アルバム感想『欠片』/ NoGoD

欠片
『欠片』/ NoGoD
2010.8.4
★★★★★★★★☆☆

01. 鼓動
02. 心臓 ★★★★★★★★★☆
03. 緋キ日ノ誓イ ★★★★★★★★☆☆
04. 少年と地図 ★★★★★★★☆☆☆
05. 慰みの空 ★★★★★★☆☆☆☆
06. 蝋翼 ★★★★★★★☆☆☆
07. 君がくれた幸せと君に捧ぐ涙 ★★★★★★★★☆☆
08. カクセイ ★★★★★★★★☆☆
09. 果実は嗤う ★★★★★★★★☆☆
10. II-懐疑 ★★★★★★★★★☆
11. 君に贈るいつまでも消えない詩 ★★★★★★★☆☆☆
12. アイ ★★★★★★★☆☆☆

 

 

 ヴィジュアル系ロックバンド・NoGoDのメジャー1stアルバム。

 楽曲はハードロックやメタルを基調としており、ダイナミズムとテクニックが映える演奏と団長のハイトーンボーカルが活きたメロディが強力な武器となってる…というのがこのバンドの大雑把な特徴で、本作に関してはバンドの基軸をしっかり固めつつ歌メロのキャッチーさ、メロディアスさに比重を置いている感じがしますね。あと、歌詞が見てくれに似合わず地に足ついたメッセージ性を有してるのも彼らの特徴の一つ。歌声に覇気があり、声質や歌い方に人情が滲み出てるので、これは彼らの音楽においてしっかり強みとして機能しています。

 

 冒頭からエッジーなアンサンブルとデスヴォイスが炸裂するメタルナンバー『心臓』、続けざまに攻める疾走ハードロックナンバー『緋キ日ノ誓イ』は、演奏スキルがしっかり発揮された耳応えあるサウンドでありながらも、サビのメロディは取っ付きやすい仕様。

 

 少年ジャンプ系アニメのテーマソングチックな爽快ロック『少年と地図』、風を切るようなイメージの疾走アップ『蝋翼』といったポップ寄りの楽曲や、荒廃バラード『慰みの空』、”穏”と”激”のメリハリが効いたミドル『果実は嗤う』でも歌メロ偏重にならず、骨のある演奏を聴かせてくれるのはやっぱりいいところ。

 

 シングルにもなった『カクセイ』は、メタルを分かりやすくカッコよく仕上げたプロトタイプような楽曲。この塩梅でもセルアウトだの何だの言われてしまいそうですが、メジャーフィールドでの一発目ということを考えれば適切な名刺代わりになっているんじゃないかと。ぬるま湯にもなってなけりゃ軟化してるわけでもないし、間奏も若干よそゆき感はあるものの、How to メタルに対する回答としては十分のプレーを魅せてますよ。でも『アイ』はちょっとセルアウトしちゃってる感があるな。全然嫌いな曲ではないけど。

 

 

 『君がくれた幸せと君に捧ぐ涙』はベッタベタなお別れバラードかと思いきや、まさかのインスト。しかし楽曲は 確かにタイトルが示す通り、大切な人との別離あるいは過ぎ去りし日を回顧しているその時を彩るBGMのような、寂しさもありつつ温かさと清々しさを感じさせる雄大なミドルロックナンバー。ボーカルに代わってギターが高らかにエモいメロディを歌うように奏でておりば。非常にいい曲なのですが、何故フェードアウトやねんと。きっちり完奏したほうが綺麗なのにこの締めとは、未練が残っていることを表してるということなんやろか。

 

 『君に贈るいつまでも消えない詩』はくっそ普遍的な爽やかミドルポップス。HR/HM系のバンドらしからぬ、もっと言うとバンドでやる意義をまるで感じない売れ線ど真ん中の楽曲です。まあ団長のハイトーンがここでもしっかり活かされてるし悪い曲ではないのですけどね、本編のラストにコレを持ってきちゃうのは小綺麗すぎやしま鮮花。

 

 本音を言えばプログレナンバー『II-懐疑』みたく複雑な展開と演奏陣のハッスルプレーが真価をむき出しにした楽曲がもう少しあったほうが良かったなとは思うけど、それでもなんとか上手いことセルアウトにならずバンドの特徴を十分な強度でパッケージング出来た佳作であります。

 

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