平成の音楽を総括するの巻#10【平成10年(1998年)】

ということで平成10年(1998年)、私は小学校を卒業し、とある私立中学に入学した年でした。この環境の変化が個人的にはいちばん大きなトピックですが、それに伴い、電車通学の暇つぶしも兼ねて このあたりからMDプレイヤーで音楽を聴くようになりました。懐かしいっすねえMD。それと、CDレンタルするようになったのもこの辺からかな。改めて振り返ると 今さらかよって感じがするけど、それまでは「レンタル」自体を知らなかったし、そのおかげで様々なアルバムを聴けるようになったので、まあこれもちょっとした私的ターニングポイントの一つでしょう。あとはドラマを能動的に観るようになったのもこの年から。それまでもいくつか観てはいたけど、事前にテレビ雑誌でこれから始まるドラマの概要やキャストをチェックするようになったのはこの辺、厳密には夏クールからですね。春期の「ショムニ」にド嵌まりしたのが切っ掛けで。

 

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【SONGS BEST 20】

◆『ロマンス』 / PENICILLIN
◆『浸食~lose control~』 / L’Arc-en-Ciel
◆『ピンク スパイダー』 / hide with Spread Beaver
◆『赤いタンバリン』 / BLANKEY JET CITY
◆『my graduation』 / SPEED
◆『太陽のグラヴィティー』 / Fayray
◆『ごきげんだぜっ! ~Nothing But Something~』 / DA PUMP
◆『Face the change』 / Every Little Thing
◆『HOME』 / B’z
◆『鳥になる日』 / La’cryma Christi

◆『ELECTRIC CUCUMBER』 / zilch
◆『Love is Alive』 / SHAZNA
◆『夜空ノムコウ』 / SMAP
◆『つつみ込むように…』 / MISIA
◆『alone in my room』 / 鈴木あみ
◆『SHINE』 / LUNA SEA
◆『ONE』 / GiRL
◆『ENDLESS LOVE』 / D-SHADE
◆『POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~』 / 反町隆史
◆『素直なままで』 / IZAM with ASTRAL LOVE

 

【ALBUM BEST 10】

◆『HEART』 / L’Arc-en-Ciel
◆『triple joker』 / T.M.Revolution
◆『RISE』 / SPEED
◆『ギヤ・ブルーズ』 / THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
◆『CORKSCREW』 / 黒夢
◆『EXPRESSION』 / DA PUMP
◆『Mother Father Brother Sister』 / MISIA
◆『pure soul』 / GLAY
◆『SIAM SHADE Ⅳ・Zero』 / SIAM SHADE
◆『さくら』 / サザンオールスターズ
★『nine cubes』 / 華原朋美

 

 

ということで、この年最強の楽曲っつったら『ロマンス』(PENICILLIN)で決まりでしょ!ナルシスティックでヘベレケなボーカルが狂い咲くヴィジュアル系歌謡ハードロックナンバー。アニメ「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」のテーマソングということもあり大ヒットに繋がりましたが、そことは別に 私のクラスでも熱狂的な人気があり、お昼の放送で流れた日にゃ「僕が!抱きしめてあ!げ!る!♪」と合唱しよるほど。私だけじゃなく当時の小6だった人の多くはこれを98年のベストな1曲に挙げるんじゃないでしょうか。

 

ほんで、この年の1月は中学受験の追い込みの時期でして、その時初めて音楽を聴きながらの勉強を許可されたので、前述の『ロマンス』を含め、『赤いタンバリン』(BLANKEY JET CITY)、『Face the change』(Every Little Thing)、『夜空ノムコウ』(SMAP)、『明日が聴こえる』(J-FRIENDS)、『winter fall』(L’Arc-en-Ciel)、『ROCKET DIVE』(hide with Spread Beaver)、『ヘロン』(山下達郎)、『恋のルール・新しいルール』(ピチカート・ファイヴ)、『粉雪』(CURIO)、『湾岸スキーヤー』(少年隊)、『Forever Love』(ZMAP)など、当時の最新曲をいろいろ聴いてました。どの曲も1998年1月の思い出と密接にリンクしちゃってるので、受験合格したから全部好きな曲として聴いてられるものの、失敗してたら全部悪夢の曲になってたかもしれん。

