ギルガメッシュ アルバムレビューまとめ

 ヴィジュアル系ロックバンド・ギルガメッシュのアルバムレビューであります。

 

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★1st Album『13’s reborn』

 


『13’s reborn』 / ギルガメッシュ
2006.9.27
★★★★★★★★☆☆

01. 13
02. Jarring fly ★★★★★★★★☆☆
03. 遮断 ★★★★★★★★☆☆
04. 亡者ノ行進 ★★★★★★★★☆☆
05. 曖昧な味覚 ★★★★★★★★☆☆
06. robust conviction ★★★★★★★★★☆
07. 雨と不幸者 ★★★★★★★☆☆☆
08. 古びた写真 ★★★★★★★★☆☆
09. Deceived Mad Pain ★★★★★★★★☆☆
10. 腐界の闇 ★★★★★★★★★☆
11. 終わりと未来 ★★★★★★★★★★
12. 開戦宣言 ★★★★★★★★★☆

 

 ヴィジュアル系ロックバンド・ギルガメッシュの1stアルバム。

 

 今のヴィジュアル系っつったら、音楽性としてはほぼ何でもありで、「化粧してる男たちがロックバンドやってる」という ざっくりとした表面的な特徴以外は てんでバラバラって感じですけども、彼らが本作をリリースした当初は、同じ畑で常に禍々しい変化を続けているDIR EN GREYパイセンの影響も多分にあり、ラウドロックやミクスチャーに着手しているヴィジュアル系バンドが多々居ました。ギルガメッシュもその中の一組で、ダークで硬派なラウドロックサウンド、V系のイメージとはだいぶ掛け離れた 中二感バリバリの脳筋ボーカルが特徴的。それでいて演奏スキルと攻撃性がこの時点で既に高い。時折スクリームが飛び出したりするも、サビは基本的にクリーンボーカル(声は全然キレイじゃないけど笑)で、思いのほかメロディアスだったりヴィジュアル系っぽさを覗かせたりしてます。

 

 そして歌詞ですが、なんか 勉強も運動も出来なくて友達もろくに居ない思春期の男子 って感じがしますな。「藻掻き腐れよそれが望みだろ?ほらすぐ苦しめ」「もう崩れていけ砕け堕ちていけ」「歪んだ世界を潰せ」とか、このどん底でヤケクソで短絡的にに破滅衝動に駆られている感じがまさしく中二病まっしぐらの男子って感じで、文字だけ切り取ると実にダサいんですけども、そこにガッチガチでメッキメキのダーク&ラウドな楽曲が乗っかると 全くと言っていいほど違和感がない笑。別に洗練されてるとか説得力が大幅に増幅してるとかではないけど、特にカッコいい曲達のイメージをダウンさせてるわけでもなく、普通に歌詞が曲の世界に溶け込んじゃってる感じ。

 

 どの曲も総じて好みですけど、個人的には『終わりと未来』がいちばん好きかな。初期のリンキンパークをよりダーク&ラウドにアップグレードしたサウンド(スクラッチとかラップはないけど)と歌メロに滲み出ているヴィジュアル系っぽさがもうたまらん。後期SIAM SHADEばりの熱血かつ重厚なハードロックサウンドを打ち出した『robust conviction』『古びた写真』もいいし、ライブコンシャスなラウドロック『遮断』『開戦宣言』もカッコいい。

 

 『曖昧な味覚』『雨と不幸者』『腐界の闇』は一応ミドル/バラード系ってことになるんでしょうけど、ここでもダークさとラウド感が貫徹されており、なおかつ 無闇やたら感なくしっかり曲世界に有用してるのが良いです。特に『腐界の闇』は燃え盛るようなヘヴィなサウンドとエモーショナルな旋律との掛け合わせが 意味わからん壮大さと深淵さを有したタイトルに相応の音世界を築いており、私的にかなり気に入ってます。

 

 実はこのアルバム、ギルガメッシュの作品の中でもかなり後回しにして聴いたアルバムだったのですが、後の作品に比べて劣ってるなんてことはなく、むしろ聴かずに飛ばしてしまったことを後悔するくらい良いアルバムでした。

 

 

 

★2nd Mini Album『Reason of crying』

 


