『CHRONICLE Ⅴ』/ Ayasa
2018.1.24
★★★★★★★★★☆
01. 光る竹 ★★★★★★★★☆☆
02. KAGUYA ★★★★★★★★★★
03. 告白の夜 ★★★★★★★★★★
04. 千本の矢 ★★★★★★★★★☆
05. 月への道 ★★★★★★★★★☆
ロックヴァイオリニスト・Ayasaさんの5thミニアルバム。
今回は、楽曲タイトルやビジュアルワークスをご覧の通り、竹取物語をテーマとしております。これまでのAyasaさんの楽曲スタイルを継承しつつ、和の装いや幻想的なアプローチを盛り込んだナンバーが勢揃いしておりば。
『光る竹』は本作のイントロダクション的役割を担っている荘厳なナンバー。かぐや姫の目覚めを恭しく称え祭るみたいな、そんなイメージの楽曲ですな。
『KAGUYA』はトレンディなデジタルアレンジをあしらった煌やかなダンサブルアップ。なんというか、ジャケ写のイメージをまんま音像化してます。上品で気高く、なおかつ容易く手には届きそうにない神秘的なオーラを纏いつつ仕上がりはスマートでシャープ。古風な奥ゆかしさがありながらもサウンドが思っきしイマっていう、時代を超越したアプローチが非常にようござんした。
『告白の夜』は本作の肝となるであろうバラード曲。これはかぐや姫が 自身が月の都の人であること、そして月に帰らねばならないことを告げた時の心模様を描いているんでしょうか。ヴァイオリンが柔らかくも心の溜池を揺さぶるように奏でる物悲しい旋律が泣かせてきます。
『千本の矢』は、闘志が滾るようなハードロックナンバー。物語的には兵士と月からの使者との戦いを描写した曲なんだと思いますが、ヴァイオリンが凛とした佇まいで果敢に楽曲をリードしている様子からして、雰囲気としては かぐや姫が従えて戦に臨んでいるようなイメージ。かぐや姫っていうか、もはや楊端和だな。絶対的な美しさと力強さをガッチリ兼備してますからね。
『月への道』は、かぐや姫が月へと帰るシーンを切り取ったナンバーで間違いないと思いますが、神々しい雰囲気で儚く消えていくように締めるのかと思いきや、旅立ちを連想させる飛翔感溢れた仕上がりで意外や意外。しかしとっても美しいエンディングです。
これまでとは違う一面を提示できているし、コンセプトが明確ゆえにまとまりの良さも十分。そして何よりAyasaさんのビジュアルイメージに相応しい音世界が構築されているのが素晴らしいですな。Ayasaさんとかぐや姫は超絶的に美しいだけでなく、無自覚なドSという共通点もあることだし。ベスト盤同様、こちらもクラシックに造詣が深い人よりアニソン・ゲーソン好きな人のほうが気に入る作品なんじゃないかなと。
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