし、ハードサイドに位置する楽曲のうち『解凍実験』以外の2曲(『Unlearned Man』『カマキリ』)なんて全然攻撃力が足りてないですからね。平和ボケしちゃったんか?『解凍実験』は凄いっすよ。解凍というより人体発火を敢行してるさなかの音って感じがする物騒なナンバーですけど。

 

 いちばん好きな曲といったら、黒夢における極上V-ROCK『Miss MOONLIGHT』になるんですけど、ハイライトを挙げるならば『白と黒』ですね。とにかく清春がキモいです。歌唱はもちろんのこと、「寒色 不安定 不自由 嘘 孤独感 嫉妬 無表情」とただ羅列されただけの単語達と、「君が出かけてまだ一時間 不安になる 頭が重い 声が聴きたい 電話しよう 繋がらない 何をしてるんだろう」とダメ男ぶり全開なジゴロの戯言を 妖しげなムード漂うトラックを背にヴァースでブツブツ呟く この語りがマジきんもー☆って感じ。黒夢の全楽曲の中でもダントツの怪曲です。笑っていいんだかいけないんだかっていう この際どい感じがたまらん。

 

 白か黒か、ポップかハードか どっちつかずだった前作とは比べもんにならないくらい よく出来てます。ハード系も徹底してハードさを突き詰めてくれたらモアベターでしたけど、「凡庸」や「手温い」に収束せず、潔くポップに振り切ったトコは良いと思う。清春特有のキモさもちゃんと活きてるし。

 

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