 


 

そんな受験が終わった直後に購入したのが、シングル『ONE』(GiRL)とアルバム『triple joker』(T.M.Revolution)。アルバムに関しては後述しますが、前者の楽曲を歌うGiRLとは、当時19歳の女性ボーカリスト擁する男女2人組ユニットで、この『ONE』という楽曲がデビュー曲になります。いい意味で如何にも90年代って感じがする ギターとキーボードの音が効いたポップロックで、19歳女子らしい瑞々しく溌溂としたボーカルもあってかなり気に入ってましたし、発売前からCMでバンバン流れてたんでレコード会社的にも割と強めにプッシュしてたんではないのかと思うんですけど、いやあ音楽というのはそう簡単なものではございませんな。ブレイクどころかベスト50にも入りませんでしたからね。

 

同じくこの年にデビューしたアーティストのFayray。天下の浅倉先生プロデュースのもと、『太陽のグラヴィティー』でデビューし、ドラマ「ひとりぼっちの君に」の主題歌に起用されたこともあってヒットしました。毎週そのドラマを観ていて馴染みがあったし、浅倉先生の手癖バリバリな ラテンテイストのデジタルポップスということで、天下の浅倉節が好きなら気に入る以外に道はないし、ド嵌まりするのも無理はない。

『POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~』(反町隆史)、『素直なままで』(IZAM with ASTRAL LOVE)もそれと同じようなもんですね。観ていたドラマが好きで主題歌にも嵌まってしまうという。前者が「GTO」で後者が「ショムニ」と、どっちも98年の代表作やがな。

 


 

鈴木あみもこの年にデビュー。ASAYANの『ボーカリストオーディション・ファイナル』の最終電話投票審査で80万票以上を集めて1位になったことでデビューが決まったそうですが、凄いっすね、これほど圧倒的な票数で選抜総選挙を勝ち抜いた猛者は過去に存在しないんじゃないすか。さすがにこの時期だと一人が複数票を投票するなんてこともほとんどなかっただろうし、AKB48 夢の紅白選抜の投票総数が約46万票だったことを考えるとかなり驚異的。ということで、彼女はデビューしてわずか数か月で大ブレイクしてしまうんですが、私的にはこの年に限らず、彼女の全楽曲の中でも『alone in my room』がいちばん好きです。小室ファミリー全盛期が過ぎて落ち着いていた頃ですけど、これは小室先生ならではの旨味や1998年の空気感が内包された名曲でしょう。

 


 

さらにさらに、ヴィジュアル系バンド・D-SHADEがデビューしたのもこの年。『ENDLESS LOVE』とか、我々世代的にはもうドンピシャでしょ。まあ割とすぐに解散しちゃったんですけども。ヴィジュアル系シーンが盛り上がった頃にデビューし、それが沈静しはじめた頃に解散という、ある意味ヴィジュアル系ブームを象徴しているかのような。

 

同じヴィジュアル系でいうと、SHAZNA。まあSHAZNAはこの年1年間というより1997年後半から1998年初頭にかけて一大センセーションを巻き起こしたって感じでしたけどね。この年1月リリースのアルバムがミリオンに迫る大ヒットを記録したのが最後の大ヒットで、それ以降は正直…。でも私がここで選んだ『Love is Alive』はかなり良いです。っていうかSHAZNAの全楽曲の中でも屈指の名曲でしょ。ドラムンベースを効果的に用いた 甘く妖艶なミドルナンバーで、SHAZNAのイメージにもジャストフィットしてます。4月のシングル2枚連続リリースのうちの2作目だったのですが、このシングル(というか2作とも)のセールスが微妙だったのは SHAZNAブームが既にオワコンだったからなのか、それとも世間一般的にこの2曲が好意的に受け入れられなかったからブームが沈静化したのか。なんやようわからん。

 

