アルバム感想『エスカパレード』/ Official髭男dism


『エスカパレード』/ Official髭男dism
2018.4.11
★★★★★★★★★☆

01. 115万キロのフィルム ★★★★★★★★★★
02. ノーダウト ★★★★★★★★★☆
03. ESCAPADE ★★★★★★★★★☆
04. LADY ★★★★★★★★☆☆
05. たかがアイラブユー ★★★★★★★★★☆
06. されど日々は ★★★★★★★★☆☆
07. 可能性 ★★★★★★★☆☆☆
08. Tell Me Baby ★★★★★★★★★★
09. Second LINE ★★★★★★★★☆☆
10. Driver ★★★★★★★★☆☆
11. 相思相愛 ★★★★★★★★☆☆
12. ブラザーズ ★★★★★★★★☆☆
13. 発明家 ★★★★★★★★☆☆

 

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 男性4人組ロックバンド・Official髭男dismのメジャー1stアルバム。本作がメジャーデビュー作品となります。

 

 ブラックミュージックをごく当たり前のように溶け込ませたポップなサウンド、そんな音楽性に伴った どのタイプの楽曲でも漏れなく心地良いグルーヴが通底した演奏、ドラマ主題歌やCMソングに起用されてもなんら不思議じゃない(実際どちらにも起用されてるけど)キャッチーでカラオケ映えしそうなメロディ、普遍性とリズム感と プラスアルファ程度ながら フレーズチョイスや視点など藤原聡氏(Vo.)の独自性も交えた歌詞、親しみやすく温かみのある まろやかなボーカルと、多角的に見てポピュラー音楽になり得る特徴が目白押しです。「売れ線をなぞる」っていう感じじゃなく、前述の「”万人ウケし得る要素” を活かすべく行動に移してる」みたいな、そんなイメージがあります。キーボードを含めたバンドサウンドが主軸となってますが、楽曲に応じてブラスや打ち込みリズム、ダンスミュージック要素も導入したりとアレンジ面でフレキシブルに振る舞えるのも強みで、これもまた前述のポピュラー音楽やアルバム全体から感じ取れる「エンタメ性」の醸成に少なからず影響してます。

 

 

 開幕一発目のミドルバラード『115万キロのフィルム』がいきなりの名曲!いちばんの肝となってるのはやっぱり藤原氏のロマンチシズム溢れる歌詞でしょう。言ってることそのものもフレーズチョイスもなかなかクサいですけども、いわゆる永遠の愛ってやつを軽々しくやキザったらしく謳ってチープ化させることなく、これまでの想い出を胸に刻みつつ この先の長い人生を共に歩んでいくことを見据えて着飾りなく綴っているのが素敵だなと思った。そんな言葉たちに体温のような温かさと説得力を与える 情感に富んだハイトーンボーカル、胸を射貫くポイントをちょくちょく押さえた楽曲展開、煌びやかでありながらもド派手にはならない バンドアンサンブル主軸のサウンドアプローチなどがガッチリとスクラムを組み、その結果 結婚ソングのスタンダードとして機能するほどの普遍性とドラマティックさを兼備することに成功した渾身の一曲であります。

 

 

 月9ドラマ主題歌に抜擢された『ノーダウト』は小気味よいファンクナンバーで、スクラッチやヒット音などを駆使したアレンジはもとより、歌詞でもしっかりグルーヴを意識してフレーズを選択しているのが 踊りたくなる感を上手いこと刺激しています。それでいてちゃんとメロディアスという、彼らの特徴的な武器とそのスペックの高さが集約された楽曲であります。

 

 華やかさと胸ときめくポップなメロディを完備したディスコティックなアップナンバー『ESCAPADE』は、実際にはCMソングに起用されてるんですが、様相としては90sトレンディドラマの主題歌も同然。いわゆるアラフォーホイホイというやつです。この手のサウンドを古臭さを感じさせずに衒いなくやれちゃうのも彼らの強みの一つですな。

 

 

 『たかがアイラブユー』はR&B風、っていうか明らかにアーバンなR&Bを演っていて驚かされたし、『可能性』ではまさかのEDM、それもトロピカルハウスを取り込んでいて これまたくりびつてんぎょう。なんですけども、後者に関してはぶっちゃけ有効活用されてる感じは…。取り入れ方が中途半端だし、かと言ってガッツリ導入したところで化学反応が起こることはなさそうだし、少なくともこの曲でEDMに手を出す必要はなかったんでは。

 

 

 その他、いい歳こいた大人ふたりのピュアな恋模様を綴った ピアノメインのくすぐったいバラード『LADY』、音数控えめのナイーブなしっとりバラード『されど日々は』、個人的に本作のハイライトである “inspired by Bruno Mars”な 重みあるビートが効いたファンクナンバー『Tell Me Baby』、藤原氏のハイトーンボーカルがいつにもまして冴え渡っているモータウン調アップナンバー『Second LINE』、ストレートな疾走ポップロックナンバー『Driver』、シンプルなバンドサウンドによる切ないロストラブバラード『相思相愛』、言葉もサウンドも気持ちよく軽快に跳ねるファンクナンバー『ブラザーズ』、華々しいサウンドに乗せて若人を鼓舞するポップロック『発明家』と、曲のタイプにかかわらず彼らのセンスとスペックが活きたポップな楽曲が目白押し。

 

 基盤がしっかりしてるわ大衆性がガッチリ備わってるわオリジナリティも有してるわと、なんやこの新人らしからぬ出木杉くんぶりは。そりゃメトロックフェスで開始早々 入場制限が掛かるわなと。おかげでこいつらのステージ全く観らんなかったし。
 メジャー1作目にしてかなりの好盤ですが、それでも「極まった」感がなく、まだまだどうにでも化けられる余地が十分あるのがこれまた凄い。「国民的なバンドになりたい」と目標を掲げている彼らですが、本当にそのポジションに就く日もそう遠くはないかも。

 

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