アルバム感想『REV』/ REV

REV
『REV』/ REV
1993.12.15
★★★★★★★☆☆☆

01. 抱きしめたい ★★★★★★★★★☆
02. I just fall in love ★★★★★★★★★☆
03. 甘い Kiss Kiss(Album Mix) ★★★★★★★★★☆
04. こわれながら美しくなれ ★★★★★★☆☆☆☆
05. Marie ★★★★★★★★☆☆
06. もう誰も愛さないなんて言わないと誓う ★★★★★★★★☆☆
07. 灼熱 ~I can’t stop my heart~ ★★★★★★★☆☆☆
08. Catch Dream ★★★★★☆☆☆☆☆
09. 果てしない夢を(REV Version) ★★★★★★★☆☆☆
10. つめたい風が吹くたびに 君のぬくもりを知る ★★★★★★☆☆☆☆

 

スポンサーリンク



 

 元GRASS VALLEYのボーカル・出口雅之によるビーイング所属のソロユニット・REV(レフ)の1stアルバム。

 

 いやあこりゃもうアーリー90sサウンドとビーイング全盛期サウンドの雛型、テンプレ、プロトタイプ、というほかないラインナップですね。当時のZARDもそんな感じではありましたけど、ZARDよりも作風が広く、かつほとんどの楽曲がしっかりアーリー90s感やビーイングっぽさを押さえていることを考えると、このアルバムこそがど真ん中なんじゃないかって感じがします。ちなみに作詞作曲は全て出口雅之自身が手掛けてます(アレンジは全て葉山たけしによるもの)。

 

 そんなテンプレートな楽曲群の中で独自性を放っているのがやはりボーカル。艶っぽく粘り気があるボーカルはセクシーでちょいナルシスティック。いい男感をムンムンに放出してますよ。GRASS VALLEY晩期とボーカルスタイルはさほど大きく変わってはいませんが、その頃よりも濃度がやや増したような感じが。サウンド的には、他のビーイング勢よりもややビートが鋭めでギターサウンドが前面に出てる、ってくらいかな。

 

 『抱きしめたい』『甘い Kiss Kiss』といったシングル曲や『灼熱 ~I can’t stop my heart~』はギターサウンドとキーボードを前面に出したエッジーなポップロックで、これがREVのメインディッシュ同然の作風になります。サウンドの色男ボーカルとのマッチングがナイスです。テンプレと言いつつも他のビーイング勢が歌う姿が全く想像つかんのですが、それだけこれら楽曲にとって彼のボーカルはマストな存在なわけです。

 マッチング感やマスト感で言えば『I just fall in love』のほうが断然上ですかね。デュラン・デュランのアーリー90s J-POP仕立て、というその一言に尽きてしまうのですが、色男ボーカルがこんだけド嵌まりしてりゃ まあそれもよかろう、てな感じになりますわ。いい曲です。

 ミドルバラード『Marie』も彼の切々としたボーカルに胸を締め付けられる佳曲。サビメロとAメロを並走させるラストが切なさを煽ります。

 

 『こわれながら美しくなれ』『Catch Dream』『つめたい風が吹くたびに 君のぬくもりを知る』といったミドルナンバー群は正直いずれもそんなにピンとは来ず。悪い曲じゃないし、むしろ出口雅之が良きメロディーメイカーであることをここで実感させられるわけですけど、別に彼が歌わなくたっていいやんみたいな。『Catch Dream』みたいな爽やか切ないポップソングとか絶対 彼以上の適任ボーカリストおるやんって感じだし。

 

 ZYYG,REV,ZARD&WANDS feat(ry 名義のソロバージョンもといセルフカバー『果てしない夢を(REV Version)』。これも彼の優良メロディーメイカーぶりが発揮された楽曲なんですがねぇ、サビのハイトーンパートで違和感というか、彼の弱点が露わになってしまっててどうもな。ぶっちゃけハイトーンに不向きなボーカルだよね。WANDS上杉の突き抜けたハイトーンボーカルを何遍も聴いてるから余計にネックに思えてならないというか。平歌とか、ビートがソリッドになってるトコとか、ラスサビでこぶしが効いたボーカルがカットされてるトコとか、原曲よりも良いポイントは沢山あるんですけどね。

 

 『もう誰も愛さないなんて言わないと誓う』はタイトルセンスや文字数こそザ・ビーイングクオリティといった感じですが、楽曲は憂いが滲んだジャジーなミドルスローという本作中では異色の作風。憂い成分を加味するアコギや間奏の口笛なんかが洒落ているし、彼のボーカルに雰囲気がマッチしている。曲単位で見ると、アルバム全体の統一性を無視してラウンジジャズに仕立てたほうが間違いなくより魅力的になっていたとは思うけど、アーリー90s・ビーイング全盛期のテンプレ的作品の中で彼独自のカラーをハッキリ打ち出しているというだけでもやる意義は十分にあったし、ビーイング成分が混じっていてもやっぱり良い曲。ていうかこの曲って後にセルフカバーされてんのね。

 

 ぶっちゃけアーリー90sサウンドやビーイング全盛期サウンドにどれだけ需要があるのか見当もつかないんですけど、当時特有のあの響きや空気感が好きな人は一度聴いてみたほうがいいっすよ。売れてなかったわけじゃないけど、テレビはおろか、ネット上でもピックアップされることがほとんどないから、そもそもREVの存在自体知らん人が多いような気が。

 

スポンサーリンク




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です