アルバム感想『HOME』 / Mr.Children

HOME(通常盤)
『HOME』 / Mr.Children
2007.3.14
★★★★★★★★★☆

01. 叫び 祈り ★★★★★★☆☆☆☆
02. Wake me up! ★★★★★★★☆☆☆
03. 彩り ★★★★★★★★☆☆
04. 箒星 ★★★★★★★☆☆☆
05. Another Story ★★★★★★★★☆☆
06. PIANO MAN ★★★★★★★☆☆☆
07. もっと ★★★★★★★☆☆☆
08. やわらかい風 ★★★★★★★★★☆
09. フェイク ★★★★★★★★☆☆
10. ポケット カスタネット ★★★★★★★★★★
11. SUNRISE ★★★★★★★★★☆
12. しるし ★★★★★★★☆☆☆
13. 通り雨 ★★★★★★★☆☆☆
14. あんまり覚えてないや ★★★★★★★★★★

 

 

 約1年半ぶりとなる13thアルバム。

 前作で衝動的な楽曲に多々着手した反動か、じいちゃんばあちゃんにもSUPER DELICATEな耳をしたリスナーにも優しい楽曲が目白押しで、全体的に平穏なムード。

 そして、どっかのラノベの言葉を借りるならば、「日常を楽しみたまえ」と謳ってるような感じの内容です。まあ「楽しみたまえ」って言うほどアクティブで軽やかなラインナップじゃないんですけども。『通り雨』なんて曲自体は清々しく軽快でポジティブに着地してはいるけど歌詞に死生観も含有されていたりするし。

 

 後の『ポケット カスタネット』 から派生した楽曲で、お目覚め前に悪夢にうなされている様を連想させる小品『叫び 祈り』、音楽の朝マック、ラジオ体操の対抗馬的存在といった感じの『Wake me up !』、やけに前向きなポップロック『箒星』、 個人的に励まされてる気にはならないけども言いたいことは分かってるつもりゆえ特に異議はない穏やかミドルな労働讃歌『彩り』、ベタな恋愛ストーリーの主人公みたいな男の不甲斐なさと温かさが描写された垣間見える胸キュンミドル『Another Story』、 2005年にイングランドで発見されたびしょ濡れ男のことしか思い出しようがない ジャジーなアップナンバー『PIANO MAN』、まるで離乳食のような耳心地の温かミドルスロー『もっと』、なんとなく夕映えの帰り道の絵が浮かんでくる 甘酸っぱさを孕んだ ミドルスローな君回顧ソング『やわらかい風』、3コーラス目の歌詞に童心を擽られて涙がじわり滲んでくる 柔らかく淡いミドルナンバー『あんまり覚えてないや』と…総合的には年金受給者が過ごす日常のBGM集と形容したくなるラインナップ。ビックリするくらいに毒気がない。

 

 …と言いたいトコですが『フェイク』だけは別。ダンサブルな四つ打ちを敷いたディスコティックなロックナンバーでなんだか夜の匂いがします。そしてどことなくケバいです。アルバムの雰囲気には全く合ってないけど、これがないと曲数的にも時間的にもダレる人間多発は必至なので、まあ妥当な配置。そんなに刺激が強いわけでもないしね。

 

 私的には『ポケット カスタネット』がいちばん好きです。オリエンタルな美メロと、終盤の 打ち込みとシンセストリングスを駆使したスペーシーに膨らむ音像がドラマチックでこれ好感触。アレンジのさじ加減がいいっすね。これくらいならまだ過剰の域には入ってないし。

 

 それに続く『SUNRISE』 も凄くいい。オレンジ色の輝きが徐々に暗闇を打ち破るようなイメージのサウンドが美しく清々しい響きで、躊躇いや もがきがありながらも最終的に前へ踏み出すような歌詞ともリンクしてる。

 

 そして、ストリングス山盛りのお涙頂戴バラード『しるし』。歌詞やアレンジが流行歌の戦略ど真ん中です。そして見事に売れました。さらには、平井堅『瞳をとじて』とORANGE RANGE『花』が引き起こした悪しき風潮にさらなる拍車をかけちゃったりなんかして、本当いい気なもんだ。良い曲なんですけども、ミュージックシーンにも悪い意味で多大な影響を与えたことを考えるとちょっとね。

 

 前作以上にバンド感が希薄ではありますが、どの曲もいいし、『フェイク』であんなこと言っといてアレですが案外心地いいまま聴き通せてしまったんで、これはかなり好きなアルバムです。00年代のミスチル作品ではこれがいちばんかも。

 

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