『Reason of crying』 / ギルガメッシュ
2007.7.8
★★★★★★★★☆☆

01. Real my place ★★★★★★★★★☆
02. crime-罪- ★★★★★★★★☆☆
03. smash!! ★★★★★★★★★☆
04. Melody ★★★★★★★☆☆☆
05. フリージア ★★★★★★★★☆☆
06. お前に捧げる醜い声 ★★★★★★★★★☆

 

 前作から約10か月ぶりにリリースされたミニアルバム。

 

 前作で提唱したダークで硬派なラウドロックサウンドを主軸としつつ、少し枝を増やしてきているのが本作の特徴。

 

 カッコよさとエモーショナルさを兼備したヴィジュアル系ロックの典型的ナンバー『Real my place』、スクラッチを取り込んでグルーヴィーに躍動するミクスチャーロック『crime-罪-』、まるで 立て続けにアニメタイアップを獲得する(2006,7年当時の)ナイトメアに触発されたかのようなアニソン適性高きポップロック『Melody』、前作で着手していたダークなヘヴィロックバラードとはタイプが異なる 美しく物悲しいバラード『フリージア』と、アグレッションや硬質さはそのままに、ポップさや叙情性もしっかり備わってることをアピールしたり、後にメインディッシュの一つとなるミクスチャーロックに手を染めてみたりしています。

 

 「俺たちは 親に痛いトコを突かれてすぐさまブチ切れる逆上ニートマンじゃねえぞ」というギルガメッシュ側の主張なのかも分かりませんが、結局のところヘヴィなリフが猛威を振るう絶叫ラウドロック『smash!!』『お前に捧げる醜い声』がとりわけ好感触というね。

 

 ミニアルバムと言えど、クオリティ的にも バンドの変遷を辿る上でも 前後作のおまけ的存在とは片付けられない一枚。これも良き作品であります。

 

 

 

★2nd Album『Girugamesh』

 


『Girugamesh』 / ギルガメッシュ
2007.12.26
★★★★★★★★★☆

01. Intro
02. patchwork ★★★★★★★★★☆
03. Vermillion ★★★★★★★★☆☆
04. stupid ★★★★★★★★★★
05. バリケード ★★★★★★★★★★
06. shining ★★★★★★★☆☆☆
07. 白い足跡 ★★★★★★★☆☆☆
08. CRAZY-FLAG ★★★★★★★★☆☆
09. 「少女A」 ★★★★★★★★☆☆
10. ROCKER’S ★★★★★★★★☆☆
11. Dance Rock Night ★★★★★★★★★☆
12. ドミノ ★★★★★★★★★☆
13. 壊れていく世界 ★★★★★★★★★★

 

 前作から約5ヵ月という短いインターバルでリリースされた2ndフルアルバム。

 

 バンド名をそのままタイトルに冠しただけあって、ダークで硬派なラウドロック路線をひた走ってきた初期のギルガメッシュの決定盤とも言うべきラインナップになっておりば。メロディアスさをしっかり打ち出していながらも 以前よりも がなりやスクリームのパートが増量している上に、歌詞も 気に入らない奴らに片っ端から噛み付いたり ジャイアニズムを恥ずかしげもなく露呈したりと 脳筋ボーカルに箔をつけるような攻撃性が付加されているのが本作ならではの特徴で、荒々しいサウンドプロダクションも相乗して。

 

 Hookで「なんちゃらかんちゃらうんたらパッチワアアアアアアク!!!!!」とラウドロックでは有り得ないフレーズを臆面なく絶叫するダークかつ重厚な『patchwork』、Hookのデスヴォイスはどう聴いても「腐ったバーガー!」と絶叫してるようにしか聴こえん『stupid』、剛田武も仰天するほど威勢のいい自己中ラウド『バリケード』、薄めながらブレイクビーツとスクラッチを敷いた『CRAZY-FLAG』など、がなるように歌って勢いで押し切るタイプの楽曲はどれもカッコいいし めちゃくちゃノれます。物言いや発言内容はダサいモンばっかですけどね。

 

 本作では数少ないV系っぽさ溢れる切なげミドルナンバー『白い足跡』、同じく本作では数少ない歌モノ寄りの疾走系ハード『ROCKER’S』、仄白いシンセを効果的に取り込んだ哀愁ミドル『ドミノ』、荒廃ロッカバラード『壊れていく世界』といった メロディアスさが際立った楽曲も良いです。特に『壊れていく世界』はラスサビの断末魔のような絶叫が秀逸で、本作きっての聴きどころといっても過言では…あるけど(え)個人的にはいちばん好きなポイント。これこそが”SEKAI NO OWARI”ってやつですよ。

