アルバム感想『BUTTERFLY EFFECT』/ ポルノグラフィティ

BUTTERFLY EFFECT(初回生産限定盤)(DVD付)
『BUTTERFLY EFFECT』/ ポルノグラフィティ
2017.10.25
★★★★★★★★★☆

01. THE DAY ★★★★★★★★★☆
02. Working men blues ★★★★★★★☆☆☆
03. 君の愛読書がケルアックだった件 ★★★★★★★★☆☆
04. I believe ★★★★★☆☆☆☆☆
05. LiAR ★★★★★★★★☆☆
06. Fade away ★★★★★★★★☆☆
07. クリスマスのHide&Seek ★★★★★★★★★☆
08. MICROWAVE ★★★★★★★★★☆
09. 夜間飛行 ★★★★★★★★☆☆
10. 真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ ★★★★★★★★☆☆
11. 170828-29 ★★★★★★★☆☆☆
12. Montage ★★★★★★★★★☆
13. スパイス ★★★★★★★★☆☆
14. キング&クイーン ★★★★★★★☆☆☆

 

 

 約2年2か月ぶりとなるアルバム。ジャケ写はどう見ても金鳥の夏・日本の夏。

 前作リリース以降、ロッキンやJOIN ALIVEなどロックフェスへ出演するようになったこともあり、もっと骨太だったり内面を思うさまぶちまけるようなロックを演るのかなと思いきや、いやいや前作より明らかに売れ線音楽に傾倒してるやん!

 

 ここ数作あたり、チャートを意識した音楽作りに励んでいながらも バンドグルーヴが備わった骨のあるロックサウンドを下地とした楽曲が少なからずあったのに、今回はそのバンドグルーヴがやや減少して下世話な打ち込みも他ジャンルの要素も躊躇なくバンバン導入。それは言い換えるなら原点回帰というか、大衆がパブリックイメージとして抱いてるであろうポルノグラフィティっぽさを再構築している、とも取れますね。

 

 さらに言うと、前々作『PANORAMA PORNO』ほどの漢っぽさや暑苦しさはないものの、ポルノならではの湿っぽさや陰鬱さはだいぶ薄めなので、ファン的には寂しいトコかもしれんがライトリスナーからすりゃ だいぶ取っつきやすいラインナップ。どうしちゃったんだ一体?売れ線意識は一時的どころか数年前からずっと上昇しっ放しなんですけど。ここまでくると売れ線を徹底的に意識しまくってんのか単に好き好んでJ-POPを演ってんのかよくわからんな。

 

 シングル曲にしてオープニングを飾る 疾走裏打ちロック『THE DAY』からして超ポルノ。全盛期にも勝るとも劣らない訴求力を有したメロディや落ち着くことを許容しない演奏、ストリングスをうっすら纏ったアレンジなどが織りなすスリリングさがまさしくって感じじゃないすか。

 

 

 アッパーな四つ打ちとサルサとEDMを混ぜこぜにしたナンバー『LiAR』は、即座に脳内へインプットしやすいキャッチーなメロディも然ることながら、サルサもEDMもガッチガチな仕込みじゃなく申し訳程度に味付けが施されているのも如何にもJ-POP的。なんつーか、コンビニやドンキに売ってるようなお手軽なカップラーメンを食ってるような感じっすね。専門店のやつほど絶品じゃないけど なんだかんだで割りと美味いカップラーメン、みたいな…なんて言うと貶しているように聞こえちゃいそうですけど、んなこたあない(タモリ風)。

 

 

 どこぞのスーパーが催してる野菜詰め放題ばりに言葉をギッチギチに畳みかける熱血ロックナンバー『真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ』や、中二病を患ったカッコつけなギターリフが牽引するデジロック『Montage』なんかもそうですね、これぞ日本人が大好きな全盛期のポルノグラフィティって感じで。ポルノの全盛期っていつやねんって話ですけど。

 

 

 私的に特にいいなと思ったのが『クリスマスのHide&Seek』。無骨でアンチクリスマスで とうの昔に40過ぎたオッサンコンビのポルノのくせして、オサレで可愛らしい装いのクリスマスソングなんか演っちゃってます。煌びやかさを照射しリズムも軽やかに躍動していながらも、敢えてインドア的な感じに音を鳴らしてることもあり ひとりぼっちのクリスマス的な寂しさを喚起させているのがいいです。ちょっとした切なさに胸キュンみたいな。いやあオッサン二人にしてやられてしまいましたわ。トレンディなエレクトロサウンドを大々的に駆使した閉塞的ダンサブルアップ『MICROWAVE』も面白いっすね。原点回帰を意識したような曲が多い中、こうしてトレンド要素もしっかり取り込んでるトコにも好感がもてます。

 

 ミドルバラード『I believe』は個人的にどうもイマイチ。ポルノのバラードって昔から好きなものとそうでないものが五分五分に近い感じで分散されてるんですよね。これはクオリティ云々というより単なる好みの問題か。でも穏やかなミドルスロー『夜間飛行』はなかなか好印象。

 

 その他、哀愁漂う泥臭いポップロック『Working men blues』、ほんのり甘いオリエンタルテイストのメロディアスポップ『君の愛読書がケルアックだった件』、本作で唯一の陰鬱ポジションを担う重厚ミドルロック『Fade away』、北朝鮮の弾道ミサイル実験を題材としたアイロニカルなロックナンバー『170828-29』、タイトルとは裏腹に柔らかで彩り豊かな カントリー調ナンバー『スパイス』、あまりに奇の衒いがなさすぎて逆にびっくりしちまう 打ち込みアッパーなド直球の応援歌『キング&クイーン』と、曲単位だけでなく、アルバム全体を見渡してもザ・J-POP感がハンパじゃないです。基本キャッチーでポップな曲が多めで、振れ幅もそこそこあって、その中にパンチの効いた曲や落ち着いた曲もちょいと収められてたりと、そういう配分も込み込みで。

 

 前作よりも好きかも。この期に及んでJ-POPサイドに傾倒しちゃうこの潔さ、思い切りの良さは私的に支持派であります。

 

 

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