少し遅れてしまいましたが、2017年のアルバムベスト50を発表します!
01.『New Sunrise』/ Fear, and Loathing in Las Vegas
常に新鮮さや刺激が要求されるチャラリーモというジャンルの上をひた走り続け、常にその要求に応え続けていく…そこでサバイブしていく覚悟を背負いつつも自らその音楽を、その状況をも楽しんで順当にアップグレードしていってるのが凄いし、それでも限界に到達してる感がなくまだまだ伸びしろが窺えるってなんだそりゃ一体!?ということで、今回もガッツリ楽しませてもらいました。ちなみに2017年 楽曲単位の1位もラスベガスの楽曲で、ハードコアを下地とした絶叫オンリーのレイヴミュージック『Power of Life and Death』が見事その栄冠に輝きました。
ソロデビュー作から1年足らずでリリースされた新作ですが、単なる続編でも延長線上的な作品でもなく、クリエイターとしての幅を広げボーカリストとしてのスキルを格段に上げてきてるのが作品の質と魅力に直結してます。制作期間が短く、スケジュールがかなり詰め詰めだったこともあり、今回も音源におけるギター演奏の見せ場はありませんが、こんだけの力作を出してくれたのだから文句はないし、ソロ活動に対して過度に重い期待を寄せている一部のめんどいヲタクにキツいことを言われながらも ここまでようやったわって感じ。『陸の魚』はアイドルとアーティストの活動を並行している彼女だからこその葛藤と それを経ての決意表明が込められた名曲。
03.『SAMURAI SESSIONS Vol.2』/ MIYAVI
vol.1のような内容を期待すると肩透かしを食らうこと必至だし、そもそもコレSESSIONじゃなくてPRODUCEじゃね?って話なんですが、『FIRE BIRD』好きすぎマン的には贅沢なご馳走以外のなにものでもないんで、結論くっそ最高すぎる、っていう。
新作が出るたびに思ってるけど、常に「最先端から加速する」を地で行ってるのが凄すぎ。それでいて自分たちの強みが必ず何かしらで活かされてるし、慶太は今回遂にコンポーズにまで手を出してきた!しかもカッコいいし耳心地良いしインパクト絶大だし、『We Don’t Need To Talk Anymore』いと素晴らし。数年後にはDIYダンスユニットになってるかもしれんな。
ミクスチャーの複雑化・カオス化ではなく、ミクスチャースタイルの常態化を実現させたところに、これまでとは違う彼らの進歩を感じました。超サイヤ人が当たり前の状態になってるみたいな、今のウーバーはそういうイメージ。
ヒップホップはシンプルに楽しい音楽であることをコンパクトサイズながらバラエティ豊富なラインナップで体現しているわけですが、そんな中さらに 熟練されたライミングと、そこに含まれたメッセージにキャリアAlmost30年たる貫禄を感じました。にしてもこれだけのキャリアを積み上げているのに、未だに一つの地点に安住することなく毎回異なるコンセプトの上でヒップホップに挑んでいるのが熱いっすな。
07.『Acid BLOOD Cherry』/ Acid Black Cherry
いつの間にかオカンと娘の二世代で楽しめる大衆性を獲得していたアシッド。そのことに対して危機感を抱いたのか、敢えて自作せず、所縁あるメンバーに楽曲提供を依頼して攻撃性と着手していそうでいなかった要素も取り込んで見事にマンネリを打破。そう、甘く切ないバラードはたまにでいいんだよと。もっと血湧き肉躍り子宮疼く曲をやらんかいと。まさか発足10周年というタイミングでこちら側の期待にガッツリと応えてくれるとは!ひとまずは復帰をただじっと待つのみ。
