アルバム感想『TYCOON』/ UVERworld

TYCOON
『TYCOON』/ UVERworld
2017.8.2
★★★★★★★★★☆

01. TYCOON
02. Q.E.D. ★★★★★★★★☆☆
03. シリウス ★★★★★★★★☆☆
04. SHOUT LOVE ★★★★★★☆☆☆☆
05. IDEAL REALITY ★★★★★★★★★☆
06. LONE WOLF ★★★★★★☆☆☆☆
07. DECIDED(Album ver.) ★★★★★★★★★★
08. PRAYING RUN ★★★★★★★★☆☆
09. ALL ALONE(Album ver.) ★★★★★★★★★☆
10. 一滴の影響(Album ver.) ★★★★★★★★★☆
11. ほんの少し ★★★★★★☆☆☆☆
12. 僕の言葉ではない これは僕達の言葉(Album ver.) ★★★★★★★★☆☆
13. WE ARE GO(Album ver.) ★★★★★★★★★☆
14. Collide ★★★★★★★★★☆
15. 奏全域 ★★★★★★★★★★
16. I LOVE THE WORLD ★★★★★★★★☆☆
17. エミュー ★★★★★★★★☆☆
18. 終焉 ★★★★★★★☆☆☆

 

 

 9thオリジナルアルバムですが、なんと約3年ぶりのリリースです。3年もの間、一体この人らは何をやってたんでしょうか!?

 

 と言いますのも、この3年の間には、多数の大型フェスに出演するようになったり、メンバーが相次いで入籍したりと、楽曲制作やワンマンライブを行う他にも 大きな変化やイベントごとがあったわけですが、そういったものも影響してか、本作においてもこれまでの作品から変わった点がチラホラと。

 

 まずはサウンド。前作や前々作では、テクニカルなプレーや複雑な曲展開、変幻自在なボイスワークで聴き手を翻弄するカオティックなミクスチャーロックがメインとなってましたが、本作ではその手のサウンドは鳴りを潜めてます。

 

 代わりに、ハードロックとEDMをハイブリッドした楽曲が多くなったような感じが。以前にもこの手の楽曲に着手していましたが、洗練のされ様が格段に違う。
 『Collide』『エミュー』を聴けば明白ですけど、細胞レベルで双方の要素が結合しており、決して着膨れすることなく、かつグルーヴ感やダイナミズム、恍惚感がしっかり備わったハイブリッドサウンドが繰り広げられておりば。

 『Q.E.D.』『僕の言葉ではない これは僕達の言葉』みたく、結合というより装飾といったほうがしっくりくるEDMの取り込み方をしてるものもあるけど、無理なく かつエッジの効いたコーディネートって感じに取り込んでいるゆえ これもアリ。

 


 

 これをアップグレードと捉えるのか、オサレに収まっちまったなと捉えるのか、賛否が分かれるトコかとは思いますが、私的には圧倒的に前者。『DECIDED』なんて、「最強のフュージョン」と言いたくなるほど両者が見事に融合してますけど、オサレやクールになるどころか鋼の如く硬質で火傷するほどの熱を有したサウンドにアプトプットされてるし、自身の生き様を押し込んだ歌詞やボーカルの力も相乗して とにかく暑苦しい仕上がりになっちゃってて 結局いつものUVERやん、みたいな。

 


 

 中にはハードロックよりもEDMのほうに比重が寄ってる曲もあります。
 『奏全域』なんて完全にEDMがベースとなってて、そこにハードロックをプラスしてみたって感じの仕上がりだし。見よう見まねでやってみた付け焼き刃なソレじゃなく、ダンスフロアや渋谷109内でガンガン鳴ってるようなガチのEDMサウンドを演っているので個人的にはもう最高すぎるの一言。バンドサウンドとの融合も見事だし、本作のベストナンバーは断然コレでしょう。

 


 