 

 00年代V-ROCK史に燦然と輝く一枚であります。カッコいい!でもダサい。だがそれがいい、みたいな。そして、この次のアルバムからガラッと様相が変わります。

 

 

 

★3rd Album『MUSIC』

 


『MUSIC』 / ギルガメッシュ
2008.11.5
★★★★★★★★★☆

01. -INTRO-
02. Break Down ★★★★★★★★★☆
03. ULTIMATE 4 ★★★★★★★★★★
04. FREAKS ★★★★★★★★★☆
05. アングリージュース ★★★★★★★★★☆
06. evolution ★★★★★★★★★☆
07. -INST.-
08. puzzle ★★★★★★★☆☆☆
09. Asking why ★★★★★★★★☆☆
10. DEAD WORLD ★★★★★★★★☆☆
11. イシュタル ★★★★★★★☆☆☆
12. 縁enishi ★★★★★★★★☆☆

 

 前作から僅か1年足らずでリリースされた3rdフルアルバム。

 

 一気にチャラくなりました。それまで申し訳程度にしか登場しなかったブレイクビーツやシンセ、ピコピコなどのデジタル音や スクラッチを大胆に取り込んだミクスチャーロックを始終 荒々しく展開しておりば。あと、歌詞の傾向もちょっと変わりましたね。B’zでいうところの「逆境に挫けるな」的な内容で、歪な感情を原動力にしたポジティビティが表れてるものが多め。

 

 私的にはこういうギルガメッシュもアリだと思います。ギルガメッシュをギルガメッシュたらしめてる要素の一つである 左迅のがなりボーカル&スクリームは今作でも変わらず炸裂してるし、ダークさ、硬派さといった それまであった雰囲気は薄れたものの、サウンドの攻撃性や時折覗かせるメロディアスさも健在。それでいて 前作以上に効きが強い重低音、ダンサブルなリズム、随所にぶち込まれるラップなどがもたらすグルーヴ感が至極気持ち良いし、これはこれでかなり気に入ってます。

 

 まんまJESSE(RIZE)なラップ(しかも「Why I’m Me」ってフレーズがぶち込まれてるし笑)と まるで嵐のようなポップなサビメロを携えて弾ける 性急なミクスチャーロック『Break Down』、重厚リフとがなりヴォーカルでゴリ押しするバウンシーなミクスチャーロック『ULTIMATE 4』、中盤でリズムがニュージャックスウィング風に転じる展開がツボすぎる、『six Ugly』期のDIR EN GREYみたいなリフ押しミクスチャー『FREAKS』、ダンサブルに躍動する『アングリージュース』、「レディゴーレミゴー♪」と小賢しいコーラスが狂騒するエネルギッシュナンバー『evolution』、前作の雰囲気を継承しつつミクスチャーロックに着手した結果 エセLimp Bizkitになってしまった『Asking why』、力こぶをこれ見よがしにするかのような『DEAD WORLD』などの勢い重視の楽曲はやっぱ凄くいいっすね。本当にハズレがない。演奏も然ることながら、左迅の目ん玉血走ってる的なヴォイスワークがとりわけ冴えていて、これが味の決め手になっていると思います。

 

 上記のナンバー同様ミクスチャーロックの体をとりつつメロディアスさに比重が置かれたポップな疾走ナンバー『puzzle』、ファンキーなリズムを下地とした『縁enishi』、本作唯一のミドルスロー枠『イシュタル』も悪くない曲ですけど、メロディアスさ重視の割にメロディの訴求力がさほど強くないこともあって、勢い重視の楽曲よりも満足度はやや劣るって感じ。

 

 見てくれや言動がチャラい男はNGですけど、サウンドとなれば話は別。これは大歓迎です。曲単位でもアルバム単位でもサイズがコンパクトなのもまたいいですね、繰り返しサクサク聴けて。

 

 

 

★4th Album『NOW』

 