Love is Alive
SHAZNA
2000/01/01 ¥250

そしてそして、ヴィジュアル系バンドをもう一組。La’cryma Christiの楽曲『鳥になる日』をセレクトさせていただきましたが、これはシングル曲ではなく、アルバム『Lhasa』に収録されている楽曲。大雑把に言えばバラードなんですけども、もちっと細かく言うと「ヴィジュアル系演歌」ってやつです。例えばJanne Da Arcの『月光花』がそれにあたるのですが、ラクリマのこっちの曲のほうが演歌っぽさが深いです。美しく物悲しいメロディと辛気臭いムードと 半ば悶絶気味で気持ち悪い高音ボーカルが意外にも上手く掛け合わさった名曲であります。【ALBUM BEST 10】では『Lhasa』をピックアップしていませんけども、これも良いアルバムです。

 

そしてそしてそして、「1998年」「ヴィジュアル系」というこのキーワードで絶対に外してはならないのがL’Arc-en-Ciel!!1998年に最もお調子に乗ってたバンドであり、90年代を代表するヴィジュアル系バンドでもあり、日本が世界に誇れるヴィジュアル系バンドでもあり!ということで、彼らの楽曲からは『浸食~lose control~』をセレクト。攻撃性が高いだけでなく、拍子がコロコロ変わるし 場面転換も激しいし サビなんか常人ではまともに歌えっこないし、こんなエッジの効きまくった楽曲がミリオンに迫るセールスを記録したのが恐ろしい。

ていうか、96年のアルバム『True』がミリオンセラー、活動休止からの復活を遂げたシングル『虹』の大ヒット、東京ドームライブのチケット4分で完売&ライブ大成功、続く『winter fall』がアルバム先行にもかかわらず『虹』以上の大ヒット、その直後のアルバム『HEART』がまたしてもミリオンセラーと、こんだけデカいトピックをばらまき続けたにもかかわらず、ラルクがお茶の間レベルにまで浸透したのは、シングル3枚同時リリースしたときにやっと、ですよ。遅っせー!ライブに注力する傍ら、そういった3枚同時リリースとか 藤原組長などを起用したCMだとかラジカルなメディア戦略で世間をアッー!と言わせてきましたが、立て続けにリリースされる楽曲もいちいち凄い。自身の実力とアイデアで以て ポップさもマニアックさも飲み込んだ ヴィジュアル系の多様性を自分らだけで体現しちゃってましたからね。セールスのみならず活動内容的にも充実していた1年でしたね。

 

浸食 ~lose control~
L’Arc~en~Ciel
2006/08/30 ¥250

 

そしてそしてそしてそしてhide。Xが解散してすぐさまソロ活動を始め、その一発目である『ROCKET DIVE』で文字通りロケットスタートを切ったばかりだというのに5月初頭にまさかの訃報。これは個人的にも衝撃的だったし、私のクラスの中でも大きな反響があったことを記憶してます。どう考えても我々はXの世代ではないと思うんですけど、それだけに余計凄い。敢えて一曲だけ選ぶとしたら『ピンク スパイダー』かな。「あの空が高すぎたから」のくだりはほんと圧巻。残されたデモ音源をもとになんとかオリジナルアルバムに仕立て上げた『Ja,Zoo』は良作でしたけども やはりちゃんとした完成形を聴きたかったよなあ…。あと、hideが海外進出を意識して結成したロックバンド・zilch『ELECTRIC CUCUMBER』もセレクトしました。ギターリフによるストレートな求心力もありつつコミカルでアブノーマルな要素が随所に散りばめられた 強烈な独自性を放ったヘヴィなインダストリアルロックであります。

 


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ということで、やっとのことでアルバム。ここではラルク『HEART』をトップにセレクトしました。以前に比べて中性的かつ耽美的な要素が幾分薄れており、hydeの男性的な魅力やロック的な音触りが前面に表出するようになったのが特徴的で、活動休止からの復活というバンドの物語的な意味とはまた別に ラルクの音楽面でのターニングポイントとなった一枚という感じが。

 

