アルバム感想『UNDER:COVER』/ T.M.Revolution

UNDER:COVER (初回盤)
『UNDER:COVER』/ T.M.Revolution
2006.1.1
★★★★★★★★★★

DISC 1

01. HIGH PRESSURE
02. WHITE BREATH
03. HEART OF SWORD ~夜明け前~
04. AQUALOVERS ~DEEP into the night~
05. Zips
06. THUNDERBIRD
07. BOARDING
08. HOT LIMIT
09. Joker
10. LOVE SAVER
11. 夢の雫
12. 魔弾 ~Der Freischutz~
13. Twinkle Million Rendezvous
14. LIGHT MY FIRE

DISC 2

1. Meteor -ミーティア-

 

 

 曲目だけ見ればベスト盤も同然のラインナップですけど、実際は 既存の楽曲をスクラップアンドビルドした、ベストとは似て非なる所謂セルフカバーアルバム。TMレボのパブリックイメージと思わしき「四つ打ち、シンセ、電子音」メインのサウンドではなく、生のアンサンブルが主導権を握ったリアレンジが大半を占めています。前作『vertical infinity』後半で魅せた意欲性をさらにフル稼働させたって感じですね。予備知識なしで聴いても無問題ですけど、原曲を全て聴いてから手に取ったほうがより楽しめるだろうし、歌とサウンドの変貌振りに驚くこと請け合いなので、過去作のほうも是非。

 

 

01. HIGH PRESSURE  ★★★★★★★★★★

この曲に限った話ではないですけど、全盛期どころか『SEVENTH HEAVEN』期からも想像がつかない ディストーションしたギターサウンドとガッチリ骨太な重低音を装備したマッチョなリアレンジが施されてます。サウンドがハード&重厚になっただけでなくダンサブルなノリにもより一層磨きが掛かっているのがよいですな。そして、元から神掛かっていたBメロが演奏陣の奮闘により さらに神々しさを増しておりば。特にギターがいいです。始まってまだ1分ちょっとしか経過してないのにいいんでしょうか、いきなりこんな贅沢なプレーをマンキツしちゃって。どう見ても高島屋にしか見えないジャケ写や豪華絢爛なリアレンジ曲達を象徴するかのような冒頭の煌びやかな鍵盤も素敵です。即効性と中毒性を兼ね備えた素晴らしきセルフカバー!この一曲だけで元が取れちゃいます。

 

02. WHITE BREATH  ★★★★★★★★★★

NHK紅白でなんと二度も歌ってしまったという こちらの性衝動カミングアウトソングも音がぶっとくなり攻撃性もアップ。ツインギターかっけえ。前奏も間奏も後奏も弾いてるフレーズはあまり変わらないんですけど、何度聴いても「かっけえ」としか思えないから もうそれで十分アリっていう。竿でずっこんばっこんしてばっかでも気持ちよけりゃそれでいい的な。歌メロが埋もれてしまってるなんてことは全くないんですけど、私的にはマッチョな演奏と西川くんの「くぅあっ!!」こそがこのテイクのメインディッシュっていうイメージですね。

 

03. HEART OF SWORD ~夜明け前~ ★★★★★★★★☆☆

前2曲とは打って変わり、さらには疾走系の原曲とも異なる 躍動感を武器としたダンサブルなアプローチ。元WANDSの大島こうすけ氏がアレンジを担当しているとのことで、あーなんか分かるようなそうでもないようなって感じの仕上がり。リズムといいキーボードといい、音がやたらチャキチャキしてるのが特徴的なんですが、私的には原曲のムードがさらに深みを増した的なイントロもなかなか味わい深いなと思います。

 