 『I LOVE THE WORLD』はプログレッシブハウス成分がかなり強めに出た楽曲で、こちらはバンドサウンドを下地として やたらド派手なハウス/トランスサウンドを上乗せし絡めている感じ。PCでyoutubeの公式MVでこの曲聴くとやたら軽く聴こえますが、プレイヤーで音源聴きゃあ んなこたぁねぇから。しっかり骨のあるロックやってますよ。デジタルサウンドのほうが圧倒的に存在感強いけど。

 


 

 ボーカルも今までと変わったトコがあるというか、全体的にキーが高くなったな。と同時にローヴォイスの曲がだいぶ少ない。
 元々TAKUYA∞のボーカルはキーが高めだけど、特に『SHOUT LOVE』なんかはアホほど高い。ちょっとフェミニンな域にまで片足突っ込んじゃってる感じだし。こちらは、ちょいちょい出てくる「シャウラアアアッ!!!」こそ暑苦しい響きですが、TAKUYA∞のキーがくっそ高いボーカルやラブ注入し放題な歌詞なんかが なかなか甘味たっぷりなミドルテンポのラブソング。UVERにこれほどまでの甘さは求めてないし、所々きっしょいと思う箇所もあったりしますが、決して紋切り型のフレーズの羅列に終止しない TAKUYA∞節が効いた歌詞になっているのは流石すぎる。

 

 逆にローヴォイスの曲といったら『IDEAL REALITY』。数年前まではちょいちょい耳にしていたクールなラップが久々に登場。というか、変幻自在なボーカルスタイルになってからラップらしいラップ自体があんまり出てこなくなったな。そしてロックとR&Bを掛け合わせたようなサウンドがまた良いんですわ。スタイリッシュさとダイナミズムをしっかり兼備してるし、TAKUYA∞のボーカルも青年イケメンたる色気とクールさを帯びていてカッコいい。

 

 そして歌詞にも変化が。やはり今を生きる彼ら(てか主にTAKUYA∞)の生き様を投影したものがメインですけど、友情やら仲間やら愛をテーマにしたものがちょっと多めになってます。『LONE WOLF』『ほんの少し』なんかがそうですね。どちらもミドルテンポのナンバーで、歌詞はいいこと言ってんだけどなあ、いかんせん曲がそこまでピンとこなくて。

 


 

 さらに、メインとなってる人生ソング自体にも若干変化がありまして。『一滴の影響』がまさにそれで、「許せば進めるし 恨みは立ち止まらす」という 数年前の彼らでは絶対に出てこなかったこのフレーズがとても象徴的。彼らが出演予定だったイナズマロックフェスの雷天中止による悔しさが引き金となったようで、それによって綴られた 優しくも力強いフレーズで聴き手を後押しする歌詞が凄くいい。青臭いようで冷静な大人の思想。エネルギッシュさを象徴するようなEDMサウンドを巧みに纏った爽快な疾走サウンドに胸がすく佳曲であります。

 


 


 

 上記ナンバーの他に、『在るべき形』に通ずるエモロック『シリウス』、これまでのUVERに近いダサカッコいいミクスチャーロック『PRAYING RUN』、感傷が蔓延する淡々としたメロウなサウンドに 夢に迷い生きている人々へ向けた歌詞を乗せたミドルナンバー『ALL ALONE』、スタジアムロック意識バリバリの硬派なナンバー『WE ARE GO』、うっすらとトロピカルハウスを含有した 穏やかな3連ミドルロック『終焉』など、これまでの彼らとは様相は違えど今回も名曲・佳曲揃い。と言いつつ まっさらな新曲のミドル系数曲が微妙だったこともあり 本作よりも前作のほうに軍配が上がっちゃう感じではあるんですけど、総合的にはこの3年の間で正当なアップグレードを果たしているので、UVERworldの歩みに異論などない!『DECIDED』『一滴の影響』『奏全域』が本作の聴きどころ。

 

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