アルバム感想『3.2.1』/ zilch

3・2・1
『3.2.1』/ zilch
1998.7.23
★★★★★★★★★☆

01. ELECTRIC CUCUMBER ★★★★★★★★★★
02. INSIDE THE PERVERT MOUND ★★★★★★★★★☆
03. SOLD SOME ATTITUDE ★★★★★★★★☆☆
04. SPACE MONKEY PUNKS FROM JAPAN ★★★★★★★☆☆☆
05. SWAMPSNAKE ★★★★★★★☆☆☆
06. WHAT’S UP MR.JONES? ★★★★★★★☆☆☆
07. HEY MAN SO LONG ★★★★★★★★☆☆
08. PSYCHE ★★★★★★★★★☆
09. FUCTRACK#6 ★★★★★★★☆☆☆
10. DOUBT ★★★★★★★★★☆
11. POSE ★★★★★★★★☆☆
12. EASY JESUS ★★★★★★★★★☆

 

 

 X JAPANのギタリスト・hideが、元キリング・ジョークのポール・レイヴン、元プロフェッショナルズのレイ・マクヴェイと結成したロックバンド・zilchの1stアルバム。リリースされたのは1998年7月だけど、レコーディングは1996~1997年にかけて行われていたっぽい。

 

 hideのソロ曲でいくつかインダストリアル系のナンバーがありましたが、それらよりも更にヘヴィさとインダストリアル色を強化したロックを豪快にぶちかましておりば。肉厚骨太であり先鋭的であり、なおかつポップさもしっかり併せ持っているあたりが実にhideらしい。ちなみに、海外進出を意識してたのもあってか全て英詞。

 

 リード曲と思わしき『ELECTRIC CUCUMBER』が本作中でも特に強烈な存在感を放ってます。攻撃力や重厚さが抜群な上にキャッチーさも備わっているギターリフや、楽曲後半で猛進するサビがこの楽曲のハイライトに違いありませんが、hideのヘベレケボーカル、冒頭の松本秀人さん紹介アナウンス、いかがわしい女声や奇妙な効果音などのコミカルでアブノーマルな要素が随所に散りばめられており、これが楽曲の面白さ・カオティックさに大きく寄与しています。hideのソロやXとも違うし、他のメタルやオルタナ畑のバンドとも明らかに異なるオリジナリティーが発揮された名曲であります。

 

  また、hideのソロ曲やhideが作詞曲を手掛けたX JAPANの楽曲をセルフカバーしたものが約半数 収録されてるのが本作の特徴の一つ。
  『DOUBT』は、hideソロ曲『DOUBT』のセルフカバー…というより、このzilchテイクこそが真の姿といった感じのインダストリアルロックナンバー。全英詞ながら日本語のように聴こえる箇所が多々あるのが面白い。っていうか上手いこと原曲詞をほぼまんま なぞってます。

 

 その他、後にhideソロ曲『LEATHER FACE』としてセルフカバーされた ダンサブルなインダストリアルロック『INSIDE THE PERVERT MOUND』、ファンキーなコーラスにより妖しげなムードが濃厚になったサイケデリックなヘヴィロック『SOLD SOME ATTITUDE』、本作では異彩を放つ hideソロの作風に近い明るめな歌謡ロックンロールナンバー『SPACE MONKEY PUNKS FROM JAPAN』、イギリスのロックバンド・SENSATIONAL ALEX HARVEY BANDの陽気で躍動感あるロックナンバー『SWAMPSNAKE』を鈍重かつネチっこくリビルドした『SWAMPSNAKE』、X JAPAN『DRAIN』のセルフカバーで、メタリックなリフの効果もあり より攻撃力がアップした『WHAT’S UP MR.JONES?』、始終hideのガナりボーカルが炸裂するヘヴィなデジロック『HEY MAN SO LONG』、破壊力満点のズッシリしたサウンドと哀愁に満ちたメロディを掛け合わせたヘヴィメタル『PSYCHE』、『FROZEN BUG』(hideの1stアルバム収録)の再構築ナンバーながら原型がほとんどなくインダストリアルさとカオティックさが増幅した『FUCTRACK#6』、何故か終盤に切れ味鋭いラップ×ヒップホップトラックが付随している(楽曲本編とは無関係だけどくそカッコいい!)これまたセルフカバーのダンサブルナンバー『POSE』、hideの『Squeeze IT!!』が原曲である ヒップホップやジャズが取り込まれたヘヴィでメロディックなインダストリアルロック『EASY JESUS』など、アグレッシブかつアイデアフルなHR/HMを次から次へと畳みかけてきてます。あと、hideのボーカルがソロ曲よりも断然カッコよくて物凄くサマになってる。クリエイター、プレイヤーとしてだけでなく、ボーカリストとしても とても魅力的だなと今さらながら思ったり。

 

 生前のhideが参加した上でのzilchの作品がこれ1作で終わってしまったのが悔やまれるほど、とにかく純粋にカッコいいし、叶わぬことだと承知の上でも今後の更なる発展に期待を抱かずにはいられないアルバム。

 私が初めて聴いたHR/HM作品が リリース当時リアルタイムで手に取ったこのアルバムで、これを切っ掛けに他のHR/HM作品も聴くようになったんで、「HR/HMとか全く聴いたことないけどhideのソロ曲は好きなものがいくつかある」って人が聴いてもハマっちゃうかもしれませんね。

 

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