Gacharic Spin シングルレビュー(1st『Lock on!!』~4th『ヌーディリズム』)

インディーズのフィールドで活動している4人組ギャルバンド・Gacharic Spinのシングルレビューであります。

 

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★1stシングル『Lock on!!』

 

Lock On!!
『Lock on!!』 / Gacharic Spin
2010.3.5

1. Lock On!! ★★★★★★★★★★
2. More Power ★★★★★★★★★★
3. Existence ~あなたという存在~ ★★★★★★★★☆☆

 

 こちらがGacharic Spinにとって初の作品となる1stシングル。

 タイトル曲『Lock On!!』は、シンセや打ち込みを派手に取り込んだダンスロックナンバー。打ち込み導入といっても 人件費削減に着手しているわけでもバンド感が呑みこまれる事態に陥ってるわけでもなく、ちゃんとバンドアンサンブルとデジタルサウンドが融合した仕上がりになってます。シングル一発目にして早くもガチャピンの基本スタイルが既に完成。

 演奏はこの時点で既に上手いです。歌も、女性の強さや本能的な側面を打ち出した楽曲に見合った装飾とパワーが備わっていて こちらも好感触。ほんで、歌・演奏ともにめちゃくちゃハイテンションで忙しなく、どの音も鬱陶しいくらいに主張が強いのに、それがもつれあったり潰しあったりすることなくガッチリとスクラムを組んでいるのがお見事。そのお見事さはイントロを聴けばもう明らかです。特に 挑発するかのように躍動するベースが凄まじいですな。逆にギターの存在感が希薄なのがちょいと謎なんですけども。他のパートと同様に演奏は上手いし、埋もれてるというより意識的にセーブしたミックスを施してるって感じで、この曲に関してはそれが大きくマイナスに作用してる様子はないものの、狙いはイマイチよう分からん。

 

 

 カップリングの『More Power』は、(90年代目線での)近未来的なシンセをフィーチャーしたアッパーなデジロック。ここでもバンドアンサンブルとデジタルサウンドが細胞レベルで融合しており、前曲に負けず劣らずの迸り様を魅せてます。ほんで、タイトル曲以上にメロディが立った楽曲で、そのメロディアスでヒロイックな歌メロがこれまたすこぶるカッコいい。てかラップ直後のBメロがサビなのかと思ったら、その次のCメロがサビだったのね。演奏だけでもこんなイカしてんのにメロディまで訴求力抜群って凄く万能な曲だな。間奏にしても、もうちょっと尺長くてもいいんじゃない?と思いつつも、燻るようなベースがスリリングでカッコいい音出してるし、Armmyのボーカルも 女性ならではのカッコよさを打ち出していて実に魅力的。リード曲とセットで、これらが第一期ガチャピンの二大巨頭ともいうべき超傑作ナンバーであります。

 

 『Existence ~あなたという存在~』は、荒廃ムードが拡がるヘヴィロックナンバー。前2曲とは打って変わってギターが主導権を握っており、ディストーションギターが攻撃性やヘヴィさを、クリーンギターが月夜の妖しさをそれぞれ演出。そして、もう一つの相違点として、演奏が異様にリキ入りまくってんなあってことが挙げられます笑。なんだか肉弾戦!って感じがするプレーじゃないすか。サウンドプロダクションの粗さも相俟って無骨さがより際立ってるし、転調後のラスサビにおけるArmmyの歌唱も喉ぶっ壊しちまうんじゃないかってくらいに危ういし、そういう傷だらけの心模様を体現してるってことなのかしらん。まあインディーズという環境の中で活動しているので、サウンドプロダクションに対してツッコミを入れるのは野暮かとは思いますけども、曲自体は中々良い感じ。

 

 

★2ndシングル『ハンティングサマー』

 


『ハンティングサマー』 / Gacharic Spin
2010.6.2

1. ハンティングサマー ★★★★★★★★★☆
2. L.I.B ★★★★★★★★☆☆
3. 虹 ★★★★★★★☆☆☆

 

 前作より約3か月ぶりにリリースされた2ndシングルです。

 表題曲である『ハンティングサマー』は、タイトル通り夏を連想させる軟派でダンサボーな楽曲で、前作ナンバーに比べてメロディが随分と明るくポップ。軽やかにステップするベースをはじめとする 跳ねたアンサンブルと外部音との絡みが気持ちいいですね。また、前作ほどではないにせよ ギターサウンドがミックス面で控えめな感じになってますが、Aメロではファンキーなプレーで聴き手を踊らせたり、間奏では やたらゴリゴリした音を鳴らしては ここぞとばかりに存在感やロックバンドたる骨太さを打ち出したりと プレイヤーとしての手広さをしっかりと発揮してます。

 

 カップリングの『L.I.B』は、珍しくツインギターがリードする爆走アップナンバー。間奏でもギュイーンだのピロピロだの縦横無尽にギターが暴れ回たりして なかなか面白い。

 

 『虹』はガチャピンにとって初となるバラードナンバー。オーケストレーションをフィーチャーしたサウンドはまさしく雨上がりの空を連想させる清々しさを有してます。ただ、歌を引き立てることに重きを置いているからか、演奏陣のプレーは1,2曲目に比べてだいぶ控えめで、間奏で泣きのギターソロを披露するなんてことも皆無。曲自体は悪くないけど、演奏面を考慮するとどうしても物足りなく思えてしまいますな。

 

 

★3rdシングル『雪泣く~setsunaku~メロディー』

 

