アルバム感想『Enjoy』/ 大原櫻子


『Enjoy』/ 大原櫻子
2018.6.27
★★★★★★★★☆☆

01. one ★★★★★★★★☆☆
02. 泣きたいくらい ★★★★★★★★★☆
03. ツキアカリ ★★★★★★★★★☆
04. energy ★★★★★★★☆☆☆
05. ひらり ★★★★★★★★☆☆
06. 夏のおいしいところだけ ★★★★★★★★☆☆
07. マイ フェイバリット ジュエル ★★★★★★★☆☆☆
08. Jet Set Music! ~Album ver.~ ★★★★★★★☆☆☆
09. 甘えてしまうんだよ ★★★★★★★★☆☆
10. さよなら ★★★★★★★★☆☆
11. いとしのギーモ ★★★★★★★☆☆☆
12. Close to you ★★★★★★★★★☆
13. 青い季節 ★★★★★★★★☆☆
14. Joy & Joy ★★★★★★★★☆☆

 

 

 

 約2年ぶりとなる3rdオリジナルアルバム。

 

 舞台をメインにドラマや映画など女優業に注力しつつ、シングルもスローペースながらリリースしていたようですけども、デビュー当初からプロデュースを務めていた亀田師匠が離脱してしまったというショッキングなトピックが。と言っても、前作から大きく路線が変わったわけではなく、今回も正統派J-POPに真っ向から取り組んでいるし、楽曲の作風もそんなにガラッと一変したような感はなく。ちなみに、本作の収録ナンバーの多くを手掛けているのは小名川高弘氏。元CHARCOAL FILTERであり、現在はチームSY(山本彩バンド)で時々活動しているギタリスト兼作家の方であります。

 

 作風はそんなにガラッと変わってないと言ってるそばからアレですけど、冒頭の『one』にいきなり驚かされました。なんとトロピカルハウスを導入してやがる!もちろん本場モンではありませんが、付け焼刃感なくJ-POPメロディに上手く馴染ませている インパクト勝負に終止しない佳曲となっておりば。以前に打ち込みを大々的に取り込んだ楽曲がありましたが、それとは違いこっちはダンスポップの域に踏み込んでいます。にもかかわらず、アルバム全体から浮くことのないバランス感覚で以て仕上げられているのが見事。

 

 ラストに収録された『Joy & Joy』も同じくトロピカルハウスを導入した キャッチーなダンスポップ。ケバケバしかったり尖ってたりなんとことはないので、ダンスミュージックに馴染みがなくとも気軽に楽しめるはず。

 

 『ツキアカリ』は前述の2曲みたいなダンスポップ系ではないけども、その2曲以上にデジタルサウンドを多分に駆使したトレンディなエレポップナンバー。夢見心地を喚起させる胸キュンなメロディ歌唱、エレクトロアレンジとの相性が抜群ということもあり、世間が櫻子ちゃんに対して抱いているギタ女なイメージとはかけ離れていながらも 飛び道具っぽさが皆無の真っ当に良い曲。この手の楽曲ばっかになっちゃうのはアレだけど、レパートリーの一種として引き出しに閉まっておくのは十分アリ。

 

 

 『泣きたいくらい』は、爽やかさと甘酸っぱさが含有された青春まさかりのミドルポップナンバー。胸を締め付けるようなメロディがとても綺麗です。この手のメロディだと、ついついスローバラードのアレンジを選択しがちな感じですけども、テンポ感あるポップソングに仕上げたのが実にグレイト。じゃなきゃこんな爽やかさと甘酸っぱさは発揮されなかっただろうし。本作のハイライトといったら間違いなくコレでしょう。

 

 

 逆に『energy』『Jet Set Music!』『青い季節』といったアッパーなロック/ポップナンバーで引っ掛かるところが。櫻子ちゃん、以前に比べてちょっと声量が落ちたな。腹から声出してる感がだいぶ薄れてるし、意図的に抑えるような場面でもないし。楽曲に対して明らかに声量が不足しているわけでもないんで過去作を無視して聴けば無問題ですけど、1stでの元気ハツラツぶりを存分に体感した身としてはどうしても物足りなく思えてしまうトコ。

 もっと言うと、『energy』は社会風刺系の楽曲だから、歌唱で もうちょっと尖りを魅せてほしかったな。せっかくのエッジが効いた歌詞が鈍くなるというか、下手したら言葉が音やリズムとしてしか機能しなくなっちゃうからな。

 

 

 どういうわけか80sっぽいリズムの音触りが採用されている 亀田師匠の王道をゆく桜バラード『ひらり』、いきものがかり水野プロデュースによる ベタを突き詰めに突き詰めた繊細なロストラブバラード『さよなら』、一段ずつ階段を上がり徐々に光が差し込んでくるようなイメージのドラマティックなバラード『Close to you』は、いずれも大仰な仕上がりながら食傷を喚起することもない上質な出来。特に『Close to you』は、凛とした歌唱がポジティビティや力強さを上積みしており、しっかり歌の力で楽曲の魅力を底上げしているのがいいです。

 

 

 オシャレに振り切ることもイモっぽくなることもないナチュラルな塩梅に着地した 爽やかおセンチな夏色歌謡ポップス『夏のおいしいところだけ』、等身大でブレのない女子像を映し出した歌詞が良い これまたおセンチなミドルポップ『マイ フェイバリット ジュエル』、ツンデレ女子のデレ部分をクローズアップした アコースティック仕様の男撃ち抜きミドルスロー『甘えてしまうんだよ』、軽快でほのぼのしたミドルポップ『いとしのギーモ』と、その他のナンバーもハズレなど一切ない佳曲揃いのラインナップ。

 

 なんですけども、前2作よりは幾分満足度は下になるかなって感じ。なんでだろ?全体的にやや味が薄めってことと、アップナンバーに物足りなさを感じたからかな。でも、デジタル色が濃いナンバーが3つも用意されていながら、とっ散らかったり変に浮いたりしていないトコはいいこと。

 

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