平成の音楽を総括するの巻#28【平成28年(2016年)】

ということで平成28年、つまり2016年。この年に限った話ではありませんが、「日本の音楽シーンはオワコン」的な発言がアホらしく思えるほど、あちこちからヒット曲が飛び出した1年でありました。ドラマからは『恋』(星野源)、『花束を君に』(宇多田ヒカル)、『Soup』(藤原さくら)、『好きな人がいること』(JY)、映画からは『前前前世』(RADWIMPS)、『FLASH』(Perfume)、『ハッピーエンド』(back number)、CMからは『Wherever you are』(ONE OK ROCK)、『魔法って言っていいかな?』(平井堅)、『サイレントマジョリティー』(欅坂46)(この曲はCMに加え、MVでのダンスパフォーマンスの効果も大きい)、その他、『Hero』(安室奈美恵)、『Have a nice day』(西野カナ)、『PERFECT HUMAN』(RADIO FISH)、『ANOTHER STARTING LINE』(Hi-STANDARD)、『PPAP』(ピコ太郎)と、こんだけ沢山出とるやんかと。
まあ個人的なトピックを挙げるなら、やっぱSMAP解散になっちゃいますかね。スマスマ最終回が終わった後に押し寄せたあの虚無感は今まで生きてきた中で初めての感覚だったし。

 

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★平成28年(2016年)

【SONGS BEST 30】

◆『君への手紙』 / 桑田佳祐
◆『Cry&Fight』 / 三浦大知
◆『ZIKKA』 / ヤバイTシャツ屋さん
◆『Long Nights』 / MIYAVI
◆『Supernova Express 2016』 / GLAY
◆『ひといきつきながら』 / 山本彩
◆『二人セゾン』 / 欅坂46
◆『Finesse』 / Bruno Mars
◆『薔薇と太陽』 / KinKi Kids
◆『magicaride -version2016-』 / fripSide

◆『翼』 / 藍井エイル
◆『SUKI-SUKI』 / SCANDAL

◆『THE OUTRAGE SEXUALITY』 / lynch.
◆『I wanna see you dance』 / 西野カナ
◆『Sis. Anger』 / BABYMETAL
◆『Cosmic Explorer』 / Perfume
◆『ティアドロップス』 / Poppin’Party
◆『方舟』 / NoGoD
◆『Closer feat. Halsey』 / The Chainsmokers
◆『Psychedelic Drive』 / LiSA

◆『Hey Now』 / MAN WITH A MISSION
◆『LAST DANCE』 / きのこ帝国
◆『My Only Place』 / スフィア
◆『BOY septem peccata mortalia』 / BUCK-TICK
◆『Hero』 / 安室奈美恵

◆『MISS UNLIMITED』 / PassCode
◆『STARTING NOW!』 / 水樹奈々
◆『フキアレナサイ』 / B’z
◆『甘噛み姫』 / NMB48
◆『Am I FRENZY??』 / BiSH

 

【ALBUM BEST 30】

◆『We love Tank-top』 / ヤバイTシャツ屋さん
◆『LUCKY Hi FiVE!』 / LiSA
◆『FIRE BIRD』 / MIYAVI
◆『愛のゆくえ』 / きのこ帝国
◆『Just LOVE』 / 西野カナ

◆『Rainbow』 / 山本彩
◆『24K Magic』 / Bruno Mars
◆『NEONGENE CREATION』 / 水樹奈々
◆『アトム 未来派 No.9』 / BUCK-TICK
◆『DIRT』 / OBLIVION DUST

◆『地球』 / 摩天楼オペラ
◆『あゆみくりかまきがやって来る!クマァ!クマァ!クマァ!』 / あゆみくりかまき
◆『純情ランドセル』 / 赤い公園
◆『Kameleon Lights』 / go!go!vanillas
◆『Dangerous Woman』 / Ariana Grande
◆『PROUD』 / 清水翔太
◆『good morning』 / 藤原さくら
◆『FATE』 / Mary’s Blood
◆『THE FUTURE』 / EXILE SHOKICHI
◆『AVANTGARDE』 / lynch.