年齢やキャリアに相応の円熟味が活きた前作とは違い、今回は年齢不詳のアスリート感をむき出しにしてひたすら突っ走ってます。強い風に立ち向かい遥か彼方を目指して走る走る俺たち旅人の爆風スランプもくりびつてんぎょうなバイタリティに満ち溢れた快作であります。
スタジアムロックとか、ハードロックとR&Bのハイブリッドとか、前作以上に外タレバンド感ハンパない海外仕様のアルバムになっておりば。もちろん異論などない!彼らが元来持ち合わせていたエモみを存分に生かしているのだから!『Bombs away』最高すぎやしないか。
以前は大衆へ迎合するかのような捏ね繰り回しが少なからずあったけど、今回はそういった要素は皆無。今までのどの作品よりも彼らのルーツが最も素直に投影された 古き良きファンク/ソウルミュージック。カッコいいっすね。現時点では間違いなくこれが最高傑作です。
涙と笑いとエロに溢れた 独特にして大衆的でもある桑田ならではの歌謡ショーを見ているかのよう。自身の齢とルーツ、趣味嗜好に忠実に向き合った、ベテランの意地が窺える一枚であります。ていうか『君への手紙』は本当にあかん。涙腺が穏やかではいられない。
相変わらずチームざーさんの仕事ぶりが凄い。どの曲も、ざーさんが歌うことで物語が映像化されていく感じがして、本当にここの集団は抜かりがないよなって。
今回はボーカルのみならずアンサンブルまでもがエモい。エモすぎる。アグレッションやソングライティングにも衰えがないし、何気にこれが最高傑作かもしれん。
はあ西野カナちゃんくっそ可愛すぎる
15.『魔法少女になり隊 ~まだ知らぬ勇者たちへ~』/ 魔法少女になり隊
どうしてこういうイロモノ軍団は決まって演奏がしっかりしてるのか。そしてデスヴォイスも おふざけ感がやや前のめりではあるもののやっぱり強力。ヒロイックなアニソンが好きならこれはきっと気に入るでしょう。
16.『PANTHEON -PART 2-』/ 摩天楼オペラ
PART1を聴いてないので、それとの相関関係とかぶっちゃけよくわからんけど、今回も期待を裏切らない一枚でした。こんだけ大味なメタルを性懲りもなく続けているのに飽きずに聴けるのが凄いな。
考えてみりゃ今まで4人の楽曲が均等に配分されたアルバムが出てなかったのが不思議というか、これまでに着手するタイミングは絶対あったやんって感じなんですけど、実際出来上がってみたらやっぱ良いアルバムだったじゃん?しかも、新鮮味がありつつ紛れもなくGLAYすぎるという メジャー20年越えのキャリアとしては実に理想的な着地点じゃないすか。
まさしくSEX, BLOOD&ROCK’N’ROLL!!休憩地点などありゃしません。初っ端から体に悪そう感ハンパなくて聴き終わったあと肺ガンになった気分です。
19.『LiTTLE DEViL PARADE』/ LiSA
前々作で打ち出したスタイルをここで確固たるものにしてきた感。自信たっぷりヤル気まんまん。音源だけでもLiSAのエロさがしっかり汲み取れる好盤であります。
ネットカルチャーを通過してるとか、実社会では自分を隠してSNSで本性を曝け出してるとか、なんかそういうイマ(2010年代)だからこその作風が特徴的。それが魅力的とか共感したとか んなもん一切ないし、むしろコイツまじダメ女だなとも思うけど、そういう歪なエナジーが解き放たれたポップロックが聴いててなんとなく面白いなあって思ってるだけ。要するに、結局のトコなんやかんやで結構気に入ってるってことです。
次から次へと新たなアイドルが仰山出現するなか、路線変更も迎合もなくアイドルロック街道をひた走っているのがサイコッサイコッサ~イコ~!って感じっすな。マンネリ化しないよう異なるコンセプトを設ける工夫もいいです。
今回もブラックでビターなラインナップ。てゆーか前作よりもさらにディープになってね?
