アルバム感想『Delicious』 / Gacharic Spin


『Delicious』 / Gacharic Spin
2013.3.6
★★★★★★★★☆☆

01. NEXT STAGE ★★★★★★★★☆☆
02. 爆弾娘(ボンバーガール) ★★★★★★★★☆☆
03. 今を生きてる~2013年 春~ ★★★★★★★★★☆
04. My bird ★★★★★★★★☆☆
05. GS★PLANET ★★★★★★★☆☆☆
06. Never say never ★★★★★★★★★☆
07. perception ★★★★★★★★☆☆
08. 好きな人、だけど… feat.Nose(METALLIC SPIN) ★★★★★★★☆☆☆
09. メロメロファンタジー ★★★★★★★★★☆
10. Lock On!!-2013- ★★★★★★★☆☆☆

 

スポンサーリンク



 

 Gacharic Spinの1stフルアルバム。

 専任ヴォーカリストは不在のまま、主にはな(Dr)やオレオレオナ(Key)が楽曲に応じてボーカルを取る体制で制作に臨んでいるのですが、私的にそこはほぼ無問題。4thシングル『ヌーディリズム』の項でも言いましたけど、固定ボーカルでもなんら問題ないくらい ちゃんと歌える人達なので。

 ただ、アルバムの作風に関しては正直ノープロブレムとは言い難いトコがあります。『ヌーディリズム』は とびきりエモーショナルなメロディと 各メンバーの演奏テクが惜しげもなく詰め込まれたHR/HM寄りのドラマティックな楽曲でしたけど、今作にはそういった類の楽曲はほとんど無く、シンセが主導権を握ったデジロックやダンスミュージック寄りのロックナンバーが中心となってます。言ってみれば、「ガールズバンド版AYABIE」みたいな感じになっちゃっているわけですよ。

 

 心境としてはちょっと複雑ですね。いわゆるハズレ曲は一つもないし、サウンドプロダクションも過去作に比べれば断然良くなってるし、情報過多でありながらも おもちゃ箱をひっくり返したようなデジロック/ダンスロックとして しっかりまとめ上げられているので、初めて聴いたガチャピンの作品がコレだったら すんなり気に入ってたと思います。ダンスミュージック側にシフトするのが一概に悪いわけじゃないし、過去にもその系統にあたる『JUICY BEATS』という名曲を出してますからね。でも、『Lock On!!』だの『ヌーディリズム』だの スキルフルでテク満載のアンサンブルとデジタルの融合っぷりが激アツな楽曲を聴いた身としては この変化をポジティブに捉えるのは厳しいのですよ。シンセの存在感があまりに強すぎて、ギターもベースもドラムもデジタルサウンドに埋もれてしまってるのが最大の難点なわけでして。

 

 序盤の『NEXT STAGE』『爆弾娘(ボンバーガール)』はダンサブルなデジロックナンバーで、この時点で既にシンセが主導権を握っているような感じ。どちらも曲は良いんですよ。でもシンセが出しゃばりすぎじゃないのかと。演奏陣は出番こそかなり制限されているものの 手抜きしてる様子は全くないし、むしろ相変わらずの奮闘ぶりを魅せているので、ミックス次第で これまで通りのガチャピンらしさが発揮された佳曲になり得たと思うんですけど。

 

 同じダンサブルなデジロックナンバーでも『Never say never』はアリだと思います。っていうか、シンセに呑み込まれることなく演奏陣がここまで暴れ回ってくれるんなら許容どころかむしろ大いに歓迎してやりたいって感じ。はなのボーカルも熱量高くてかなり好感触だし、これは本作でもいちばん好きな曲。

 

 『GS★PLANET』は思っきしダンスミュージック寄りの楽曲ですね。音的にもノリ的にもなかなかチャラい感じで。『perception』もその系統のナンバーで、曲自体はやっぱ良いんですけども、ベースとドラムにもっと活躍の場を与えてくれたら より痛快なファンキーダンスロックになってただろうに、って思っちゃうわけですよ。

 

 『メロメロファンタジー』はTOMO-ZOが初めてボーカルをとった アイドルポップス風情のラブリーなダンスナンバー。デジタル要素が強めではありますが、こっちはベースとドラムのプレーが冴え渡ってることもあって、楽しいディスコティックなノリが形成されています。TOMO-ZOの歌唱はブリブリすぎない程よい塩梅でアイドルっぽさを有していて、こちらもいい感じ。

 

 従来通りのバランスを維持した楽曲といったら『今を生きてる~2013年 春~』『My bird』の2曲くらいかな。

 リード曲である『今を生きてる~2013年 春~』は本作ではイレギュラーにあたる爽快ポップな疾走アップナンバー。メロディや雰囲気はすこぶる爽快ポップながら演奏は毎度お馴染みのフルスロットル振りを発揮していて、そのパワフルな演奏で爽快さとポジティブなエネルギーをさらに拡張しています。打ち込みの取り入れ方もバンド感や歌メロを食っちまわない塩梅で実に効果的。ガチャピンなりのコマーシャルな楽曲ですね。

 

 

 んでバラード曲『My bird』はかなり凄いことになってますな。アンサンブル+シンセだけじゃなくストリングスだのアコーディオンだの色々と盛り込んでいて、やけにノイジーなバラードになっちまっている!カオス化寸前って感じの仕上がりではありますが、お互い潰し合いで雑音状態に陥るってことにはなってないので無問題。

 

 もう一つのバラード曲『好きな人、だけど… feat.Nose(METALLIC SPIN)』は、デジタル要素が強めなのがちょっとな。ていうか、フィーチャリングされてる「Nose」って誰やねんって思ったら、はなのことか!花(Flower)じゃなくて鼻(Nose)なんかい。

 

 『Lock On!!-2013-』は、はなとオレオがボーカルを務め、演奏も改めて録り直したモノ。スラップベースの音がややおとなしくなってしまったことにちょっと不満を感じつつ、この曲に関しては やっぱりArmmyこそがベストオブベストだよなあと改めて痛感してしまったテイクだったのでした。Armmyのテイクで聴き慣れてるというのもあるし、パンチが効いててフェミニン要素が強いボーカルのほうが適性が高い曲なのかなとも思ったり。

 

 とまあ、なんやかんや言っても 結局のところ好きなアルバムではあります。ただ、バンド感がデジタル音に呑み込まれず、かつアルバム全体においてもっと熱気が迸っていれば、ダンスミュージック寄りのロックでももうちょっと満足度は高かったと思います。

 

スポンサーリンク




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です