アルバム感想『MUSIC BATTLER』 / Gacharic Spin


『MUSIC BATTLER』 / Gacharic Spin
2015.9.30
★★★★★★★★★☆

01. ノスタルジックブルー ★★★★★★★★☆☆
02. デジタルフィクション ★★★★★★★★★☆
03. MUSIC BATTLER ★★★★★★★★★☆
04. 常識デストロイヤー ★★★★★★★★★☆
05. 夢言実行 ★★★★★★★★★☆
06. ガンバンバダンサー ★★★★★★★★☆☆
07. ファイナルなファンタジー ★★★★★★★★☆☆
08. 夢喰いザメ -Album ver.- ★★★★★★★★★☆
09. Identity ★★★★★★★★★☆
10. またね ★★★★★★★☆☆☆
11. 赤裸ライアー ★★★★★★★★★☆
12. Don’t Let Me Down ★★★★★★★★☆☆

 

スポンサーリンク




 

 メジャーデビュー後初となるオリジナルアルバムで、通算3作目にあたる作品。

 メジャーに進出したといっても、彼女たちの音楽性やスタンスに大きな変化はありません。が、前作やそれ以前の過去作とは作風や音の鳴り方がちょっと異なります。

 

 ラインナップとしては、J-POP寄りの音楽をメインとした声優やアニソンシンガーのアルバムのような顔ぶれで、最大のアイデンティティーとも言える卓越した演奏スキルをこれまで以上に活かしたような感じ。

 

 平々凡々なアーティストなら質素で捻りのない こざっぱりとした演奏で終わるトコを この人たちは始終パワフルかつテクニカルなプレーを繰り出し続け、フィジカルなグルーヴやダイナミズムを伴った バイタリティーやドラマティックさに富んだ楽曲へと昇華させています。ツーバスドコドコもスラップベースも至る所でバンバン炸裂してるし、シンセ然りギター然り フロント・サイド・バックどこに立ち回ってもギャンギャン鳴り響いてるし、メジャーに移っても おとなしくなる様子が一切見受けられない!休み時間が終わっても、校庭から教室に戻りながら泥んこまみれでまだ遊び続ける わんぱく小学生となんら変わりないやん。

 

 そんな過去最高レベルで大暴れした演奏、ラフなサウンドプロダクションなどが相乗して、アルバム全体的にはなんとも大味な仕上がり。なんだこりゃ!大して方向性が変わってないのにカロリーがとんでもねぇことになってやがる!

 

 冒頭の『ノスタルジックブルー』は、メジャーフィールドを意識した感がバリバリの 哀愁たっぷりな疾走ロックナンバー。オーケストレーションを用いつつ骨格がしっかりした演奏で楽曲をリードしており、いくらメジャーフィールドに籍を移そうとも、超絶技巧集団たるプレーは健在であることをアピール。この1曲だけでもバンドの演奏スキルとアレンジセンスの高さがある程度 窺えるのですが、彼女たちが本領を発揮するのはこの次からです。

 

 

 『デジタルフィクション』は開幕直後からいきなり度肝抜かれます。イントロから演奏テクをガンガン盛り込むわアレンジもバチバチ火花飛ばしてるわで全く落ち着きがないし笑。幕開けからの僅か数秒の間にいろんなもん詰め込みすぎ。そこから先も、複雑なフレージングや、ライブで 演奏しながらどうやって再現すんねんと言いたくなる合いの手なんかも遠慮なしにぶち込んでくるし、このハイテンションぶりと キレやテクが常備された忙しないプレーが『MUSIC BATTLER』『常識デストロイヤー』でも勢いを落とすことなく継続されるとか正気かおい。

 

 

 『夢言実行』は泣きメロが際立ったエモロックナンバーで、それまでのドタバタな展開は一旦休止。しかし、この手の歌モノ寄りの楽曲であっても、普通の疾走エモロックに終止せず、演奏陣が(主に2コーラス目で)テクを交えて巧みに緩急をつけたり 鼓膜を心地良くなぞる流れを生み出したりしているあたりがサスガっすね。

 

 TOMO-ZOがメインボーカルを務める、タイトル通り”ファンタジー”シリーズの最終作と思わしき『ファイナルなファンタジー』は、まさかのシンフォニックな香りを纏ったヒロイックなロックナンバーで、過去のファンタジーシリーズにあったキュートさやファンシーさは一切あらず!相変わらず演奏の注力ぶりが凄いのに、序盤の楽曲達があまりに張り切りすぎてたせいで 相対的におとなしく聴こえちゃうのが恐ろしい笑。

 

 リズム隊がファンキーなノリを生み出す ディスコティックなロックナンバー『ガンバンバダンサー』、EDMをガッツリ導入しながらも、アンサンブルがしっかり骨格を支え、上モノのエレクトロサウンドでもしっかり うねりあるグルーヴを打ち出したダンサブルアップ『夢喰いザメ』では踊れるロックサウンドを提唱。

 

 まるで織田哲郎が手掛けたかのような哀愁歌謡メロを携え、ドラムが裏打ちで楽曲を牽引し、ギターが地味に猛威を揮っている 性急なロックナンバー『Identity』でかっ飛ばした後、シンプルかつオーソドックスなバラード『またね』で一旦クールダウンしますが、メジャーデビュー曲にしていきなり演奏・メロディ・アレンジの全項目で自身のアイデンティティをぶっ放したフルスロットルナンバー『赤裸ライアー』で再度暴走。

 

 そしてラストの『Don’t Let Me Down』は、自作ではなく元BEAT CRUSADERSの日高央氏が提供したエネルギッシュなメロコアナンバー。ドラゴンボール改のED曲ということで、雰囲気的にOP曲じゃねーのかよと言いたくなるものの 確かにタイアップ先に合った(上手く合わせた)仕上がり。ガチャピンっぽいと言えばまあそうですけども、最初聴いた時は「パンクロックやってるスフィア」とか思ってもうた。それ言っちゃうと、あいなまさん役は誰や!?あやひーは?とまっちゃんは?団地妻は!?って話になっちゃいますけど。

 

 ということで、どうすか!この体中満ち溢れる野性のENERGY感!ポップで大味なくせして滋養強壮効果抜群!まさしくJ-POP/J-ROCKのスタミナ天国って感じですな。『デジタルフィクション』『常識デストロイヤー』『Identity』あたりのサビがやや似通って聴こえるなどの引っ掛かりがあったりしますが、総合的には前作以上の快作であります。

 

スポンサーリンク




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です