アルバム感想『NO DEMOCRACY』 / GLAY


『NO DEMOCRACY』 / GLAY
2019.10.2
★★★★★★★★★☆

01. REIWADEMOCRACY
02. 反省ノ色ナシ ★★★★★★★★★☆
03. My name is DATURA ★★★★★★★★★☆
04. Flowers Gone ★★★★★★★★★☆
05. 氷の翼 ★★★★★★★★★★
06. 誰もが特別だった頃 ★★★★★★★★☆☆
07. あゝ、無常 ★★★★★★★★☆☆
08. 戦禍の子 ★★★★★★★★★★
09. JUST FINE ★★★★★★★☆☆☆
10. はじまりのうた ★★★★★★★☆☆☆
11. あなたといきてゆく ★★★★★★★☆☆☆
12. COLORS ★★★★★★★★☆☆
13. 愁いのPrisoner ★★★★★★★★☆☆
14. 元号 ★★★★★★★★★☆

 

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 オリジナルとしては約2年3ヵ月ぶりとなる15thアルバム。

 

 メジャーデビュー25周年を迎えた年のアルバムリリースですが、TAKURO曰く「言葉のアルバムを作ろう」と意識していたそうで、25周年アニバーサリーを感じさせる要素は全く以て皆無。てゆーか、アニバーサリーとか意識してアルバム制作したら 良くも悪くもまた従来のGLAYを全うしたような内容になってただろうから、個人的にはベターな方向性。『LOVE IS BEAUTIFUL』とか『GLAY』とか『GUILTY』とか、王道路線なんかもう散々やってんじゃねぇかよって話だし笑。むしろ今回のコンセプトは平成→令和という時代の変わり目にあたるタイミングがもたらしたものなのかなと…っていうか確実にそうだよな。

 

 現代の世相に対するアイロニーと、かつての所属事務所からの独立の件をシンクロさせたように思える 清々しいミドルポップ『反省ノ色ナシ』
 昭和に起こした戦争や、平成の歪な現状を省みながら、来る令和に向けての希望や生きる姿勢を歌った アーシーなフォークロック『元号』

 

 本作を象徴するこの2曲がアルバムの流れにおいて実質的な鉤括弧を担っているトコからも 前述したTAKUROの本作に対する気概が窺えるし、新曲を中心に構成された前半で特に顕著ですが、実際に言葉の重み・鋭さと、楽曲のポップ性とがきちんと両立されているのが何より素晴らしいところ。

 

 

 『戦禍の子』にしてもそうですよね。難民問題をフォーカスしつつ、苦境の中で生きる人々に祈りを込めたフレーズが 温かみあるTERUの歌唱と穏やかなミドルポップサウンドによって優しく切なく胸に響いてくる佳曲であります。

 

 

 『My name is DATURA』は本作で唯一HISASHIが作詞作曲を手掛けたナンバー。楽曲は GLAYの中でも異彩を放つ狂犬ギタリストらしく 刺々しく捻りの効いた退廃的ヴィジュアル系ロックという感じなのですが、マイノリティが心に閉ざした思いを描写したような歌詞は 民主主義を謳う今のGLAYのスタイルの中でしっかり意義を持って機能しているのではないかと。

 

 私的には『氷の翼』が本作随一のクリティカルヒットナンバー。ざっくり言うと、GLAY版の『やさしいキスをして』(DREAMS COME TRUE)って感じの曲ですね。
 泥沼化した恋模様を描写したような歌詞やサウンドアプローチはもとより、半ば演歌じみた背徳的な歌メロが いやに円熟したTERUの艶かしくも痩せこけたようなファルセットにド嵌まりしていて、実に危ういムードを醸成。
 TAKUROのソロワークスが還元されたかのようなジャジーなアレンジとAzumi(wyolica)のコーラスによる虚無的なアウトロがまた良いですな。暗い赤紫色のシミを胸に残すような深い余韻に酔いしれてまう、現行のGLAYきっての名バラードであります。

 

 

 その他、インディーズ時代の楽曲を再録したものであるエッジーなハードロック『Flowers Gone』、80s歌謡ポップスさながらのノスタルジックな煌めきを放つ『誰もが特別だった頃』、悟りや諦念が滲み出た歌詞とは裏腹にサウンドは軽やかなポップロック『あゝ、無常』なども然りですけど、まっさらな新曲はここ最近の楽曲とは様相が異なりながらも いい意味で我々ファンがよく知るGLAYの姿が垣間見える良曲ばかり。

 

 ほんで、アルバム後半は全て既存曲。王道J-POPのポップサイド『JUST FINE』、過去の「ダイヤのA」タイアップ曲のイメージを裏切らない 爽快ポップロック『はじまりのうた』、王道J-POPのミドルバラードサイド『あなたといきてゆく』、TERUの熱唱ぶりも手伝ってシンプルかつ普遍的なフレーズが胸に沁みてくるド・バラード『COLORS』、清々しくも切ないミドルポップ『愁いのPrisoner』と、ラストを飾る『元号』を除いてはどれもこれもココ最近のGLAYっぽいとしか言いようがない曲ばかりっす笑。『JUST FINE』とかシングルリリース時に聴いた時は普通に耳辺りの良い曲くらいにしか思ってなかったけど、この流れだと なんだか骨太でパワフルに聴こえる不思議。コンセプチュアルな新曲群と既存曲をセパレートした構成はこんなところでも有用してくれたみたいです。

 

 正直 期待以上の出来でした。『ROCK ICON』然り『CHILDREN IN THE WAR』然り、これまでにも社会や政治に対するメッセージを発信してきたことが何度かありましたが、GLAYのパブリックイメージである「人柄の良さ」も併せて息吹いているのが過去のその手の作品との大きな違いであり、旨味のみならず新鮮味をも感じた最たる要因でしょうね。まあ個人的には前述した楽曲みたくハードやヘヴィに鳴ってるものも大いにアリだし、サウンド面に限って言えばもう1,2曲くらいエッジの効いたナンバーがあったらモアベターだったなと思うけど、安定に安住せず過去のリプレイにもならず、現行のGLAYがすべきことと ヤリたいことが これだけ心震わせて(奮わせて)るんだから文句はありません。どっからどう聴いてもGLAYでしかないけど、どの過去作とも毛色が異なる一枚。

 

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