◆『ティー・フォー・スリー』 / Negicco
◆『SHISHAMO 3』 / SHISHAMO
◆『eureka』 / 04 Limited Sazabys
◆『V』 / 大原櫻子
◆『METAL RESISTANCE』 / BABYMETAL
◆『FIXION』 / THE ORAL CIGARETTES
◆『Dr.Izzy』 / UNISON SQUARE GARDEN
◆『YELLOW』 / SCANDAL
◆『青い図書室』 / 手嶌葵
◆『鵺-chimera-』 / ギルガメッシュ

 

 

ということで、この年のトップにセレクトしたのは 桑田佳祐『君への手紙』。初めてワンコーラス聴いた時点でもうホロっときちゃいました。孤独ゆえの寂しさと、孤独ゆえにより一層沁みてくる温かさに泣けてくる、桑田佳祐の全ディスコグラフィーきっての名バラードであります。

 

 

三浦大知『Cry&Fight』は、大知くんのヤバさを世に知らしめたエクスペリメンタルかつスペクタクルなナンバー。EDM、エレクトロニカ、トラップ、トロピカルハウス、サンバと ありとあらゆるジャンルをハイブリったサウンドといい、世界選抜かと言いたくなるほどハイスペックなダンサー集団がお送りする 息をつく間もないキレッキレすぎなダンスパフォーマンスといい、もはや狂気の沙汰と言わざるを得ない。最初に「世に知らしめた」と書きましたが、せいぜい知名度がようやく全国に広まった程度っていう感じで、大知くんの魅力やヤバさがまだまだ世間にしっかり伝わり切ってないのがもどかしいトコではあります。が、まあ時間の問題でしょう。今のトコこれが楽曲ダンスともに大知くんの最高傑作。

 

 

GLAY『Supernova Express 2016』は、清々しくも温かさがある 郷土愛あふれる渾身のナンバー。ぶっちゃけ北海道は3回しか行ったことないし、北海道新幹線に乗ったこともなけりゃGLAYの地元・函館にも行ったことがない ファン失格の人間ではありますが、これはものっそく胸に沁みてきました。いやまさかこの手の爽快ポップロックでもTERUのボーカルに涙腺を刺激されるとは思わんかった。GLAYから久々に名曲が飛び出してきました。

 

 

KinKi Kids『薔薇と太陽』は、イエモン吉井和哉が提供したフラメンコ風味の美しくも泥臭い歌謡ロック。この渋味がアラフォーのKinKiにすごくフィットしてるし、剛がギター演奏に、光一がダンスに徹するというそれぞれのアビリティを活かしたパフォーマンスも意外とイカしてる。現状維持でもリバイバルでもない新境地開拓に成功した、近年の中ではダントツの名曲。

 

欅坂46『二人セゾン』は、2010年代のアイドルクラシックと呼んで然るべきナンバー。清々しく感傷的なメロディ、それを やや硬めながらも彼女たちなりに丁寧になぞろうとするボーカルが一切の菌を寄せ付けないほどに清楚かつ清潔な響きでこれ絶品であります。欅坂といったらデビュー曲『サイレントマジョリティー』のイメージがだいぶ強く、運営側もそういったティーンエイジャーが抱く葛藤や反逆心など 歪でダークな側面をクローズアップしたようなアプローチをプッシュしてる感がありますが、これも紛れもなく彼女達の一面なんですよね。

 

 

Bruno Mars『Finesse』は、リズムのみならず、ジャンジャン鳴るオケヒや煌びやかなムードまでもが激しく最盛期だった頃のニュージャックスウィングを想起させるファンキーなアップナンバー。いやいやこんなんニュージャックスウィング好きにはたまらんすぎるやろ。バブリーにしてトレンディ。レイター80s~アーリー90sのスメルが半端ないのに古臭さが皆無。そして彼のチャキチャキな歌いっぷりよ。カッコええのう!個人的にチャラ男はNGですけど、こういうチャラさはかなり好きです。この楽曲のみならず、アルバム『24K Magic』もバリよかった。

 

 

安室奈美恵『Hero』は、リオデジャネイロオリンピックのNHKでのテーマソングに起用されたこともあって主に配信で大ヒットを記録したナンバー。晩期の安室ちゃんを代表する一曲ですね。この年のオリンピック全く観てなかったけど、これは素直にいいと思う。スケール感に富んだ眩いアレンジは あって然るべきものとして有用してるし、安室ちゃんの歌唱はグロリアス感を醸し出してるし、決して無難でコンビニエンスなポジティブポップスに収まらず、立派な大衆音楽として成立しているトコがサスガ。

 

 

BUCK-TICK『BOY septem peccata mortalia』は、全体的に「感覚が剥き出しになっている!センスが狂いそうだッ!!センスが暴れそうだッ!!!まわるまわる世界が廻る!!! 」って感じのアルバム『アトム 未来派 No.9』に収録されている楽曲の一つですが、この曲こそがまさにそれ。4分21秒もの間ずっとケダモンが神風を吹かせっ放しですよ。

 

MAN WITH A MISSION『Hey Now』はアンサンブルとデジタル、そしてオルタナロックとエレクトロダンスが細胞レベルでハイブリッドされており、音のみならずジャンルまでもが渾然一体となった傑作ナンバー。凄いです。まるで悟空とベジータがポタラで合体したような無敵感ですよこりゃ。