『NOW』 / ギルガメッシュ
2009.12.16
★★★★★★☆☆☆☆

01. now (intro)
02. bit crash ★★★★★★★☆☆☆
03. NO MUSIC NO REASON ★★★★★★★☆☆☆
04. ALIVE ★★★★★★★★☆☆☆
05. I think I can fly ★★★★★★☆☆☆☆
06. BEAST ★★★★★★★☆☆☆
07. nobody ★★★★★★☆☆☆☆
08. 睡蓮 ★★★★★★★★★☆
09. DIRTY STORY ★★★★★★★☆☆☆
10. GAME ★★★★★★★☆☆☆
11. driving time ★★★★★★★★☆☆
12. arrow ★★★★★★★☆☆☆

 

 約1年ぶりとなる4thフルアルバムです。

 

 前作同様ブレイクビーツやスクラッチを大々的に駆使する一方で、シンセや電子音が今までよりもド派手に多用されるようになり、さらに デスヴォイスが減退した代わりに ラップの使用頻度やクリーンパート(ヒツケーようですが声はキレイじゃない)が増大したりと、前作から開拓したミクスチャー路線を継承しながらも より一層チャラくなってるのが特徴的。

 

 どうやら本作では ギルガメッシュらしさを崩さずにポピュラリティーを獲得することを目的としていたようで、実際 歌メロに関しては 今までよりもキャッチーにはなっていますけど、シンセの多用が影響してか、音が軽くなってるわ、グルーヴ感が弱まってるわ、硬派さが薄れてるわで、総合的にパワーダウンしてしまってるのが痛いっすね。よりキャッチーになったといってもメロディの訴求力がアップしたわけじゃなく売れ線に迎合してる感が噴出しただけって曲が大半だし、大衆の顔色を窺った結果 自分達の強みがセーブされちまってるし、全然いいことないやん。

 

 儚げな歌メロと荒廃的なサウンドを掛け合わせたミドルナンバー『睡蓮』、ソニー移籍以降(本作リリースよりも後の話)のガゼットっぽい感触がある お祭りみたいなビート感を敷いた『BEAST』、スラップやブレイクビーツ、小気味良いドラム、カッコつけなラップ、アサクラナイズなシンセなど 踊れる要素満載の『driving time』はなかなかの良曲なんですけどね。

 

 いやいや、この変化は素直に喜べんなあ。あと、ジャケ写が好きじゃない。ほんとに腹立つな こんガキゃあああっ!ブックレット内ではさらにイラッとくる顔をしてやがります。

 

 

 

★5th Album『GO』

 


『GO』 / ギルガメッシュ
2011.1.26
★★★★☆☆☆☆☆☆

01. Opening
02. destiny ★★★★★☆☆☆☆☆
03. EXIT ★★★★★★☆☆☆☆
04. MISSION CODE ★★★★★★★☆☆☆
05. COLOR ★★★★★☆☆☆☆☆
06. 13days ★★★★★★★☆☆☆
07. 見えない距離 ★★★★★★★★☆☆
08. 再会 ★★★★★☆☆☆☆☆
09. Calling ★★★★★★★☆☆☆
10. Never ending story ★★★★★★☆☆☆☆
11. イノチノキ ★★★★★★★☆☆☆

 

 約1年ぶりとなる5thアルバム。

 

 率直に言うと今回はアウトです。かねてより彼らが掲げていた「男魂」というやつが 楽曲や歌詞から消滅してるわ、左迅のボーカルも大人しくなってスクリームを完全封印してるわ、演奏も軟弱化しちまってるわ、おまけに2010~11年当時のトレンドを押さえている(乗っかっている)わけでもないわと、もはや 退化してしまったと言わざるを得ない 残念極まりない内容。いやあ実に嘆かわしい。大衆の顔色を窺ってる感が如実に表れてた前作をさらに上回る この迎合っぷりにはただただ呆れるほかありません。

 

 ミクスチャーというよりスクラッチとシンセを申し訳程度に入れただけのダンスロック『destiny』然り、悪い意味でソニー系アニメタイアップ感が半端ない『COLOR』然り、スーパーフツーのバラード『再会』然り、V-ROCKともラウドロックともミクスチャーとも呼べない チープなJ-POP同然の楽曲がこぞってるんですよ。ただ耳当たりが良いだけのありきたりなポップソングが。しかも、かつては00年代ヴィジュアル系の中でもとりわけ殺傷力が高いラウドロックを演ってたバンドがこんなんになっちまってんですよ。つーかさ、売れ線に走るにしても もっとやり様があるだろと。十分な演奏スキルがあるのに、なしてわざわざチープ化させたり軟化させたりすんねんって話よ。そったらことすっからJ-POP自体が安っぽく見られちまうんじゃろがこんにゃろうめ!(いつもここから風) 音楽性をねじ曲げたくらいで簡単に売れるほど日本のヒットチャートは生ぬるかねーんだよと。

