アルバム感想『Traveler』 / Official髭男dism


『Traveler』 / Official髭男dism
2019.10.9
★★★★★★★★★☆

01. イエスタデイ ★★★★★★★☆☆☆
02. 宿命 ★★★★★★★☆☆☆
03. Amazing ★★★★★★★☆☆☆
04. Rowan ★★★★★★★★★★
05. バッドフォーミー ★★★★★★★★★☆
06. 最後の恋煩い ★★★★★★★★★☆
07. ビンテージ ★★★★★★★★★☆
08. Stand By You ★★★★★★★★★☆
09. FIRE GROUND ★★★★★★★★☆☆
10. 旅は道連れ ★★★★★★★★★☆
11. 052519
12. Pretender ★★★★★★★★★★
13. ラストソング ★★★★★★★★★☆
14. Travelers ★★★★★★★★☆☆

 

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 約1年半ぶりとなるOfficial髭男dismの新作。

 

 いやいやもう天晴れです。ヒゲダン想像以上にキちゃってました。何が凄いって、前作(1stアルバム『エスカパレード』)の時点で既に確立されていた音楽性が一切ブレないまま 一気にスターダムに のしあがって来たことも勿論そうですけど、しっかりオリジナルアルバムの様相を呈していながらも全曲漏れなく高い質をガッチリ完備していることですよ。アタマっから おケツまで一曲一曲がみなぎっちゃってます。といっても、全員主役クラスのポジションに居るわけじゃなく、絶対的エースと それを支えるサイドポジションがバランス良くきちんと役割分担された上で存在しつつも、力量自体に大差なくハイスペックな連中がこぞっているという 前作以上の出来杉くんぶりを振るっちゃってるわけですよ。池袋ウエストゲートパークのキャスティングみてぇだなおいと。

 

 冒頭の『イエスタデイ』が実質的なリード曲になるのかしらん。アニメ映画『HELLO WORLD』主題歌ということですが、それらしいスケール感やドラマティックさ、清々しさ、「どこまで行くねん」と言いたくなるほどの飛翔感を有したポップソングで、迷いの過程もありつつ愚直な愛情を携えてひた走るような詞世界ともしっかりリンクしてます。ストリングスの鳴りがあまりに大仰すぎて 私的にはそこまで嵌まれなかったんですけども、まあ良い曲ですよ。藤原氏のボーカルがその音に飲まれることなく高らかに響いてることだし。

 

 個人的には、まっさらな新曲の『Rowan』が大当たり。前作でも着手していたど真ん中のR&Bサウンドに今回もガッツリ取り組んでおり、ほろ苦さを含有したメロディや儚げなコーラス、スムーシーなトラックに思わず酩酊してまう。あと、この曲に限った話じゃないけども、さりげなくも巧みに押韻しているのも心地よいグルーヴに一役買っていて好印象。

 

 ドラマ主題歌にもなり大ヒットとなったミドルバラード『Pretender』も素晴らしいです。甘酸っぱいメロディと、大味にならない程よき塩梅で仕立て上げられた なんとなくロマンチックな雰囲気のトラックが胸を締め付けてくる名曲であります。同性愛とか社会的地位に格差がある者同士の恋愛とか何とでもとれる歌詞には 普遍性を越えた許容の幅広さがあるし、そういったトコも多くのリスナーから受け入れられた要因の一つかもしれませんね。

 

 

 熱血で泥臭い歌詞を開放的なブラスポップサウンドに託した『宿命』、トレンディなサウンドアプローチを絡めたロッキッシュアップ『Amazing』、ダメ男の悲しい性を ピアノやサックスが弾ける明朗なポップサウンドに乗せて歌い上げた『バッドフォーミー』、メロウかつ洒脱なアーバンポップス『最後の恋煩い』、藤原氏による魔性のハートウォーミングボーカルの力業でクサい歌詞に胸がときめいてしまったミドルバラード『ビンテージ』、レトロとモダンが混在した ブラックフレイバー溢れるファンキーなポップス『Stand By You』、硬質なアンサンブルでワイルドに振る舞う『FIRE GROUND』、藤原氏以外のメンバーもボーカルを務め さりげなく歌の上手さをアピった ウォーキングテンポのキャンプファイアーソング『旅は道連れ』、ライブ終演後の名残惜しさを刻みつけたようなミドルスロー『ラストソング』、トラックにおけるアナログとデジタル、生の歌声とボーカルエフェクトとの対比の効かせ方がユニークな小品『Travelers』と、その他の楽曲も秀才ぶりと親しみやすさを兼備した出来杉くんばかり。

 

 楽曲単位でもアルバム単位でもエンタメ性をガッチリ装備しているトコ、サウンドではトレンド感を押さえつつバンドのイズムも忘れずにいるトコ、歌詞も しっかり現代的でありながら 重くなったり辛気臭くなったりしすぎず 苦悩や葛藤を経た上で前進していくトコなどなど、よくよく考えてみりゃ前作の時点で既に備わってたものですが、今回はそれらにさらなる磨きがかかってます。

 

 セルアウト連中みたく不慣れな手つきで売れ線をなぞってるんじゃねぇんだぞと。「俺たちの演ってる音楽が 売れ線という名の新たな道標になってんだ」と言わんばかりに、墨汁たっぷりの毛筆で潔くぶっとい直線を引いてるみたいな。そんな自分自身の音楽に対する自信と誇りが窺える一枚であります。私的にも前作以上に気に入ってるアルバム。

 

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