アルバム感想『A Thousand Suns』/ Linkin Park

A Thousand Suns
『A Thousand Suns』/ Linkin Park
2010.9.14
★★★★★★★★☆☆

01. The Requiem
02. The Radiance
03. Burning In The Skies ★★★★★★★☆☆☆
04. Empty Spaces
05. When They Come For Me ★★★★★★★★★★
06. Robot Boy ★★★★★★★★★☆
07. Jornada Del Muerto
08. Waiting For The End ★★★★★★☆☆☆☆
09. Blackout ★★★★★★★★★☆
10. Wretches And Kings ★★★★★★★★★☆
11. Wisdom, Justice, And Love
12. Iridescent ★★★★★★★☆☆☆
13. Fallout
14. The Catalyst ★★★★★★★★☆☆
15. The Messenger ★★★★★★★★☆☆

 

 

 約3年4ヵ月ぶりとなる4thアルバム。

 ミクスチャーロックからストレートなロックへ、サウンド全体の印象も動から静へとシフトチェンジし賛否がばっくり分かれた前作からまたまた打って変わり、今回はエレクトロニカ路線へと大きく舵を切ってます。
 もはや「取り入れる」っていうレベルでもなけりゃ、マッド(THE MAD CAPSULE MARKETS)やラスベガス(Fear, and Loathing in Las Vegas)みたいなデジタルとバンドサウンドの融合っていうアレでもなく、完全にエレクトロニカがメインとなっちゃってるのが凄いな。前作を凌ぐこの大きな変貌ぶりは、シャンソン歌手から料理愛好家へと転身した平野レミを想起させる。

 



 

 つっても、収録曲全てが 積み上げたものぶっ壊して身につけたもの取っ払ってまっさらな状態から作り上げたというわけでもないんですよね。
 例えば『Robot Boy』は、前作収録の『Hands Held High』で打ち出した荘厳なムードメイキングを活かしつつ、エレクトロニカを大々的に駆使して さらなるスケール感を演出しているし、『Iridescent』も前作収録の『Shadow Of The Day』で着手したU2的アプローチをさらに発展させたものとなっており、なんか神々しさを帯びたような仕上がりに。
 『Burning In The Skies』での 淡々と幕開けしながらも徐々に盛り上がりを魅せる手法も、前作で見受けられたアプローチのアップグレード版といった感じだし、 これまでの経験やチャレンジングが少なからず活かされているんですよね。

 

 チェスターが本作随一のシャウトをトバしまくるハウス調ナンバー『Blackout』やヒップホップやダブステップなどを取り込んでハードかつヘヴィに仕上げた『Wretches And Kings』では予てより随所で覗かせていたDJ担当ハーンのサンプラーとしてのポテンシャルがエッジの効いた形で発揮されていて、これがくっそカッコいいんだわ。

 



 

 逆に、民族音楽やヒップホップ、ロック、エレクトロニカを飲み込んで昇華した『When They Come For Me』や、Underworldちっくなエレクトロアップ『The Catalyst』がなかなか新鮮で、これまでのリンキンとはだいぶ赴きは異なるものの、カッコよくてノれる仕上がりゆえに個人的にはかなり気に入ってます。
 デジタル要素を取っ払ったアコースティックサウンドをバックにチェスターが情感豊かに歌い上げるバラード『The Messenger』も良いです。

 

 また、本作は核戦争がコンセプトとなっており、政治運動家や科学者などのスピーチをサンプリングしたり、戦争風景を思わせるサウンドを描写したりしています。
 それらをインストとして採用するほか歌モノ楽曲の一部に組み込んだり、曲間を設けずに配置したりと、アルバム全体を通じて一つの作品を創り上げているような感じがします。
 実際 聴いてみると一本の映画作品を観ているような感覚になるし、特にコンセプトとか知らずに聴いてもドラマティックな音世界に引き込まれちゃうんで、特に何か下調べしたり歌詞カードを熟読しながらなんてせずに聴いてみるのもアリなんでは。

 

 バンドサウンドの出番はかなり少なめだったり意味深な演出が仕込まれていたりと 実験的でありながらも 付け焼き刃感がなく しっかり練り込まれた快作。数あるリンキンの作品の中でも最も物議を醸した作品だと思いますが、私は賛成派。

 

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