アルバム感想『tamago』/ あいみょん


『tamago』/ あいみょん
2015.5.20
★★★★★★★★★☆

01. 貴方解剖純愛歌~死ね~ ★★★★★★★★★☆
02. 分かってくれよ ★★★★★★★★★☆
03. お互い様やん ★★★★★★★★☆☆
04. ○○ちゃん ★★★★★★★☆☆☆
05. 夜行バス ★★★★★★★★☆☆
06. 幸せになりたい ★★★★★★★★☆☆
07. 強がりました ★★★★★★★☆☆☆
08. ナウなヤングにバカウケするのは当たり前だのクラッ歌 ★★★★★★★★★☆

 

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 女性シンガーソングライター・あいみょんの1stミニアルバムで、これが自身にとって初となる全国流通盤。

 

 私が初めて聞いた彼女の作品は『青春のエキサイトメント』でして、このアルバムに関しては完全なる後追いです。『青春のエキサイトメント』と言ったら、奇の衒いがない普遍的でポップなメロディ・サウンドと、性格がひん曲がってるのをものともせず思いのままに思いをぶつける歌詞との掛け合わせに耳を惹かれましたが、その基本フォーマットはこの作品からもう既にカタチになってました。ただ、歌詞のインパクトという点では本作のほうが断然上。聴き手を意識せず趣味の範囲内でオブラートに包むことなくぶっちゃけてるような内容・筆致だけあって、文字だけ見ても強烈なまでに印象に残るし、楽曲としてアウトプットされると メロディが素直に良質ゆえに歌詞がより際立って響いてきます。ちなみに、当時のあいみょんのボーカルはどことなく あべま(阿部真央)っぽい感じ。

 

 『貴方解剖純愛歌~死ね~』なんてタイトルでなんとなく内容が想像ついちゃいますが、まさに「猟奇的な彼女」って感じ。「あなたの心臓をえぐりとってネックレスにしたなら私が眠るその時まであなたを感じられる」「あなたがもしも他の人と手を繋いでるのを見たら指を喰いちぎるわ」「死ね。私を好きじゃないのならば」と、チョンジヒョンもびっくりのバイオレンスぶりを発揮しちゃってます。曲はバイオレンスでもカオティックでもなく、至ってオーソドックスな疾走ポップロックなんですけどね。

 

 

 『○○ちゃん』は、曲自体は良質メロを乗っけたフォーキーなミドルナンバーですが、歌詞では親友のダメ女っぷりや整形をぶっちゃけていたりするし、アイリッシュなアレンジを施したミドルポップロック『幸せになりたい』では 重度の恋愛依存に陥った女の救われなさを書きなぐっていたり、ロックバラード『強がりました』では 強がりが災いして終わってしまった恋を引き摺ってたりと、人間誰しも抱えている影の部分をクローズアップして それを洗浄せず生臭いまんまアウトプットしたような歌詞がちらほらあるのも特徴的で、そこが多くのリスナーから支持される所以の一つなのかなと。中には、バカップルのしょーもないボヤキを綴っただけの『お互い様やん』なんつー曲もあったりしますけど。

 


 

 モータウン調のアップナンバー『ナウなヤングにバカウケするのは当たり前だのクラッ歌』はタイトル通り 死語を中心に歌詞が構成された ちゃんちゃらおかしい楽曲。これは素直にオモロー!って思った。曲自体も普通にバッチグーだし。しかしここまで死語が多々羅列されているのに、「レッツらゴー」とか「余裕のよっちゃん」とか汎用性が高いにもかかわらず取り上げられてない死語達が気の毒だっちゅーのって感じですけども。

 

 

 『夜光バス』は、清々しすぎて眩すぎるポップサウンドに心弾み涙腺が緩む楽曲も、夢に向かって旅立った直後の寂しさや不安に苛まれる心模様を切り取った歌詞もシンプルに良い佳曲。やけにエモーショナルなバラード『分かってくれよ』は、不器用な「僕」を分かってくれよと身勝手ぶりをあらわにする歌詞は個人的にアレだけど、メロディがめっちゃ良い。メロディメーカーとしての才がもうこの時点で開花していたってわけですか。

 

 あいみょんのひん曲がりぶりがひん曲がったままストレートにぶっ放されたアルバム。如何にもアマチュアっぽい粗っぽさや衝動性も相俟ってどの曲も聴き手に深い爪痕を残していくみたいな。私的には『青春のエキサイトメント』よりも好きかも。

 


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