アルバム感想『Q』 / Mr.Children

Q
『Q』 / Mr.Children
2000.9.27
★★★★★★★★★★

01. CENTER OF UNIVERSE ★★★★★★★★★☆
02. その向こうへ行こう ★★★★★★★★★★
03. NOT FOUND ★★★★★★★★★☆
04. スロースターター ★★★★★★★★☆☆
05. Surrender ★★★★★★★☆☆☆
06. つよがり ★★★★★★★☆☆☆
07. 十二月のセントラルパークブルース ★★★★★★★★★☆
08. 友とコーヒーと嘘と胃袋 ★★★★★★★★★☆
09. ロードムービー ★★★★★★★★★☆
10. Everything is made from a dream ★★★★★★★★★★
11. 口笛 ★★★★★★★☆☆☆
12. Hallelujah ★★★★★☆☆☆☆☆
13. 安らげる場所 ★★★★★★★☆☆☆

 

 

 約1年7ヵ月ぶりにリリースされた9thアルバム。
 前作までの重苦しい雰囲気はどこへやら。前作は光の射す方へと向かうような流れとなっていましたが、その後 暗闇から脱出し、なにものにも縛られることなく思うさま何でもやってみたというYouTuberさながらの軽やかな足取りで作り上げられたアルバムであります。

 

 冒頭の『CENTER OF UNIVERSE』は緩急変化に富んだ曲展開と、苦境に立たされた時ほど胸にグッときそうなポジティブ歌詞が秀逸な変則的ロックナンバー。私的に特に印象深い「どんな不幸からも 喜びを拾い上げ 笑って暮らす才能を誰もが持ってる」なるフレーズも含め、長いこと苦悩や葛藤をし続けてきた人ならではの歌詞ですね。本作、そして当時のミスチルを象徴する一曲であります。

 

 エスニックな雰囲気に包まれた 重厚かつ壮大な『その向こうへ行こう』、民生風のレイジーなロックナンバー『スロースターター』、平歌でラリったボーカルが炸裂するブルースナンバー『十二月のセントラルパークブルース』、トーキングスタイルのボーカルと間奏の漫談が自由奔放で面白い エレクトロニカ導入の香ばしいナンバー『友とコーヒーと嘘と胃袋』、小さな夢が起源となった発明が世界にもたらした功罪と 未来を担う「僕ら」への警鐘と希望を歌った マーチ風ポップソング『Everything is made from a dream』など、従来のミスチルのイメージとは異なる楽曲は いずれもアンサンブルとアレンジとアイデアが上手く掛け合わさっていて至極ユニーク。『十二月のセントラルパークブルース』『友とコーヒーと嘘と胃袋』 に関しては、いい曲でもあるけど、どっちかというと「面白い」曲だな。ワロてまうという意味の。

 

 そうは言っても、徹頭徹尾 好き放題 暴れ回ってるわけではなく、従来のミスチルのイメージに沿った楽曲もバッチリ押さえてあります。
 ハイトーンボーカルが眩く響く3連ミドルポップ『NOT FOUND』、肩肘張らない演奏とノスタルジックな雰囲気に心が和む隠れ名曲『ロードムービー』、温もりをじわじわと伝う穏やかなバラード『口笛』などがまさしくって感じですな。

 

 ピアノやストリングスがフィーチャーされたバラード『つよがり』も今あらためて聴くとミスチルらしいと形容できるナンバーですが、厳密には00年代以降のミスチルの十八番となった類なので、この曲がその系統の先駆けになったということかな。フィーチャーというより ピアノやストリングスだけの『安らげる場所』 は完全なる桜井ソロ。『Hallelujah』は大体のアルバムで1曲は着手する壮大系ですけども、すまん、これはあんま好きじゃないのだ。逆にくっそシンプルに仕上げたアコースティック系『Surrender』はまあまあ。

 

 ミスチルには珍しくエンタメ性がガッチリ備わったイレギュラーなラインナップですが、語感への意識が高いフレーズチョイスや社会の皮肉り方やポップなメロディなど、ミスチルイズムがしっかり通底してるのが、ミスチルの作品として好印象を抱く所以のひとつ。私的にはこれがミスチルの最高傑作です。

 

 ちなみにこのアルバム、世間的な評価に関してはよく分かりませんが、リリース当時 わたしの周辺ではかなり人気が高かった一枚だと記憶しています。スピッツの『ハヤブサ』、ラルクの『REAL』と同等くらいで、そのちょっと下にルナシーの『LUNACY』、イエモンの『8』、19の『無限大』が来る、みたいな感じで。バンドもんばっかやがな。

 

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