アルバム感想『KISS』/ L’Arc-en-Ciel

KISS
『KISS』/ L’Arc-en-Ciel
2007.11.21
★★★★★★★★★☆

01. SEVENTH HEAVEN ★★★★★★★★★☆
02. Pretty girl ★★★★★★★★☆☆
03. MY HEART DRAWS A DREAM ★★★★★★★☆☆☆
04. 砂時計 ★★★★★★★★☆☆
05. spiral ★★★★★★★★★☆
06. ALONE EN LA VIDA ★★★★★★★★★★
07. DAYBREAK’S BELL ★★★★★★★★☆☆
08. 海辺 ★★★★★★★★★☆
09. THE BLACK ROSE ★★★★★★★★☆☆
10. Link -KISS Mix- ★★★★★★★★★★
11. 雪の足跡 ★★★★★★★★☆☆
12. Hurry Xmas ★★★★★★★★★★

 

 

 約2年半ぶりとなる11thアルバム。
 前々作『SMILE』よりも「なんでもあり」感に拍車が掛かり、さらには『True』ばりに豪華絢爛なポップさを身に纏ったアルバムであります。それでいてラルクっぽさがしっかり通底してるあたり、キャリア15年以上を誇る職人の技が炸裂してるなと。

 

 オープニングを飾る『SEVENTH HEAVEN』は、四つ打ちなどのデジタル要素を取り込んだディスコティックなアップナンバー。初っ端から煌びやかな装飾でお出ましです。ラルクっぽさ通底してると言いつつ、ぶっちゃけラルクっぽさ無視って感じの作風なんですが、メロディの華やかさやリフの求心力もあって理屈抜きに楽しめる曲であります。

 

 続く『Pretty Girl』はkenが作詞作曲を手掛けたロックンロールナンバー。過去にもロックンロールやブラスアレンジ導入に着手したことはありましたが、こんなにチャラい曲は全ラルクナンバーの中でも未だにこれだけ。「イェァ~~~~イ!!」なんつーhydeのやけっぱちな歌いっぷりもあり、なんだか新鮮に響く一曲であります。kenちゃんっぽいと言えば なんか っぽい。

 

 『MY HEART DRAWS A DREAM』はラルク王道のメロディアスさが光る壮大なミドルナンバー。タイトルまんまの夢を描いてく歌詞やラストの大合唱など、J-POP的な意味での王道も衒いなく着手し兼備した佳曲であります。個人的には特別ツボにはまったとかグッときたとかではないけど、決して安っぽさやあざとさを感じさせない耳心地の良さはサスガって感じ。

 

 『砂時計』はtetsuが作詞作曲を手掛けた ファイナルファンタジーの世界を想起させるメロディアスなミドルナンバー。前作では大した出番がなかったテッちゃんが嫌というほど自我をむき出しにした歌詞がなかなか曲者で、純粋にいい曲だしhydeが歌ったほうがいいと思うけど、やっぱりソロで演っとけと言いたくなっちまいますな。

 

 『spiral』はyukihiro作詞作曲の疾走ロックナンバー。ユッキーにしては一見シンプルかつオーソドックスなロックのようでも、演奏やアレンジが醸し出す無機質さやメロディのクールさといった異色さにやはりユッキーのキャラクター性がしっかり表れてます。そのちょっとした異色さ・キャラクター性がカッコよさとして機能していてかなり好きな曲なんですが、後にリリースされたメンバーズセレクトベストのyukihiro作曲編で唯一収録されずハブられてるのが悲し。

 

 『ALONE EN LA VIDA』はラテンテイストの哀愁ミドルナンバー。ヴィジュアル系ロックバンドとしての一面が大きくクローズアップされており、耽美性や幻想性、妖艶さを纏ってボーカルも演奏も滑らかに遊泳してます。前作にもそういった系統の楽曲はありましたが、個人的にこの類では久々の大ヒットでした。

 

 『DAYBREAK’S BELL』は、幻想的でちょっと冷淡な雰囲気が初期のラルクを想起させる疾走ミドルロック。なんか『All Dead』とか思い出すのよね。だからhydeが手掛けた曲なんかな思ってたのに思っきしkenちゃん作曲っていうね。いやあもうわかんねーな、前作あたりから誰がどの曲作ってんのかクレジット見ないともうサッパリってのが多い。ちなみにこの曲、これまで以上に反戦の姿勢をダイレクトに打ち出していまして、そういった意味でもhyde感が強い曲だなって感じがしますね。似たような雰囲気の曲で「あーあ、みんな氏ねばいいのに」とか歌ってた昔のアイツとはえらい違いです。

 

 『海辺』は美メロと重厚なギターが印象的なダークサウンドとの対比が効いたバラード。イントロや最初の平歌がモロお通夜で、サビが海で心中しようとしてる画しか浮かんでこないという死のイメージがまとわりついた曲で、そういった意味ではラルクらしいっちゃらしい。チェ・ジウ主演の韓流ドラマ『真実』の最終回とか思い出すな。

 

 『THE BLACK ROSE』はスルリとサペスンスが詰まったハードロックナンバー。イントロがこれまた『All Dead』を思い出すのよね…と思ったら案の定hyde作曲。VAMPS前夜(この時点ではまだVAMPSはデビューしてないので)といった感じの作風で真っ当にカッコいいです。VAMPSと一体何が違うのかっつったら、最たるものはやはり歌唱ですかね。歌い方や声が以前と変わってはいるけども、ラルクとVAMPS(ソロ)ではまた違うというか、ラルクに寄せてるって感じがする。

 

 『Link』はtetsu作曲のナンバーで、開き直ったかのように明るさやポップさが全開。流麗なストリングスを装い、下地となってるアコギも瑞々しく弾み、ドラムも躍動感があり、間奏ではハンドクラップなんかも入っちゃって、ラルク流の爽快ポップスここに極まれりって感じです。いい曲。ただ、サビでボーカルが二重になってるのが意味わからんけど。

 

 『雪の足跡』は なんとなく師走っぽい雰囲気のしっとり暖かバラード。雪が積もったロシアの人気(ひとけ)があまりない深夜の街並みをお手て繋いで歩くアベックとか連想する。まあ実際そんなトコ行ったらあまりに静かで逆に物騒な気もするけど。楽曲だけでなく歌詞なんかJ-POP的に超ベッタベタでラルクっぽさ漂白の域まで来ちゃってますが、曲自体は良い。

 

 『Hurry Xmas』はビッグバンド風のアプローチに臨んだアッパーなクリスマスソング。ディズニーワールドさながらのゴージャスで楽しげなサウンドがドキ胸ワクワクを喚起させます。この曲をラストに配置することでアルバム全体の贅沢なポップ感やカラフルさをより強く印象づけてます。

 

 ラルク随一のポップさを誇っている上に、バリエーション豊富でなおかつ発売から約10年経った今でも古さを感じさせない、優良な一枚であります。ラルク初聴の一歩としても打ってつけなアルバム。

 

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