雪泣く~setsunaku~メロディー
『雪泣く~setsunaku~メロディー』 / Gacharic Spin
2010.9.8

1. 雪泣く~setsunaku~メロディー ★★★★★★★★★☆
2. ピアス ★★★★★★★☆☆☆
3. ルーレット ★★★★★★★★★★
4. BROKEN LOVER ★★★★★★★☆☆☆

 

 前作より約3か月ぶりにリリースされた3rdシングル。

 『雪泣く~setsunaku~メロディー』は、タイトルからしてスイーツ系ナンバーを連想してしまいがちですが、実際のところ 泣き要素満タンの歌メロを携えた ダンサブルなミドルナンバーとなっておりば。80’sディスコをガチャピンなりに咀嚼したような演奏もいいし、サビにおけるArmmyと はなのツインボーカルもこれまたいいし、オーケストレーションや効果音がもたらすドラマティックさも切なさの増幅に寄与していて、アレンジ面でも素晴らしき仕事ぶりを発揮。前作に引けを取らない佳曲であります。

 

 

 カップリングの『ピアス』は、真っ暗なお部屋で一人シクシク的バラードで、実はこっちがスイーツ系ナンバーだったというオチ(?)。雰囲気もそうですけど、ピアノをフィーチャーしたバラードとか、どう考えてもガラじゃねーだろって感じなんですけど、やっぱりこれは「着うた系(スイーツ系)ってこんな感じだろ?」みたいなノリで着手したのかしらん。ガラじゃねーだろと言いつつ、Armmyの歌唱がメンヘラっぽさを患っていて案外嵌まりが良いのですよね。たまにはこういうのも悪かないです。

 

 『ルーレット』はスムーシーな空気に包まれたダンサブルなミクスチャーナンバー。これは気張らない演奏やラップが織りなすユルいグルーヴ感と うっすらダーティーな空気感が良い感じ。そして、クールな中でもひょっこり感傷が顔を出すサビメロも耳を惹きつけるポイント。ガチャピンにとっちゃイレギュラーな作風ですが、これはかなり好きな曲です。

 

 『BROKEN LOVER』は1,2曲目で溜まっていたセツナの感情が一気に爆発したみたいな疾走アップナンバー。全員の弾けっぷりがスゴ。

 

 

★4thシングル『ヌーディリズム』

 


『ヌーディリズム』 / Gacharic Spin
2012.6.27

1. ヌーディリズム ★★★★★★★★★★
2. モノクロイド ★★★★★★★★☆☆
3. ブラックサバイバル ★★★★★★★★★★

 

 ミニアルバム『Virgin-A』以来 約1年ぶりのリリースとなった4thシングル。AKB48のシングル曲『GIVE ME FIVE!』において、選抜メンバーへ演奏とパフォーマンスの指導をしたというトピックもありつつ、Armmy(Vo.)が脱退を表明して さあ一体これからどうするのかと思ったら、固定ボーカル不在のまま活動を継続ということで、なんかm-floみたいな体制になっちゃってます。

 

 タイトル曲『ヌーディリズム』は、胸に秘めた激情をぶちまけたエモーショナルなハードロックナンバー。この曲ではArmmyに代わり はな(Dr.)とオレオレオナ(Key.)がボーカルを担当しているんですが、二人とも今後 固定ボーカルとして演っていってもなんら問題ないくらい ちゃんと歌えてるじゃないですか。しかも今回は背水の陣で臨んでいるというのもあってか、歌メロ・演奏ともにゲキアツ!フィジカルもマインドもすこぶるメタリックで、聴いてるこっちも発熱不可避。不屈の精神でもって地獄から這い上がってきたかのようなイントロからしてスリリングさとドラマティックさは抜群だし、平歌のバックで歌メロを喰らうことなく迸る演奏(特に1Aメロのスラップベースと 2Aメロのドラミングぱねえ!)然り、終盤の巧みな曲展開で巻き起こすビッグウェーブ然り、一つ一つのパートがいちいち凄まじい!キーボードのオレオレオナが正式メンバーとして加入した影響なのかどうか、シンセの取り込み方も非常に巧みで、高揚感の煽動に大きく貢献しているのも逃してはならないポイント。不死身のギャルバンド・Gacharic Spinが久々に巻き起こしたビッグバン。『Lock On!!』『More Power』に続く名曲を生んでしまった感じがしますな。

 

 

 カップリングの『モノクロイド』はダークサイド全開のヘヴィロックナンバー。この曲では、はな(Dr.)が単独でボーカルを担当。なんというか、ソウルジェムがものっそく澱んじゃってる感じがしますね。歌メロも闇っ気たっぷりの病み病みモードだし、魔女になっちまうのも時間の問題だぞと。ヘヴィロックと書きましたが、重いのは雰囲気であって 音触りとしてはかなりソリッド、そして演奏はここでもキレキレ。

 

 そして『ブラックサバイバル』は、ガチャピン史上最速を誇るメロスピナンバー。この曲はArmmy(Vo.)がボーカルを担当しており、おそらく脱退前最後に録られたものではないかと。いやいや正気ですかこのテンポ感。ギャルバンド4人衆のこんなポップな出で立ちからは想像がつかないほど演奏陣がメーター振り切ったプレーで暴れ倒してますよ。特にリズム隊がヤバすぎ。緩急をつけつつ ごく当たり前のようにテクをぶち込んでおり、超絶技巧集団の真髄をまざまざと見せつけてくれちゃってます。隠れ名曲っすね。地底に潜む魔物のような存在感を放っておりば。

 

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