 

 

PassCode『MISS UNLIMITED』は、女子4人組チャラリーモアイドルのメジャーデビュー曲。なんといっても「大統領が江戸でおつかーーーーーーい!!!」という意味不明な絶叫がインパクト絶大であります。

 

 

BiSH『Am I FRENZY??』も、この年メジャーデビューを果たした女子6人組アイドルによるメジャー1stアルバム収録曲。これもまた絶叫が凄いっすな。血が乾くまで全身全神経を振り絞っているかのようなこのズタボロな絶叫よ。前述のPassCode然り、最近の女性アイドルはこれくらい身を削って歌に臨むのがトレンドになってるわけですか。

 

 

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それでは続きまして、アルバムのトップにセレクトしたのは、ヤバイTシャツ屋さん『We love Tank-top』。いやいや本当にいいんでしょうか、一年間の頂点にヤバTをセレクトしちゃうとかいう愚行。でもこれを選ばざるを得ないのよ、いちばん気に入ってるのも再生回数が最も多いのも明らかにこのアルバムだし。ノリの良さ、面白さ、自由奔放さ、怖いもの知らずの勢いが全編に渡って貫かれており、即効性のみならず中毒性までもがバッチリ完備されてるのが凄いっすな。ヤバTの旨味が抜群の鮮度で以て密封された クソワロな名盤であります。

 

 

LiSA『LUCKY Hi FiVE!』は もう圧巻ですよ。大地パッカーン、海もパッカーン、気取ってるモーゼとかいう奴も…ってなくらいにアッカーンもとい圧巻モノのおてんばロックヒロイン振りを発揮しちゃってます。頭カラッポになって夢詰め込めちゃうようなハイテンションぶりとアグレッション、ガーリッシュな陽性オーラ…そういうLiSAのキャラクター性がうざったいくらいにぶちこまれてるし、演奏陣のプレーの精度もアップしてるし、なんてパンチの効いた重いラブレターなんだと。

 

 

西野カナ『Just LOVE』は、 愛だの恋だの歌ってるという主軸はそのままながら、今回は若干ながらこれまでよりも間口が広めです。カナちゃんと同世代女子のみならず、女子中高大生やアラサー世代の女子、ひいてはあまりのキュートさに多くの男どもをも巻き込んじゃってんじゃね?ってくらいにこれまでよりもターゲットの対象が拡大してます。全体的に雰囲気が明るめで、歌詞もほぼ総じて「陽」のイメージ。未練がましさとか恨み節とかダメンズに翻弄されたりとか、初期はそんなイメージが散見されたカナちゃんが、まさか お日様の香りがする女子にシフトチェンジしちまうとはのう。第二の全盛期を総括したような傑作の一枚であります。

 

 

MIYAVI『FIRE BIRD』は、前作とはまた違った趣の踊れるギターミュージックが繰り広げられておりば。これまでのMIYAVIにはなかった獰猛するようなギターサウンドと 唸りを魅せるEDMサウンドとのぶつかり稽古。それが織り成すスタジアムロック的な熱気とスケール感には否応なしに高揚しちまうわけですよ。毎日がアンセム、毎日がハレルヤ、毎日がシャンパンファイトみたいなアルバムですな。

 

 

きのこ帝国『愛のゆくえ』は、シューゲイザー、R&B、レゲエ、ダブなどを取り入れつつ、根幹にあるメロディアスさやボーカル佐藤千亜妃氏のポテンシャルを存分に活かしたアルバム。これまで彼女達が培ってきたものが遺憾なく発揮されてるけど、集大成的な感じではなく、あくまで現在進行形な印象。前作がシンプルかつポップな作風だっただけに、冒頭から見事に打ちのめされてもうたわ。私的にはこれが彼女達の最高傑作かも。

 

 

山本彩『Rainbow』は、満を持してリリースされたソロアルバムで、いろんな意味で自己紹介的であり名刺代わり的でもある作品ですね。メロディは90s J-POPばりにキャッチーかつポップだし、歌詞は自身が伝えたいこと表現したいことをちゃんとカタチにしているし、サウンドプロダクションはクリアーかつ覇気のある音触りだし、良い意味で普遍性の伴った楽曲が揃ってます。まあ全体的に優等生気質を貫徹しているゆえ、そこで物足りなさを感じたりもしますが、彼女の人となりを表していると考えれば正しく1stアルバム的ではありますな。

 

 

