アルバム感想『憎まれっ子世に憚る』/ あいみょん


『憎まれっ子世に憚る』/ あいみょん
2015.12.2
★★★★★★★★☆☆

01. どうせ死ぬなら ★★★★★★★★☆☆
02. 19歳になりたくない ★★★★★★★★☆☆
03. 好きって言ってよ ★★★★★★★★★☆
04. 泥だんごの天才いたよね ★★★★★★★★★☆
05. おっぱい ★★★★★★★★☆☆
06. 私に彼氏ができない理由 ★★★★★★★★☆☆
07. ほろ酔い ★★★★★★★★☆☆

 

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 約半年ぶりとなる2ndアルバム。

 楽曲における基本フォーマットは前作と同様で、音に関しては至って真っ当というか ほんとのほんとにフッツーなんだけど、歌詞に関しては屈折した感性が屈折したままストレートに聴き手を突き刺してくるような感じで油断ならないです。

 

 リード曲と思わしき『どうせ死ぬなら』は、余命わずかのタイミングでやりたいことを書きなぐったり、遺言じみたことを綴っては「(葬式に)無理やり私の大好きな俳優を連れてきてよ」などと無茶苦茶な注文をつけたり、「棺桶蹴飛ばし怒るの 閉所恐怖症なの」と 死んでからも身勝手ぶりを振るうことを宣言したりと、歌詞において相変わらずぶりを惜しげもなく発揮してます。曲そのものはパンクでもカオティックハードコアでもなく、ごくごく普通のポップロックなんですけどね。

 

 

 んで『好きって言ってよ』もかなり強烈。浮気相手に刃を向けちゃってますからね。「浅草の河童横丁で仕入れた包丁 切れ味は最高だわ、可愛いお皿も買ったよ」だの「貴方が誤らないかぎり私はあの子を狙い続ける 死体が二つにならないといいね」だの物騒なフレーズを直でぶっ込んできやがります。こんな歌詞を軽快でフォーキーなサウンドに乗せて、しかも情念を込めるわけでもなく青春ソングを歌うような素振りで歌っちゃってるんだから余計 不気味に聴こえてくるっていう。ある種の本作のハイライトは間違いなくここでしょ。

 

 『19歳になりたくない』は切ない煌めきを放つバラード。大人にならずこのままでいたいという気持ちと、自分自身を曲げずにいたいという気持ちを綴った歌詞は 10代ならではの不安や怖さ、そして意思の強さという それぞれ相反していながらもどちらも嘘偽りない感情を密封したもので、良質メロと相乗してその言葉たちがリアリティを帯びて響いてきます。

 

 躍動的な打ち込みJ-POP『泥だんごの天才いたよね』は、タイトルや楽曲の作風からは想像しにくいですが社会風刺ソングです。あいみょんならではのフレーズチョイスでシンプルにごもっともなことを歌ってます。曲だけなら極めてコンビニエンスな作りですが、それゆえに言葉がより際立って聴こえてくる…って同じようなこと何遍も言ってるけど、この曲もほんとそれ。

 

 ほのぼのしたマーチ調のミドルポップサウンドの上でタイトル通り本当におっぱいのことしか歌わない『おっぱい』、ちびまる子ちゃんのBGMちっくな雰囲気のユルユルで軽やかなミドルポップ『私に彼氏ができない理由』、河島英五の『酒と泪と男と女』を想起させる弾き語り熱唱バラード『ほろ酔い』と、その他の曲も軒並み良い感じだし、上記ナンバーに埋もれることのない存在感を有してます。

 

 前作に引けを取らない佳作であります。オーソドックスなJ-POPばっかのミニアルバムながら どの曲にも漏れなくあいみょん風味が効いていて耳応えは十分にあります。

 


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