 

 以前『バリケード』(アルバム『Girugamesh』収録)という楽曲で「世の中周りの目を気にし過ぎてアクセルの踏み場読み間違えている そんな事ではいつまでかかってもまるで八方塞がりのまま」などと歌っていましたが、その言葉が約3年の時を経てブーメランとなって帰ってきてしまいました。その上「あれも駄目でこれも駄目だ『あ、そう そんならこれはどうだ!?』誰の為に何の為に機嫌伺って…」という当時の彼らの葛藤ぶりを本作収録の『Calling』でカミングアウトもといCallingしちゃってるし。

 

 小気味良いデジタルポップロック『MISSION CODE』、他のヴィジュアル系バンドもやってるようなファンキーな歌謡ロック『13days』、男気の欠片もない 甘く切なくキラキラなムードが蔓延した アイドルポップスも同然の『見えない距離』が個人的には意外とアリだったりするし(でも金輪際こういう楽曲には着手せんでほしい)、ギルガメッシュというバンドのことを全然知らない上でいきなりコレを聴けば、「なんだ、言うほど悪いアルバムじゃないじゃん」って思うかもしれないし、あわよくば気に入ってしまう可能性も有り得ますけど、初期のダークなラウドロック路線からのリスナーは勿論、ミクスチャー路線に転向してから(アルバム『MUSIC』)のリスナーにとっても これはどうにも受け入れ難い変化でしょ。誰が納得すんねんと。

 セルアウトの典型例として新たに仲間入りしてしまった不名誉な一枚であります。 J-POPを舐めたらアカンで。

 

 

 

★6th Album『MONSTER』

 


『MONSTER』 / ギルガメッシュ
2013.11.27
★★★★★★★★★★

01. Intro
02. Drain ★★★★★★★★★★
03. VOLTAGE ★★★★★★★★★☆
04. INCOMPLETE ★★★★★★★★★☆
05. 斬鉄拳 -MONSTER ver.- ★★★★★★★★★★
06. antlion pit ★★★★★★★★★★
07. Resolution ★★★★★★★☆☆☆
08. BAD END DREAM ★★★★★★★★★★
09. Live is Life ★★★★★★★★☆☆
10. 絶頂BANG!! -MONSTER ver.- ★★★★★★★★★☆
11. Another way ★★★★★★★★☆☆
12. ALONE ★★★★★★★★★☆

 

 過去最長のブランクを経てリリースされた6thフルアルバム。セルアウトするばかりかバンド自体も軟弱化してしまった悲劇的前作から一転、再び硬派さと攻撃性を取り戻しメタルコアバンドへと奇跡の変貌を遂げた一枚であります。

 

 初期のようなダークさはあまり感じられませんが、「俺は俺のやりたいようにやる。誰が何を言おうと知ったこっちゃねえ!」とでも言いたげな傍若無人ぶりがカムバックし、中二感バリバリの脳筋っぷりが初期よりも格段にグレードアップしたカタチで表出しています。特に歌詞が。「くたばっちまえよ!二度と顔も見たくねぇからさ」(『VOLTAGE』)、「腐りきったお前らに鉄拳制裁アッパーカット!」、「そうさ会心の大逆転 掴むんだナンバーワン たとえ無理だって言われてもやってやんぞ!」(『斬鉄拳』)、「あーだこーだうっせぇ!細けぇこと気にすんな!」「スピニングバードキックで不安を全部蹴散らせ」(『絶頂BANG!!』)とかなんとか、いちいちピックアップしてたらほんとにキリがないってくらいに。どうせなら「スクリューパイルドライバー」とか「サムソンパワー」とか露骨な中二フレーズをもっとぶち込んで欲しかったですけども。

 