激甘ほんわかボーカル、きらめきに富んだエレポップサウンド、恋愛少女漫画的な歌詞…まさに「世界には胸キュンしかない!」な音世界であります。
前作で「ありゃ?」というズッコケな印象を受けた後に聴いたからというのもあるのか、「やっぱNoGoDはこうでなくちゃな!」と、聴き終えたあと意味なく力こぶポーズをとりたくなるこの感じがたまらん。鉄板のNoGoDスタイルがまんまビルドアップされたも同然のアルバムであります。
キタエリがHR/HM路線でアーティストをリスタートさせ、これが一夜限りの宴ではなく、新章の幕開けに過ぎなかったことが声優界きってのトピック。ミニアルバムといえど、復帰作として十二分に充実した熱量を有してます。
トレンドを見よう見まねでなぞったりかじったりしてるだけなんてことはなく、しっかり咀嚼し腹に落とし込み我流でアウトプットしてるのが流石っす。その有用がアルバムの質に大きく影響してるといっても過言ではない。
力みなく、肩肘張らず、時には遊び心を忍ばせながら自然体で作り上げたエイジレスなポップアルバムであります。お姉さん相変わらず可愛いっす。
ぶっちゃけガールズロックの一般的な定義はよくわからんが、女子たちの女子たちによる女子たちのためのロックを演っているという意味では、これこそがザ・ガールズロックなのではないかと。『魔法のように』は女子力を湧き上がらせる超神水のようなガールズロック。
元NMBの凜々花の影響で聴きました。近年フリースタイルダンジョンの人気が高く私もあの番組ついつい見入っちゃったりすることがあるんですが、そういった系統とは距離を置いた、別の意味でフリースタイルなHIP-HOP。リップやキックともまた異なるタイプではあるのですが、この人は変に迎合せずこのスタイルのまま もっと幅広くいろんな層にまで広まって欲しい。
トレンドもスタンダードもばっちり押さえた、イケメンJ-R&B/HIP-HOP。バラードで胸を揺さぶり、ダンスナンバーで腰を振らせる、なんともけしからんヤラシいアルバム。
いよいよお茶の間にまで三浦大知の存在と実力が知れ渡ってきたこのタイミングで、安易に大衆ウケに偏重せず、かといってマニアックに耽るでもなく、彼の器用さ、懐の深さが活きた 間口の広いダンスポップアルバムをドロップしてきたのが素晴らしいっすな。
前2作の煮え切らなさが嘘のような、そして清水富美加との不倫なんかどうでもよくなるくらいの快作。カナブンの従来のイメージや強みを放棄することなく新たに注入された叙情性が有用してるって感じ。
山本彩ちゃんソロライブの開演前のSEで彼らの楽曲が流れていた(彩ちゃん自身がセレクトしたそうです)のが切っ掛けでこのアルバムを聴きました。このバンドはV系っぽいボーカルが凄くいいです。熱血感を孕みながらも暑苦しい印象がなく色気が先行していてなかなか魅力的だし、楽曲の作風ともマッチしていて非常に良きかな良きかな。
語弊を恐れずに言えば、赤い公園にしては純正なポップスで挑んできてんなあって感じがした。シンプルに楽しくもあり、ボーカル佐藤千明の脱退も相俟っての切なさもあったりと、なんだか2017年夏の終わりを告げるようなアルバムでしたな。
毎年のアルバムリリースが単なるルーティンに終止せず、毎回異なるコンセプトと趣向を凝らしたアプローチで以て制作に挑んでいるあたり、流石はジャニーズの稼ぎ頭にして国民的アイドルって感じで、今回も仕上がり上々。頂に立つアイドルたる風格とスケール感がありつつ間口を狭めないコマーシャルなアイドルポップスへとしっかり着地しておりば。
36.『BABEL』/ 9mm Parabellum Bullet
スランプを乗り越え、9mmが9mmであるために9mmを愚直に全うした力作。彼ら特有のダサさは健在だし、攻撃力に関しては過去最高だし、9mmはまだまだヤれる。