04. AQUALOVERS ~DEEP into the night~ ★★★★★★★★★★

原曲以上にタイトルのイメージを鮮明に映し出したリアレンジにイントロから早くも恍惚。ダンサブルなノリを排除した代わりに、ディストーションギターと鍵盤、オーケストレーション、ユンナのコーラスで幻想性と深淵さをプラス。それによって美しさと艶っぽさが一際引き立っていて なんとも胸熱すぎる仕上がり。こちらも即効性と中毒性を兼ね備えた素晴らしきセルフカバーですね!この一曲だけでも元が取れます、っていうかお釣りがじゃんじゃん返って来ます。

 

05. Zips  ★★★★★★★★★★

本作中でも数少ない原曲忠実アレンジが採用されてます。ライブのサポートメンバー(Gt. SUNAO, 柴崎浩、Ba. Ikuo, Dr. 淳士)による生演奏テイク。原曲のボコボコした打ち込み重低音も悪かないが、こっちのほうが断然好みっすね。キレがあるし威力も格段にアップしてるし、自分らのバンド(BULL ZEICHEN 88)ほどじゃないにしても、Ikuo&淳士の自己主張っぷりはここでも旺盛だし。

 

06. THUNDERBIRD  ★★★★★★★★☆☆

菅野よう子氏がピアノで参加していてアレンジにも携わっています。最初は2007年までスケジュールが埋まっているからとのことで断られたらしいですけど、そんな多忙な最中にも関わらずオーケストラアレンジまでプラスしちゃってます…ってなんだそりゃ。てなわけで、こちらは歌とピアノとストリングスのみで構成されたリアレンジバージョン。ゆえに、当時の最新TMRバラード『Timeless -Mobius Rover-』以上に西川くんの情感豊かな歌唱が際立っているし、ピアノとストリングスの ドラマティックな抑揚を心得た演奏も素晴らしいっす。仮にピアノオンリーのテイクだったとしても相当素晴らしい仕上がりになってたんじゃないかな。

 

07. BOARDING  ★★★★★★★★☆☆

原曲や『coordinate』収録のリアレンジとはまた趣が異なる アコギメインの生演奏テイク。鳴らし方だけでなく、雰囲気も大きく変化してます。そのオケに合わせて西川くんの歌もエモーショナルに歌い上げていた原曲から一転、だいぶ穏やかになってます。なんというか、韓国の青春群像ドラマのテーマ曲みたいな感じに仕上がっちゃいました。もっとドラマティックな変貌を魅せるもんだと思ってたんで この変化は意外や意外って感じ。

 

08. HOT LIMIT  ★★★★★★★☆☆☆

原曲とはまた違ったダンサブルなノリを有しており、生演奏に差し替わったことと、ディストーションしたギターの存在感がとりわけ強烈なのが影響して非常に暑苦しい仕上がりに。今みたいな寒いシーズンであっても、ウェットティッシュと脇汗パットなしでこの曲聴くのはちと困難です。新たにプラスされたHeartsdalesのラップがいいです。キレキレでビッチビチでもやし男を突き放すような節回しはTMレボの楽曲内でも健在。「ヤスヒロ的にもオールオッケー!」のヤスヒロとは、西川くんのお父様のことです。

 

09. Joker  ★★★★★★★★★☆

もはや原型などないに等しいディストーションフル稼働なHR/HMアレンジ。なんて過激なスクラップ&リビルド!原曲が素のブロリーだとしたら、こっちは伝説の超サイヤ人を飛び越えて一気にバイオブロリーにまで化けちゃったみたいな。3サビ直後にグロウルっぽい不気味な音が鳴ってますけど、なんなんだあれは?実際に誰かがグロウルやってんのかベースの音なのか、どんなに耳をかっぽじってもわたしには判別しようがありません。この不気味さといい正体不明な感じといい、まさにバイオブロリーって感じ。てかあれはどう見てもブロリーに見えないし。映画はなんかイマイチ盛り上がりに欠ける出来だし。駄菓子菓子、リアレンジされたこの曲は実にカッコよすぎる仕上がり。賛否が最もバックリ分かれそうな曲ですけど、わたしは断然支持派。