 まあ歌詞はこんなバカっぽい感じなんですけど、歌とサウンドはそんな歌詞に確かな力強さと説得力を持たせるほど強力。
 前者は、なんでもかんでも力ずくでまかり通そうとする的なパワフルさが戻ってきてるし、がなりボーカルや前作では消滅してしまったスクリームの出現頻度がアップしているのが嬉しいところ。それでいてミクスチャー路線で培われたラップが巧みに織り交ぜられてるのがまたいいですな。

 

 後者に関しても、演奏の力強さが戻ってきた上にサウンドプロダクションが格段に向上したことで、初期以上に硬派で攻撃性の高い音を実現させることに成功してます。I’ve系シンセを纏った『Resolution』や ネバギバ精神を謳った疾走ポジティブロック『Another way』といったポップサイドの楽曲、『Live is Life』などのミクスチャー曲でもその強靭さや熱気が変わらず備わってるのがいいです。

 

 そして、ブレイクビーツやシンセ、スクラッチの他にダブステップが今回新たに取り込まれているんですが、J-POPフィールドで散見されるようなお飾り的な役割じゃなく、攻撃性の増幅・凶暴性の演出に多大なる貢献をするほどのエグい使い方をしているのが素晴らしい。特に『BAD END DREAM』におけるダブステップの取り込み方は秀逸。ものすごくピンポイントですけど、ポップ寄りの楽曲だけに、これがあるのとないのとでは楽曲そのものの印象がガラッと変わってしまいます。

 ついでに言うと、この曲は歌詞もいいです。『Another way』でも似たようなこと言ってましたけど、「迷いながら見つめ直していこう 限りある時の中」とか「ずっとやり残している夢の続き 栞をはさんだ物語を最後までやり遂げてみろよ」とか、前作で一度セルアウトした後に本作を作り上げた彼らだからこそ説得力も一入なフレーズ。てかやっぱり「本当に求めていたのはコレなのか?自問自答」してたんすね、彼らも。

 

 本作を象徴する実質的なオープニング曲『Drain』、ダブステップを駆使し、ミクスチャーやメタルコア要素をも飲み込んだ『INCOMPLETE』、男魂が迸る最強のラウドロック『斬鉄拳』、先述のダンサブルなハードポップナンバー『BAD END DREAM』、NICKELBACKの『When We Stand Together』のパクリジナル感半端ない 本作唯一のロッカバラード『ALONE』など、どうでもいい曲がないばかりか、名曲だらけの本作。私的にはギルガメッシュ史上最高の一枚ですね。

 

 

 

★1st Best Album『LIVE BEST』

 


『LIVE BEST』 / ギルガメッシュ
2014.3.26
★★★★★★★★☆☆

01. patchwork ★★★★★★★★★☆
02. お前に捧げる醜い声 ★★★★★★★★★☆
03. DIRTY STORY ★★★★★★★★☆☆
04. Vision ★★★★★★★★☆☆
05. FREAKS ★★★★★★★★★☆
06. ULTIMATE 4 ★★★★★★★★★★
07. bit crash ★★★★★★★★☆☆
08. CRAZY-FLAG ★★★★★★★★★☆
09. MISSION CODE ★★★★★★★★☆☆
10. 斬鉄拳 ★★★★★★★★★★
11. 睡蓮 ★★★★★★★★★★
12. volcano ★★★★★★★★☆☆
13. Break Down ★★★★★★★★★☆
14. 遮断 ★★★★★★★★☆☆
15. BORDER ★★★★★★★★☆☆
16. smash!! ★★★★★★★★★☆
17. Never ending story ★★★★★★★☆☆☆
18. evolution ★★★★★★★★★☆
19. Future ★★★★★★★★☆☆

 

 「LIVE BEST」と謳われてますが、ライブアルバムではなく、ライブ映えする楽曲を厳選し、リリース当時のメタルコアサウンド仕様にリミックスしたベスト盤であります。

 

 リミックスじゃなく、ボーカルも演奏も録り直ししたらええがなって感じですけども、ボーカルは原曲の時点で好感触だったし、全曲メタルコアサウンドでリビルドしたことでアルバム全体にまとまりがあるし、サウンドの軟化が懸念点だったアルバム『NOW』『GO』収録曲が軒並みアップデートされてるんで、個人的には割と好印象の一枚です。いわゆるブチ上がり系ナンバーが犇めく中、叙情性が際立つメロディアスなヴィジュアル系ミドルロック『睡蓮』が中盤に配置されてるのも良いですな。ただ、ラストに収録されている『Future』は、メロディや曲そのものもかなりいい感じなのに やたら音が軽い!これまで18曲もメタルコアサウンドを畳みかけてきておいて なんだこの仕打ちは!