赤い公園『純情ランドセル』は、何遍聴いてもタイトルの意味がサッパリ分からんがやってることはめっちゃ面白い。演奏力はもちろん、表現力や独創性にも長けているし、ボーカルは単に上手いだけじゃなく色気も遊び心も完備してるから 正統派バラードも頭のネジが外れたナンバーも難なくやれちゃうわけですね。

 

 

水樹奈々『NEONGENE CREATION』は、アンチエイジングを意識してんのか、アスリートを気取ってんのか、とにかくひたすら走りまくってるアルバム。なんたって、収録曲の7割以上が直線的な疾走系ナンバーで、その多くがバンドサウンドを主体としたロックテイストの類ですからね。『「落ち着く場所ありますか?」ってそんなのまだいらねえ』を地で行くこのエネルギッシュさ、いいっすねぇ。

 

 

あゆみくりかまき『あゆみくりかまきがやって来る!クマァ!クマァ!クマァ!』は、 愛嬌と溌剌さがある歌唱と 聴き心地爽快のパワフルな演奏でお送りする 明るく活発なパンクロックアルバム。ジャンル的に真新しさはないし 奇を衒ったアプローチもほぼありませんが(たまにパロディ要素が顔を覗かせることはあるけど) 、チャーミングでエネルギッシュという アイドルなら備えておきたい要素がしっかり完備されてる上に、それがちゃんとフル活用されてるんだから 良作にしかなりようがないやんかと。気軽にサクッと聴けるし、リピート欲をも喚起する良いアルバムです。

 

 

OBLIVION DUST『DIRT』は、メロディアスで比較的取っつきやすい印象だった前作とはガラッと変わり、暴力的で血生臭いハードロックをガツガツ演っておりば。これもまたオブリの中では今までにないタイプの作風ですけども、KEN LLOYDのボーカルスタイルとの相性は過去最高なんじゃないかと思っとります。体中満ち溢れる野性のエナジーをたぎらせて解き放ってる的な感じで。

 

 

清水翔太『PROUD』は、サグい雰囲気とかマジリスペクトYoチェケラッチョなノリとは違った、ビターでスモーキーなバックストリート感がカッコよく そして心地良いという、まさにブラックな音楽で構成されたアルバム。ミルクだのシュガーだの そんなのいらねぇみたいな感じで。(本作より後に)この年にリリースされたシングル『My Boo』は彼にとって後期の代表曲も同然のナンバーで、私もかなり気に入ってます。なんつーか、『純恋歌』(湘南乃風)の後継者ソングって感じの作風ですな。

 

 

手嶌葵『青い図書室』は、西洋の美しく繊細でちょっとアカデミックな絵本というか童話というか、そういう品格ある音世界が展開された作品。同年にリリースされ、ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』主題歌にもなったヒット曲『明日への手紙』は収録されてないし(前作からのリカットなので)、彼女のアルバムを聴くこと自体が初めてで 彼女の手の内も何も知らんことだらけだったんですけども、一発で気に入ってしまいました。

 

大原櫻子『V』は、活力に満ち溢れた前作とは打って変わり、ラブソングや女子らしさを打ち出しているのが特徴的。歌詞だけでなく、歌唱やサウンドアプローチにもその傾向が表れているので、勢いやパワフルさに魅力を感じていた人からすりゃ物足りなく思えてもしゃあないといった感じですが、高いハードルとなっていた1stアルバムに屈することなく、前作とは違う一面を魅せながらも正統派J-POPたる普遍性や強度をしっかり備えていることだし、私的にはこれも割と好きなアルバム。

 

 

SHISHAMO『SHISHAMO 3』は、シンプルな3ピースサウンドを基調とし、音楽の楽しさはもちろん、ナチュラルな可愛らしさ、そして色んな意味でちょっと あまのじゃくな一面も覗かせている、女子でしか鳴らし得ない 正真正銘のガールズロックを演ってますよ。…って彼女たちの楽曲って最初からそんな感じでしたけど。なんていうんですか親近感!羊の肉はジンギスカン!

 

 

BABYMETAL『METAL RESISTANCE』は、メタルとアイドルポップスとの融合が図られていますが、全体的にメタル要素やスタジアムロック感を強化する一方、意図的にアイドル要素をセーブしているところが前作との大きな違い。両者を5:5もしくは6:4くらいの塩梅でハイブリットし そのギャップをあの手この手で活かしたアプローチに面白さを感じていた私的にはちょっと物足りなく思えたトコもありましたが、楽曲の質自体は周囲からの高すぎる期待にしっかり応えたものになってるし、サウンドの強度がアップしてる点やSU-METALの歌唱におけえるスキルや説得力がさらに向上している点に関しては良いなと思っているので、ガッカリ感なんか微塵もありゃしません。良作であります。

 

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