ダーティーさやエッジーさを孕んだ、ヒップホップとはまた違った「悪そうな奴は大体友達」ムードがカッコいいです。ベタベタと馴れ合わないクールさというか。時折ロック色が強く表出することがあるんですが、私的にはそういうのよりもソウルテイストがメインに渦巻いてる楽曲のほうが好み。
曲数が多すぎるとか、アレンジ・プロダクション・歌唱への注力がおざなり気味になってるなどの弱点はあるものの、女性アイドルらしい側面もしっかり押さえながらグループのテーマである「10代が抱える葛藤・反逆」で以てアルバムをしっかりとまとめ上げてるのが良いです。他のアイドルにはない欅坂ならではのアイデンティティーを確固たるものにした一作であります。『二人セゾン』『エキセントリック』の存在感が圧倒的すぎる。
ある意味すごい。18年ぶりにアルバム出したってのに いつも通りとか。
すいません、最初聴いた時メンヘラ化したLiSAだと思ってたわ。歌唱然り楽曲然り、繊細で不器用だけど芯の部分に力強さがある、という深夜アニメのヒロインっぽさに魅力を感じました。
ダンサブルなノリと眩く切ない響きが 現代目線の近未来感やアーバン感を醸し出していて、これはかなり気に入ってます。特に『守ってみたい』が。なんたってニュージャックスウィングですから。
少なくともこのアルバムを聴く際に「声優」という肩書は不要というか下手すると足枷になりかねないくらい 普遍的かつ上質なポップミュージック。聴きやすくもあり聴きごたえもありで。あいなまさんやナンジョルノと違って聴き手を選ぶタイプの声じゃないし、J-POP好きであればコレは絶対にハズれることはないでしょ。
43.『Awesome City Tracks 4』/ Awesome City Club
とりあえず響きがなんとなく都会っぽけりゃ何でもシティポップとカテゴライズされちゃうんでしょうけど、R&Bっぽいのとかアメリカンポップっぽいのとかデュエット曲とか、一本調子にならず 主軸から離脱しない程よき振れ幅を有してやっているのがよかったし、それがトータル的に面白かった。
セルアウトすることは流石にないだろうなとは思ってたけど、実際に聴いてみて安心したと同時に改めてこの子のスモーキーな歌声はカッコいいなと思った。
ポップでキャッチーなロックなのですが、楽曲のみならずMVや販売戦略などで計算高さというか あざとさをビンビン感じちゃいます。なのに不思議と鼻につく感じはないという。それはボーカルの雫ちゃんがくっそ可愛いからですか。ていうかこのバンドは李牧率いる趙軍だな。もちろん雫ちゃんが李牧役で。
水カンの楽曲を聴くと時々 三田村邦彦を思い出すのは一体何故だ。
ソウルフルなボーカルにブラックフレーバー溢れる楽曲。聴いた瞬間、「うおぉぉっ、きたあっ!!」と、エイベックスやるやん!となったもんです。と言いつつ、アルバム後半は結局J-POPに収束しちゃうんですけどね。そこが悪い意味でエイベックスらしいなという感じがして、いや本当なに勿体ないことしてんだか。
満を持してのお出まし。キャラ立ち三本マイクは健在ながら、過去のリプレイにはならずリアルタイムのプレイが刻み込まれてます。
初期fripSide(naoがボーカルを務めてた頃)のセルフカバーということで、いつもの彼らとはやや作風が異なる楽曲を楽しめました。ここ数作、ほんっとに作風が微動だにしてなかったから、完全なる新作ではなくともこういうアルバムをドロップしてくれたのはいいことだなって思った。5の倍数アニバーサリーも捨てたもんじゃないな。
盤石のB’z 2017年版みたいなアルバムになると思いきや…いやいやこれは随分と渋すぎやしませんか!?腰をくねらせて「いつで~もも~ぎたて~の~ヴェジタボゥッ!」とか歌ってたあのB’zがいよいよこんな熟々な領域に踏み込んできたのかと、なんだか感慨深くなってしまう一枚でした。
スポンサーリンク