アルバム感想『progress』/ T.M.Revolution

progress
『progress』/ T.M.Revolution
2000.10.12
★★★★★★★★★★

01. resurrection I
02. I.D. ~LOVE ME CRAZY~ ★★★★★★★★★☆
03. LOVE SAVER ★★★★★★★★★★
04. BLACK OR WHITE? version 3 ★★★★★★★★☆☆
05. last resort ★★★★★★★★★☆
06. 魔弾 ~Der Freischutz~ ★★★★★★★★★★
07. VITAL BURNER ★★★★★★★★★★
08. Private Storm ★★★★★★★★★★
09. fragile ★★★★★★★★★☆
10. HEAT CAPACITY ★★★★★★★★★☆
11. Trace Millennium Road ★★★★★★★★☆☆
12. Master Feel Sad ★★★★★★★★★☆
13. LIGHT MY FIRE ★★★★★★★★☆☆
14. resurrection II

 

 

 T.M.Revolutionの封印解除から約半年後にリリースされた5thオリアル。TMレボに対して抱く世間の印象はともかく、サウンドに関しては前作で散見されたイロモノ感を見事に解消。さらに、これまで以上に強く前面に出たアサクラナイズなデジタル&クラシック要素と 今まであまり表出していなかった西川くんのルーツであるHR/HM要素をぶつけ合ったことで、TMレボサウンドがより奥行きを増した感じがします。今にしてみれば、当時の西川くんのボーカルはまだまだ発展途上の段階って感じですけど、楽曲の面白さ的にも タカノリ成分とダイスケ成分との配合比率的にも本作がTMレボ史上もっとも冴えてるような気がします。敢えて先に結論を言ってしまうと、私的にはコレがTMレボの最高傑作として挙げたい一枚です。

 

 冒頭を飾る『resurrection I』は浅倉先生によるインストナンバー。アルバムタイトルが意味する「発展」や近未来感を印象づけるサイバーサウンドがカッコいい。ちなみに楽曲タイトルである”resurrection”とは「復活」という意味があるそうです。うーん、如何にもTMレボらしい中二病ど真ん中なキーワード。確かに一度くそじじいに眠らされた人造人間が再び動き出した的な感じもありますもんね。

 

 続く『I.D. ~LOVE ME CRAZY~』も近未来的なイメージを喚起させるナンバーで、こちらはダンサブルなデジロック仕様。新生TMレボ始動にあたってのウォーミングアップとも、一筋縄ではいかない曲構成や 変な言い方ゴテゴテしたアレンジが多かったT.M.R-eの反動ともとれる 比較的シンプルな作りではありますが、やたら上機嫌に躍動するシンセベース、ドラムマシーン、キーボードに振り回されるのが非常に快感。

 

 先行シングルにもなった『LOVE SAVER』は性急なビートで駆け抜けるデジロックナンバー。とにかく速いです。打ち込みがバチバチっと火花飛ばしてますよ。やるじゃんなかなかやるじゃん、やるじゃんアイツって感じで。「閉まりかけてるエレベーターに乗る △か▽かも確かめず」なる冒頭の歌詞が楽曲のセカセカした感じを表してるのがまた上手い。前曲とは逆に曲構成や音世界において T.M.R-e継承ともいえるドラマティックさを孕んでいて、それと性急なビートが掛け合わさっているのがこの曲随一の魅力ですね。

 


 

 『BLACK OR WHITE? version 3』は、退廃的かつ中二的な原曲とは大きく様相を変え、音的にはポジティビティな輝きに溢れた疾走ポップへと変身。『LOVE SAVER』の後に聴くとなんかテンポが遅めに聴こえてしまうんで、順番逆にしたほうが良かったんじゃないのか?『last resort』はラテン風味を交えたミドルバラード。切ないコード進行、晩夏を連想させる音世界、曲後半で半音下がる構成など、至る所で浅倉節が発揮されておりば。

 


 

 『魔弾 ~Der Freischutz~』も先行シングルとしてリリースされたデジロックナンバーで、これがアルバムを最も端的に象徴する曲でもあり、本作中でもとりわけタカノリ成分とダイスケ成分がベストな塩梅で配合された楽曲なんではないかなと。

 


 

 『SHAKIN’ LOVE』に続くライブ意識ソングという位置づけの『VITAL BURNER』は80’s Rockを浅倉節でコーティングした的な爽快アップナンバー。サビ手前のキメが最高すぎる。本作におけるテンションの最高潮を迎える いい起爆剤になってると思います。っていうかこの手のナンバーって、この曲以降未だに出現してないですよね。「カッコよく」よりも「楽しく」に重きを置いた感がある歌唱もTMレボの疾走ナンバーにしては珍しい感じが。だからこそ この曲はアンカバ2で再演してほしかったんだけどなあ…。

 

 『Private Storm』はイントロがまんまB’zの『love me, I love you』。曲全体的にも弾けたポップナンバーって感じだし、浅倉先生的にはパロディ感覚で演ってんのかも。特に歌詞がいいです。これぞTMレボって感じのヘタレ男っぷりが全開で超萌え萌え。アルバムのアクセント的役割の曲なんでしょうけど、私的にはそんなんで片付けたくないほどめちゃくちゃ気に入ってる一曲。

 

 『fragile』は成分的にはかなり浅倉先生側に寄った閉塞的デジタル仕様のナンバー。なんというか、あまり上手くは言えませんが、サイバーグランジな背景を連想させる音が 中二病患者の燻ったマインドを始終刺激しまくりでとにかく最高。心の繊細さとか脆さとかを表現したかのようなボーカルの機械処理も中二心を擽る演出でこれまたよいよい。

 

 夏うた第4弾にして今のトコ最新版状態のままストップしている『HEAT CAPACITY』は、真夏らしいムンムンな熱気を なんかプログレッシブって感じがするデジタルなサウンドで具現化していてカッコいい。間奏のクラシカルな調べも鮮やかだし、これまでのTMレボとは一味違うなあって感じが随所で表れてます。ファンの間でもあんま人気なさそうな印象ですけど、ヘソ出しマーメイドの歌に負けず劣らずな佳曲だと思います。

 


 

 それに続く『Trace Millennium Road』はTMRシリーズ第4弾となる壮大なロッカバラード。分かりやすいまでにT.M.R-eの作風を継承していますが、サビメロがものっそく『はじまる波』(T.M.R-e)っぽいというのはアリなのか?

 

 夕暮れ時をイメージさせるアコギで始まる『Master Feel Sad』は成分的に西川くん側に傾倒した メタル寄りのアグレッシブナンバー。かつてないくらいに攻撃的なギターサウンドやリズム、至る所で炸裂するシャウトは当時としては凄く新鮮だったし、12年以上経過した今聴いてもパンチ効いてんなあって感じがします。西川くんのボーカルは深みだけでなく迫力も格段に増していたことをここで実証。

 

 実質ラストにあたる『LIGHT MY FIRE』は希望の光を連想させる清々しいミドルアップナンバー。楽曲のテンポ感とは裏腹に一歩一歩踏みしめて前進するイメージの歌メロが力強くてなんとも頼もしい感じが。

 

 して、アルバムを締めくくるインスト『resurrection II』は『resurrection I』とは双子的な関係であり、アルバムにおける鍵括弧的な役割を担っているトラックでもありっていう。なので『resurrection I』と似たようなトラックなんですけど、全く同じではないです。こっちのほうはなんというか「see you next time~♪」みたいな感じに仕上がってる気がしますね(意味不明)。

 

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