アルバム感想『LOVE LETTER』/ 大塚愛


『LOVE LETTER』/ 大塚愛
2008.12.17
★★★★★★★★☆☆

01. LOVE LETTER ★★★★★★★★☆☆
02. ロケットスニーカー ★★★★★★★★★☆
03. バイバイ ★★★★★★★★☆☆
04. クラゲ、流れ星 ★★★★★★★★☆☆
05. 人形 ★★★★★★★★☆☆
06. 君フェチ ★★★★★★★★☆☆
07. Creamy&Spicy ★★★★★★★☆☆☆
08. ド☆ポジティヴ ★★★★★★★★★☆
09. 360° ★★★★★★★★☆☆
10. シヤチハタ ★★★★★★★★★☆
11. One×Time ★★★★★☆☆☆☆☆
12. ポケット ★★★★★★★★☆☆
13. 愛 ★★★★★★★★☆☆

 

 

 

 約1年3ヵ月ぶりとなる5thアルバム。

 

 これまでの4作とは明らかに質感も作風も変わってます。前作までがポップアイコンとして徹底的に売れ線音楽を演っているアルバムだとしたら、今回は彼女のパーソナルな側面をクローズアップした内容で、日常に寄り添ったものや体温を感じるものが多々見受けられるのがちょっとした特徴。

 

 彼女自身によるピアノ弾き語りバラード『LOVE LETTER』、今までありそうでなかった 軽快に弾むピアノロックナンバー『ロケットスニーカー』、頭ひとつ抜けて人気が高いケータイ小説みたいな歌詞と 美しく切なく どことなくロマンチックなサウンドが何気に当時のトレンドをなぞっているようにも思えるバラード『クラゲ、流れ星』、シンプルに綴られた痛々しい歌詞がダイレクトに響くマイナーバラード『人形』、円を描くような打ち込みリズムとクラシカルなピアノサウンドが徐々に波紋を広げ幻想性を増していくイメージの『360゜』、凍てつく空気感の中で胸の内が温もりが広がっていくようなラブバラード『ポケット』、穏やかでスケール感があるハートフルなバラード『愛』など、過去にもピアノサウンドを取り入れた楽曲はありましたが、今回はピアノが楽曲を主導するようなナンバーがいつも以上に多め。ミドル/バラードに限らず、アップナンバーや実験的な楽曲でも手法を変えつつ導入されているので、ひとえにピアノメインといってもタイプは様々。

 

 

 

 本作中で特に強烈な印象を残す楽曲が2曲あります。
 まずは『君フェチ』。一言で温かみがあるとは形容しきれない 生々しさや艶っぽさ、まったり感、それこそ体温さながらの温度感をサウンドだけでもイヤというほど感じます。もっと言うと、エロ。彼女の歌唱や 二人の愛し合う様を描写した歌詞が、リアルに情景を浮かび上がらせるばかりか、実際に好きな異性とヤッてるかのような錯覚を起こさせ、体温を上昇させ発汗まで催すという強力な喚起力を発揮してきやがります。アルバム全体の印象づけに大きな影響をもたらしているのは案外この曲かもしれんな。

 

 もう一曲は『シヤチハタ』。正規のジャズバンドをバックに据えた本格志向のジャズサウンドは厚みも品格もしっかり備わったゴージャスな鳴りでプレー自体もカッコいいのに、その上でふざけ半分のスキャットとキメのトコで「シヤチハタ~」と歌うだけという、これまでのお遊びソングとは切り口もグレードもまるで違うナンバー。インパクトがある上に個人的には素直に面白いと思ったし、曲自体も良いし、今までどの楽曲でも魅せたことがなかったババ臭い一面を良い方向で活かすことにも成功してるし、いいこと尽くめの一曲やんか!

 

 

 カラッとした感触のポップロック『バイバイ』『Creamy&Spicy』、他の生音採用の楽曲と違い 敢えてライブ感あるザラついたプロダクションで仕上げたアッパーなロックナンバー『ド☆ポジティブ』といった他の楽曲も好感触だし、かつてのようなアイドルっぽさや過度なカラオケ意識は完全になくなってるし、上手いことシンガーソングライターへとシフトチェンジすることが出来た一枚なんじゃないかと。彼女がこのアルバムをどう位置付けているのかは置いといて、現時点までのオリジナルアルバムを全て聴いた限りでは間違いなく ここが大きなターニングポイントとなったトコでしょ。

 

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