アルバム感想『WHEN POP HITS THE FAN』/ SUITE CHIC

WHEN POP HITS THE FAN (CCCD)
『WHEN POP HITS THE FAN』/ SUITE CHIC
2003.2.26
★★★★★★★★★★

01. hits the fan
02. What’s on your mind feat.XBS ★★★★★★★★★☆
03. GOOD LIFE feat.FIRSTKLAS ★★★★★★★★★★
04. baby be mine ★★★★★★★★☆☆
05. We got time ★★★★★★★★★☆
06. Without me ★★★★★★★★☆☆
07. segway
08. DAMN FIGHT ★★★★★★★★★☆
09. Not This Time ★★★★★★★★☆☆
10. WHAT IF feat.VERBAL(m-flo) ★★★★★★★★★☆
11. “Uh Uh,,,,,,” feat.AI ★★★★★★★★★★
12. SING MY LIFE feat. DABO ★★★★★★★★☆☆
13. ain’t yours ★★★★★★★★☆☆
14. segway
15. SIGNS OF LIFE ★★★★★★★★★☆
16. Just Say So feat.VERBAL(m-flo) ★★★★★★★☆☆☆
17. sweet and chic

 

 

 m-floのVERBAL、今井了介によって発足され、安室ちゃんをメインボーカリストとして迎えたプロジェクト・SUITE CHIC(スイート・シーク)のアルバム。名義はSUITE CHICと謳われていますが、安室ちゃんの作品と考えていいです。言ってしまえば、実質これは『break the rules』以来となる安室ちゃんのオリジナルアルバム。

 

 先ほど「安室ちゃんをメインボーカリストとして迎えた」と書きましたが、語弊を恐れずに言うなら、ボーカリスト安室奈美恵をブラックミュージックのディーヴァへとトランスフォームさせるべく、VERBAL、今井了介を筆頭に J-R&B/HIP-HOPシーンを席巻するクリエイター陣がこぞって お膳立てに尽力した、と言ったほうがいいかも。

 

 そのお膳立てが凄いです。(2002,3年当時の)現行のR&B/HIP-HOPサウンドで全編固められているのですが、不必要に大仰な装飾が施されていないにもかかわらず、ゴージャスなナイトクラブで繰り広げられるショーのようなエンターテイメント性に富んだラインナップで、アルバムの構成も 一本のショーを演っているかのような展開となっており、世界観の統一ぶりもバッチリ。

 

 そして安室ちゃんのボーカリゼーション。これまでのような想いやメッセージを届けるべく歌い上げる歌唱スタイルではなく、声を張り上げず 自身が秘めているキャラクターを引き出してムードに乗っかる歌唱で挑んでいるのが特徴的。『baby be mine』ではキュートさを、『SING MY LIFE』ではセクシーさを、『What’s on your mind』では芯の強さ(タフネス)を、と言った具合に。

 

 んで、曲が曲なだけに、安室ちゃんの歌唱もグルーヴへの意識が高い。ぶっちゃけ何歌ってっかさっぱり聴き取れねぇトコもいっぺぇあっけど、ノリの良さに特化した節回しが時に心地よく、時に痛快な響きでこらカッけぇんだってマジだって。

 

 特に良いなと思ったのが『GOOD LIFE feat.FIRSTKLAS』『”Uh Uh,,,,,,” feat.AI』
 前者はセレブな装いのトラックに安室ちゃんの軽快なボーカルワークが嵌まりまくってるし、ZEEBRAのエスコートさながらのラップもまたクールでよきかなよきかな。
 後者は妖しげなムードが蔓延したバウンシーなヒップホップトラックも然ることながら、安室ちゃんの 凄みを効かせたロートーンボーカルと、AIの 野獣さながらのドラスティックなラップとのピリピリした絡みが最高。つーかAIのラップパートの「Do that thang×2」のくだりは何度聴いても「じれってぇ!じれってぇ!」にしか聴こえないんですけど。AIさん いくらなんでもサカりすぎっす。

 

 哀愁ミドルアップ『We got time』は本作で唯一のメロディアスな楽曲ながら、安室ちゃんの小気味よい歌唱が心弾むグルーヴを打ち出しており、詞世界の湿っぽさをクールに緩和しているのが見事。

 

 ブラスサウンドやベースがいかがわしいムードを放つ『ain’t yours』は本作で異色のグラマラスなナンバー。安室ちゃんのエロティックな歌いっぷりがムーディーさにさらなる拍車を掛けておりば。

 

 その他、チキチキR&Bナンバー『Without me』、クールなミドルダンスナンバー『DAMN FIGHT』、かつてないまでの低音ボーカルで匍匐するスパイシーなR&Bナンバー『Not This Time』、お祭り感溢れるワイルドなR&Bナンバー『WHAT IF feat.VERBAL(m-flo)』、まるで真夜中の高級ホテルのような静けさとラグジュアリーさに包まれたミドルスロー『SIGNS OF LIFE』、SUITE CHICをサウンドコンセプトをコマーシャルな形で端的にアウトプットした的な アーバン感漂うR&Bナンバー『Just Say So feat.VERBAL(m-flo)』と、どいつもこいつも悉く くそかっけぇでやんの!

 

 本作リリース後、安室ちゃんはR&B/HIP-HOP路線を突き進み、数年後には再びスターダムにのし上がるわけですが、その契機となったのは紛れもなくこのプロジェクトの発足ですから、R&B/HIP-HOP路線にシフトしてからの安室ちゃんが好きなら絶対に聴いとくべき一枚です。世界観の統一ぶりという意味では安室ちゃんの全ディスコグラフィーの中でも随一ということもあり、私的には安室ちゃんのオリアルの中でも特に気に入ってるアルバム。

 

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アルバム感想『WHEN POP HITS THE FAN』/ SUITE CHIC」への1件のフィードバック

  1. ryoma

    コピーコントロールが解除されたので即購入しました。楽曲もボーカルもこのアルバムが一番クールでシンプルだけど、退屈にならない良い作品ですね。

    リミックス盤もリミックスにしては好きな作品なので早く再販してほしいなと思いつつ引退されてしまい残念です。

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