『triple joker』(T.M.Revolution)は、T.M.Revolutionらしさってやつが高い次元で結実した一枚。なんと初動売上約91万枚!当時の西川くんを知らない人からしたら「え、なして!?」って思うような数字でしょうけど、それくらいT.M.Revolutionってのはこの時期どデカいムーヴメントを巻き起こしていたわけですよ。芸人顔負けのトークとか、自身をアイドルと称してみたりだとか、上半身 裸体を晒して風を受けながらネクタイをぶん回したりとか、「ウカツな僕の切なさを中に出させて」なんつー際どいフレーズをぶちかましたりとか、まあ色々ありましたよ当時は。

 

『RISE』(SPEED)は、ブラックミュージックを主軸としながらも、前作とはまた違った手口で この時期のこの4人でないと実現し得ない 等身大かつ赤裸々なティーンエイジポップスを提示したアルバム。前作に引き続き(てか前作以上に)これも傑作の一枚であります。人気だけじゃなく音楽面での充実ぶりや痛快さという意味でもSPEEDはココがピークですね。

 


 

『ギヤ・ブルーズ』(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)は、90年代のロックを語る上では絶対に外してはならない会心の一作。タバコの煙とオイルにまみれたみたいな、そういう不健康さと渋味が染み込んだ骨太なロックを演ってますよ。男らしいというか男性でないと出し得ない要素がぎゅう詰めになったみたいな感じ。

 


 

『CORKSCREW』(黒夢)もまた攻撃性抜群のパンキッシュなアルバムで90年代のロックを語る上でスルー厳禁な一枚ですよ。こんだけ攻めに特化したアルバムが(オリジナルとしては)彼らの最大のヒット作になったってのも凄い。

 

『EXPRESSION』(DA PUMP)は、プロデューサー・富樫明生師匠による ブラックミュージックを下地としたダンスポップが目白押しのアルバムで、セールス的にはこれが出世作ということになるのかしらん?中でも、終始チャキチャキなノリを貫き通すファンキーなパーティーチューン『ごきげんだぜっ!~Nothing But Something~』は4人が押韻を半ば無視して掛け合いをするラップパートなどで 当時まだハイティーンだった彼らのヤンチャぶりが大いに活かされた傑作ナンバーでこれ必聴。

 


 

『Mother Father Brother Sister』(MISIA)は、MISIAの伸びやかで芯のあるボーカルと 主に島野聡による楽曲とが織りなすグルーヴが心地良い 90s R&Bの名盤。名曲『つつみ込むように…』をリミックスで収録してるトコが厄介ではありますけど。オリジナルテイクでええがな!アルバム全体の流れや空気感に何の支障もあれへんがな!

 

GLAY『pure soul』は、彼らの前後の作品に比べると若干 満足度が下がるのですが、それでも当時なんべんも聴いた思い入れの深いアルバムだし、今でも好きです。何度聴いてもサザンにしか聴こえない『出逢ってしまった2人』、もはや何を歌っているのか ほぼまともに聴きとれない『COME ON!!』『FRIEDCHICKEN&BEER』、クリスマスパーティー風情の『I’m in Love』など聴きどころが多いし。

 

『SIAM SHADE Ⅳ・Zero』(SIAM SHADE)は、『1/3の純情な感情』のヒットでブレイクした直後にリリースされたアルバムで、安直な大衆ウケに転がることなく、ポップさとハードさとマニアックさを取り込んで彩り豊かにアウトプットした名盤。SIAM SHADEの入門編としても最適。

 

『さくら』(サザンオールスターズ)もまたポップさとハードさとマニアックさを取り込んで彩り豊かにアウトプットしていますが、こちらはポップさがやや薄めで後者2つの要素が強め。そのバランス配分に関しては私的に無問題ですけど、その内容で曲数多めかつ尺長めなのがちょっとな。

 

そして、【ALBUM BEST 10】とは別にこの年随一の問題作として取り上げたのが『nine cubes』(華原朋美)。詳しくはこちらをご覧いただきたいのですが、これは小室先生によるドメスティックバイオレンスですか?それとも『LOVE BRACE』『storytelling』そして本作の計3作を通じて破滅の美学ってやつをゲージツ家気取りで演出してるんでしょうか?いずれにせよ精神面に悪影響を与えかねない怪盤ですので、面白半分で聴かないように。

 

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