アルバム感想『REFLECTION {Naked}』 / Mr.Children

REFLECTION{Naked}完全限定生産盤(CD+DVD+USB)
『REFLECTION {Naked}』 / Mr.Children
2015.6.4
★★★★★★★★★☆

01. fantasy ★★★★★★★★★☆
02. FIGHT CLUB ★★★★★★★☆☆☆
03. 斜陽 ★★★★★★★★★★
04. Melody ★★★★★★★☆☆☆
05. 蜘蛛の糸 ★★★★★★★★☆☆
06. I Can Make It(※) ★★★★★★★☆☆☆
07. ROLLIN’ ROLLING ~一見は百聞に如かず(※) ★★★★★★★☆☆☆
08. 放たれる(※) ★★★★★★★☆☆☆
09. 街の風景(※) ★★★★★★★★☆☆
10. 運命(※) ★★★★★★★★☆☆
11. 足音 ~Be Strong ★★★★★☆☆☆☆☆
12. 忘れ得ぬ人 ★★★★★★★★☆☆
13. You make me happy(※) ★★★★★★★☆☆☆
14. Jewelry(※) ★★★★★★★★☆☆
15. REM ★★★★★★★★☆☆
16. WALTZ ★★★★★★★☆☆☆
17. 進化論 ★★★★★★★★☆☆
18. 幻聴 ★★★★★★★★★★
19. Reflection
20. 遠くへと(※) ★★★★★★★★★☆
21. I wanna be there(※) ★★★★★★★☆☆☆
22. Starting Over ★★★★★★☆☆☆☆
23. 未完 ★★★★★★★★★☆

(※){Drip}未収録曲

 

 

 約2年半ぶりとなる18thアルバム。
 14曲を厳選してCDに収録した{Drip}と、23曲を詰め込んだUSB形態のアルバムに前述の{Drip}と写真集、ライナーノーツなどがパッケージングされたBOX仕様の{Naked}という2種が存在します。2018年5月10日より、{Drip}も{Naked}も音楽配信サイトで配信がスタートしたので、私はそっちを利用して{Naked}を聴きました。

 

 これまでのミスチルのアルバムには何かしらのテーマや特徴的なまとまりがあったのですが、今回はそういったものが皆無。とにかく完成した良質な楽曲を詰め込んでいった結果23曲になっちまったという感じ。

 

 そして、もう一つの特徴としては、デビュー以来初となるミスチルのセルフ(単独)プロデュース曲が過半数を占めていること。
 といっても、作風に関しては これまでのミスチルの楽曲とそんなに大きく変わらないんですけどね。いちばんの変化はバンドサウンドの復権。20世紀のミスチルを比較的よく聴く身としては、やっとここまでバンド感が戻ってきたのかと。

 

 空想、願い、現実、理想、夢をアイロニカルに描写した 煌びやかで翳りもあるミドルポップナンバー『fantasy』、熱気溢れるしゃかりきロックナンバー『FIGHT CLUB』、ひと昔前のミスチルを想起させるアンニュイなミドルポップス『I Can Make It』、世の中の不条理をぶちまけながらも若ぇ奴らを後押しする荒くれブラスロック『ROLLIN’ ROLLING ~一見は百聞に如かず』、現状を踏まえた上で綴られた理想がやたらピュアな カントリー風ナンバー『街の風景』、ハンドクラップを交えた 爽快で青臭いコマーシャルなポップナンバー『運命』 、星空を思わせるアレンジが実にロマンチックな美麗バラード『忘れ得ぬ人』、まったりとした夢見心地なミドルナンバー『You make me happy』、ジャジーなアプローチで臨んだ官能的な歌謡ナンバー『Jewelry』、三拍子以外にワルツらしき要素が見当たらない やさぐれロックナンバー『WALTZ』、NEWS ZEROタイアップだけあって1日を穏やかに締めくくるようなイメージの落ち着いたバラード『進化論』、桜井氏のピアノ演奏をクローズアップしたインスト『Reflection』、真夜中のベイサイドをマイカーで独りひた走るイメージのミドルナンバー『遠くへと』、大団円的ミドルポップ『I wanna be there』、ストッキングを取ってすっぽんぽんにしちゃって全力疾走してる画が浮かんでくる爽快ロックナンバー『未完』など、 ほとんどのセルフプロデュース曲は、単にバンド感が前面に出ただけじゃなく、演奏とアレンジが上手く掛け合わさってます。特に前作はこの部分がグズグズになってる曲が多かったから、ここは大きな改善ポイント。

 

 ただ 『足音 ~Be Strong』『Starting Over』はちょっと。どちらもセルフプロデュースによるバラードですけど、コバタケがやたら出しゃばっていた直近のこってりバラードと作風が大して変わらん。や、これでも数年前よりはストリングスの介入ぶりは多少落ち着いたのだけど、変わったのはその配合比率だけ。なんだそりゃ。結局のところコバタケがプロデュースしていようがいまいがこの系統のバラードは私的にさほど好みではないようです。

 

 また、若干ながらコバタケとの共同プロデュース曲も存在します。ハッピーオーラを照射したミドルポップ『Melody』、幻想的なアプローチが文学的な歌詞の儚さや狂おしさを美化するバラード『蜘蛛の糸』、水面に揺蕩うイメージの繊細バラード『放たれる』、桜井氏がかつてないまでに発狂した 血生臭いロックナンバー『REM』と、セルフプロデュース曲と同様にこちらも演奏とアレンジの掛け合わせが上々。

 特にロシア民謡風のアレンジとマーチング的なリズムが痛みや孤独を厭わない勇ましさを演出した渋味あるミドルロックナンバー『斜陽』と、胸に温かい光を灯す壮大バラード『幻聴』は彼の手腕があってこその名曲で、前作までのインスタ映えに偏重したも同然のアプローチとは全く別モン。一体何があったコバタケ!?

 

 ということで、名曲佳曲がぎっしり詰まったアルバムなのですが、ぶっちゃけ23曲収録することに対する必然性は感じませんでした。私的な好みを抜きにしても『足音 ~Be Strong』『Starting Over』はどちらか1曲あれば十分だし、カップリングに収録済みの『Melody』とか『放たれる』とかも本作への収録を見送ったところで何の不都合もないし、いくらメリハリの効いた配置になってるっつっても そもそも収録時間100分越えはやっぱキツいっすわ。

 まあそれでも現在のミスチルの振れ幅を一つの作品に収めるとなるとCD1枚に収めるのは不可能ゆえ、より今のミスチルの面白さを満喫したいのであればNakedを手にとったほうがいいっす。でも、ヒネリを効かせた楽曲をほぼ排除し正攻法ナンバーを中心に固めた{Drip} も違和感や不足感なく聴けちゃうんで、結局のところ どっちを選択するかはあなた次第というトコに着地しちゃうんですけど。私的にはかなり気に入った一枚で、『深海』や『Q』に次いで好きなアルバム。

 

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