 

10.LOVE SAVER  ★★★★★★★★★★

本作で唯一abingdon boys schoolメンバーが全員揃った(サポートメンバー2人含む)のがこの曲。岸利至氏の手腕によって、アンサンブルと 原曲のイメージを決定付けていたサイバーサウンドが有機的に絡んだ、本作のベストトラック。デジタルがもたらす近未来的な響きを堅持しつつ、アグレッシブなアンサンブルの加勢によって より豊かな熱量を獲得したサウンドが気持ちを昂らせます。特にラスサビ「叶わない~夢をかな~え~ようかああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」の件。西川くんの絶唱、ヒートアップするドラムとシンセが中二魂に火をつける、歌詞通り「燃え尽きたい感じがたまらない」瞬間ですよココは。で、そこから締めまでずっと俺TUEEEEモード。やっぱりa.b.s.はアニソン/ゲーソン請負集団なんだなということを実証したも同然なリアレンジですね。最高っすな。

 

11.夢の雫  ★★★★★★★★★★

美しさと切なさをさらに引き立て、スケール感、シリアスさ、重厚感を演出した、生演奏&ストリングスのダブルセンターによる重装備テイク。これも前曲に続き中二魂をビシバシ刺激する垂涎モノのサウンドですな!あと、ボーカルに関してはこの曲がベストですね。声の迫力も情感の込め方もバッチリだし、なんといっても1996年当時からの変貌振りが凄まじいですからね。悲劇のヒーロー(ヒロイン)を気取るには打ってつけの一曲。

 

12.魔弾 ~Der Freischutz~ ★★★★★★★★☆☆

スピード感、破壊力ともに原曲よりもグレードアップしたテイク。アンサンブルと打ち込みを併用しているんですが、メインはアンサンブルで打ち込みはちょっとしたスパイスとして機能してるって感じですね。ハードコアな感じに仕上がってるので、ミクスチャーナンバーが多いa.b.s.とはちょっと感触が異なります。特にドラムがくそかっけえ!!『LOVE SAVER』に引けを取らない熱血プレーが初っ端から迸っておりば。でもこのテイク、単体だとあまり聴くことはないんですよね正直。原曲よりも数段アグレッシブになってますけど、やっぱりわたしの中では タカノリ成分とダイスケ成分が絶妙な塩梅で配合された原曲のほうがカッコよく聴こえるんですよね。

 

13.Twinkle Million Rendezvous  ★★★★★★★★☆☆

コーラスに平原綾香嬢をフィーチャーし、フルオーケストラアレンジを採用したことで、美しさ、スケール感、奥行きをさらに増したモノに。イントロがもう圧巻ですよね。1分を軽く越える尺にしてもそうだし、オケの仕上がりなんて これから映画が始まるんじゃないかと錯覚してしまいそうなくらいに大仰ですから。そんなオケに埋もれることなく高らかに響く西川くんの歌もまた凄いわ。

 

14.LIGHT MY FIRE  ★★★★★★★☆☆☆

これも割かし原曲忠実なリアレンジで、例によって生演奏テイクが採用されてます。こういう歌ものミドルアップナンバーでも骨はガッシリしてるし、ドラムがちょいちょいローリングしてるのも曲の雰囲気を壊すことなく いい刺激になっていて これもまたいい。しかし何故フェードアウト締めなんすかねえ。曲単位で見ればそれでもアリなんですけど、一応アルバムのラストに位置してる曲ですから…って、そうか、そういや本当は『Meteor -ミーティア-』まできっちり一枚のディスクに収めるつもりだったんだよな。

 

DISC 2

01. Meteor -ミーティア-  ★★★★★★★★★☆

原曲はれっきとした歌モノなんですけど、ここではインストとして再構築されてます。だが無問題!ビート感を抑え、よりスケール感を増した浅倉アレンジが素晴らしすぎるゆえ!

 

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