アルバム感想『憐哀 -レンアイ-』/ シド

憐哀
『憐哀 -レンアイ-』/ シド
2004.12.22
★★★★★★★★★☆

01. 紫陽花  ★★★★★★★★★☆
02. 隣人  ★★★★★★★★☆☆
03. 私は雨  ★★★★★★★★★☆
04. バーチャル晩餐会  ★★★★★★★★☆☆
05. 青  ★★★★★★★★★☆
06. 土曜日の女  ★★★★★★★★☆☆
07. 必要悪  ★★★★★★★★☆☆
08. 赤紙シャッフォー  ★★★★★★★★☆☆
09. 妄想日記  ★★★★★★★★☆☆
10. お別れの唄  ★★★★★★★★★★
11. 空(から)の便箋、空(そら)への手紙  ★★★★★★★★★★

 

 

 男性4人組のヴィジュアル系バンド・シドの1stアルバムです。

 独特のフレーズチョイスで綴られた 読み切りレディスコミックに出てきそうな陰気で辛気臭い歌詞、哀愁漂う歌謡メロディ、線が細いけど芯がしっかりした演奏、それを核とし、外部音を極力セーブしたシンプルな作りの楽曲…と、チャート上位にランクインするようになって以降の彼らとは大きく趣が異なる内容であります。初っ端の『紫陽花』からまさしくそんな感じ。

 

 シンプルな作りゆえの味わい深さがあるし、シャッフルビートの『隣人』『赤紙シャッフォー』などで特に顕著ですが、木目細やかな演奏(特にドラム)にしても ポップサイドにシフトしてからと比べてかなり健闘していて耳をグイッと惹きつけてくれるし、性急なポップロック『バーチャル晩餐会』では言葉の詰め込み方や歌唱のリズムの取り方がちょっとぶっ飛んでるし。さらに言うと、マオの声や歌いっぷりが凄く嵌ってるんですよね。寒い小芝居にならず、楽曲の世界にどっぷりと没入している感じで。

 

 この時点で既に各楽曲そしてバンド自体もしっかりキャラ立ちしてます。っていうか、この時期が明らかに独自性をもって最もキャラ立ちしていた頃です。だからこそ、そういう強みをもうちょっと残し(活かし)つつ駆け上がってきてくれたらな…って今頃になって思うようになったんですけど。

 

 彼らのスキルや独自性が最もダイレクトに反映された上質なアルバムです。良曲揃いの本作の中でも、異国情緒漂うフォーキーな歌謡ミドル『お別れの唄』、マオの巧みな感情表現が光る3連ミドル『空(から)の便箋、空(そら)への手紙』がとりわけ好みです。『私は雨』『土曜日の女』のような湿っぽいフォーキーな楽曲、『必要悪』『妄想日記』のようなドロドロしい楽曲もなかなか強烈だし、シンプリーなV系歌謡ロックな『青』もシンプルな楽曲ゆえにマオの歌唱と歌詞の陰気っぷりが際立つ曲者的な佳曲。

 

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