アルバム感想『LOVE HONEY』/ 大塚愛


『LOVE HONEY』/ 大塚愛
2017.4.12
★★★★★★★★☆☆

01. HONEY ★★★★★★★★☆☆
02. 私 ★★★★★★★★☆☆
03. QueeN ★★★★★★★☆☆☆
04. TOKYO散歩 ★★★★★★★★★☆
05. サクラハラハラ ★★★★★★★☆☆☆
06. HEART BREAK ★★★★★★★☆☆☆
07. モノクロ ★★★★★★★☆☆☆
08. make up ★★★★★★☆☆☆☆
09. FrogFlag ★★★★★★★★★★
10. HEY!BEAR ★★★★★★★☆☆☆
11. スターターピストル ★★★★★★★☆☆☆
12. 日々、生きていれば ★★★★★★★★★☆

 

 

 

 約2年ぶりとなる8thアルバム。

 

 前作に続き、今回もエレクトロアレンジを導入しています。といっても前作の続編という感じではないんですよね。前作が全体で統一されたエレクトロコーティングのサウンドにどっぷり浸るといった感じのアルバムだったのに対して、今回はエレクトロアレンジを多用しつつも もっとポップスに寄せたものがメインとなっていて、全体的にカラフルな印象。

 

 また、今回は女性を被写体にした楽曲が多いのも特徴的で、女性を後押しするメッセージ性を有したものや、女性の日常を切り取って描写したものなどがあったり。特にテーマを恋愛に限定したりとか、特定の年齢層にターゲットを絞ったりなんてことはなく、とりあえずざっくりと でも強く「女性」ってものを意識してるっぽい。

 

 そして、今回もエレクトロアレンジが単なるトレンド便乗や添え物止まりにならず、巧みに楽曲のムードを彩ったりグルーヴの剛柔を使い分けたりしているところは流石ですな。

 

 浮遊感を有した甘美なミドルナンバー『HONEY』、今聴くとシングルマザーのマニフェストのようにも聴こえる凛としたポップナンバー『私』、クール&スパイシーなダンサブルアップ『QueeN』、ユニークでウキウキなポップナンバー『TOKYO散歩』、和の情緒と浮遊感が溶け合った的なメロディアスナンバー『サクラハラハラ』、男子禁制の飲み会ソングかと思いきや別にそんなことはなかったアップナンバー『HEY!BEAR』など、じっくり聴かせる曲も遊び心を発揮した楽曲も、エレクトロコーティングを施しながら普遍性を伴ったポップスとしてアウトプットされてます。時代にフィットした音だし、やっぱり彼女の声はこの手のサウンドに嵌まっているし、このアルバムでようやく大塚愛のニュースタンダードを確立することに成功しています。

 

 

 そして、今回はエレクトロナンバーの他に それらとは対を成す生音重視の楽曲も押さえられてます。
 『FrogFlag』はビッグバンドをバックに据えた華やかなジャズナンバー。以前に『シヤチハタ』という贅沢なお遊びソングがありましたが、あれのアップデート版といった感じの仕上がり。『シヤチハタ』では敢えてわざとらしくババ臭い歌唱を選択していましたが、ここでは誇張しつつも無理なくアダルティさを引き出して歌っていて、これがなかなか魅力的。そして、その声で臆面なくカエルの鳴き声をやっちゃうシュールさ。楽曲や演奏の良さ、ユニークさ、歌唱と全てにおいて見事なアップデートぶり。本作中ではイレギュラーな作風ですが、個人的にはこの曲がいちばんの聴きどころであります。

 

 ラストの『日々、生きていれば』もまたジャズテイストの楽曲で、ハードワークな1日を生き抜いた女性を労うような ある種の息抜きソング。一つの物語を締め括る際のカーテンコール的な雰囲気もあり、アルバムを通しで聴くと なんかここで「ブラボー!」って言いたくなっちゃう感じがしますな。

 

 ということで、直近2作でなかなか良い方向にシフトチェンジしたなという感じはするのですが、個人的には、アルバム全体や各楽曲の好みとしては前作のほうが断然上なのでした。まあでも良作ですよ。全盛期は全盛期、今は今。どちらも良いし、どちらもれっきとした大塚愛ですよ。

 

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