 

 

 

★3rd Mini Album『gravitation』

 

gravitation
『gravitation』 / ギルガメッシュ
2014.9.24
★★★★★★★★★★

01. Go ahead ★★★★★★★★★★
02. gravitation ★★★★★★★★★☆
03. Not Found ★★★★★★★★☆☆
04. reflection ★★★★★★★★★★
05. Vortex ★★★★★★★★★☆

 

 3月にベスト盤のリリースがありましたが、オリジナル作品としては6thフルアルバム『MONSTER』以来約10ヵ月ぶりとなるミニアルバム。

 

 前作『MONSTER』よりもメタルコア色が濃厚になり、攻撃力がさらにアップしました。その代わり、前作収録の数曲でガッツリ導入されていた ダブステップなどのデジタル要素がやや減退。ふりかけ程度の味付けに終止しています。個人的に『Drain』や『INCOMPLETE』でのシンセ・ダブステップの絡ませ方が好きだったので そこがちょっと惜しいなと思ったりするんですけど、左迅のシャウトやグロウルなどのボーカルワークやアンサンブルが強靭さを増してるという点では満足しているので無問題。

 

 しかし、歌詞から 中二病患者っぷりや なんでもかんでも力ずくで罷り通そうとするジャイアニズムが消失しかけてるのは流石にどうかと思うぞ!聴き手を鼓舞するみたいな内容自体は悪くないけど、「俺が楽しけりゃ全てが薔薇色 それで良いだろう 何か文句があるか?」とか、ああいうのもギルガメッシュの魅力というか面白さの一つですからね。

 

 全曲好きですけど、シンフォニックなシンセと 道玄坂下り隊のボーカルNattyのコーラスがゴスい香りを漂わせている『Go ahead』、ミクスチャー要素やエモさを盛り込みつつ、ワインディングロードを描くような曲展開で以って忙しなく暑苦しく駆け抜けるメタルコアナンバー『reflection』が特に好きです。

 

 前作の後半で散見されたポップさが気に入らなかった人でも、今作はきっと気に入るはず。サビメロは全曲漏れなくキャッチーですけど、サウンドはラウドに特化しているので、最初から最後まで猛烈にノれます。カッコいい。

 

 

★4th Mini Album『鵺 -chimera-』

 


『鵺 -chimera-』 / ギルガメッシュ
2016.1.20
★★★★★★★★☆☆

1. Introduction
2. slip out ★★★★★★★★☆☆
3. 鵺 -chimera- ★★★★★★★☆☆☆
4. wither mind ★★★★★★★☆☆☆
5. Horizon ★★★★★★★★☆☆
6. END ★★★★★★★★☆☆
7. Big Bear (Remix from gravitation) (Bonus track.) ★★★★★★★★☆☆

 

 結果的にラストとなってしまったミニアルバム。

 

 今回も根幹となってるのは殺傷力抜群のメタルコアサウンド。随所でデジタル要素を含有していたり、スクリームやグロウルも炸裂していたりと、大まかには前作と同じような傾向ではありますが、ここ最近ではあまり見られなかったヴィジュアル系っぽさが数曲で加味されてるのがちょっとしたポイントかなと。

 

 彼らが意図して忍ばせたものなのかどうか定かではないものの、『鵺 -chimera-』でのダークさや妖しさ、『wither mind』での退廃性やマイナーメロディ、久々の登場となる闇深きヘヴィなメロディアススロー『END』と、前作と大きく相違してる点ということもあり、否応なしにそのヴィジュアル系っぽさに耳を惹き付けられます。

 『slip out』でちょいちょい飛び出すヒップホップ要素も なんだかヘンテコな感触があって、これも別の意味で耳を奪われます笑。

 『Horizon』はサビで急に青空が一面に広がるような爽快メロディが出現するアップナンバー。暑苦しくしゃがれた声で酸欠を恐れることなく高らかに歌い上げてますよ。

 メロディの訴求力が前作ほどではないのもあり、ぶっちゃけ前作のほうが満足度高めなんですけども、このアルバムも悪くない。最後のリミックスも案外面白かった。

 

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