アルバム感想『ROENTGEN』 / HYDE


『ROENTGEN』 / HYDE
2002.3.27
★★★★★★★★★☆

01. UNEXPECTED ★★★★★★★★☆☆
02. WHITE SONG ★★★★★★★★★★
03. EVERGREEN ★★★★★★★★★★
04. OASIS ★★★★★★★☆☆☆
05. A DROP OF COLOUR ★★★★★★★★☆☆
06. SHALLOW SLEEP ★★★★★★★★☆☆
07. NEW DAYS DAWN ★★★★★★★☆☆☆
08. ANGEL’S TALE ★★★★★★★★☆☆
09. THE CAPE OF STORMS ★★★★★★★★★☆
10. SECRET LETTERS ★★★★★★★★★☆

 

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 L’Arc-en-Cielのボーカリスト・HYDEの1stアルバム。

 次作から今現在でも邁進しているハードロック路線とは全く異なる「静」をテーマとした作品。低音中心の歌唱と、主にアコースティックサウンドや管弦楽器を用いているのが特徴的で、静謐だったり荘厳だったり そんな繊細で幽玄な音世界を繰り広げています。西洋風情の美しい顔立ちをしたHYDEですが、その神聖な佇まいをサウンドで極限まで突き詰めたような感じですね。

 

 収録曲の大半が起伏に乏しいメロディ展開である上に、音使いも上品ではあるけど派手ではないものが多いので、ぶっちゃけ全体的に地味です。クラシック音楽よりもずっと間口は狭いと思いますが、HYDEの艶やかな歌唱や 教会で演奏されてるような音楽の雰囲気が好きであれば そのまま気に入っちゃうかもしれないっすね。深夜にテレビつけっぱなしにして悲恋モノの洋画を垂れ流すみたいな感覚で聴くといいかも。

 

 やっぱりソロデビュー曲である『EVERGREEN』がいちばん好きかな。淀みなき聖水が滴るようなピアノの音色からしてなんとも物悲しい響き。その悲しみの波紋を拡げていくようにオーケストラが盛り上がる終盤は自ずと塩っ辛い雫が湧き上がってくること不可避。さっきテレビつけっぱなし感覚で聴くといいとか言っちゃいましたけど、ここだけは腰を据えてじっくり聴きましょう。

 

 クラシカルに鳴り響くストリングスで幕を開ける『WHITE SONG』も名曲。雪が降り注ぐ銀世界の情景描写と 冬の訪れを待ち焦がれていた人々の心象描写をいっぺんに演ってのけたような楽曲には思わず胸が高鳴ります。誰がどう聴いてもバラード曲なのにね。

 

 『SHALLOW SLEEP』は、本作の中では特にバンド感が強く、曲展開もポップスのマナーに倣った ミドルナンバー。普通にラルクで演ってもおかしくない作風ですけど、かと言って、本作の中で浮いちゃうなんてこともなく、他のアルバム曲同様、HYDEの低音歌唱と優雅な弦編曲がしっかり活きた仕上がりに。

 

 高まる熱を内側に携えながら 静かにゆっくりと幕を開ける『UNEXPECTED』、聴いてるだけで熱中症をもよおしそうになる カラッカラで淡白なスローナンバー『OASIS』、悲哀に満ちた音世界が胸を締め付けるミドルバラード『A DROP OF COLOUR』、インダストリアルな冷涼感を有したスローナンバー『NEW DAYS DAWN』、しんしんと雪が降る日に 寒い教会の中ひとりで愛しき人に想いを馳せているイメージの静寂スローバラード『ANGEL’S TALE』、本作の佳境ともいうべき壮絶なドラマを魅せるシリアスミドルナンバー『THE CAPE OF STORMS』、アコーディオンやマンドリンの鳴りがノスタルジックさを喚起するアイリッシュなミドルバラード『SECRET LETTERS』と、全曲漏れなくじっくり聴かせる類のナンバーではありますが、一曲一曲に異なるドラマがあり、アルバム単位で言えば明確な盛り上がりポイントが存在するので、通しで聴くと美しく物悲しいストーリーをなんとなく堪能した気分になります。

 

 いやいや実に凄まじい作り込み様。HYDEの英語の発音がいまひとつであることを除けば隙が見当たらないし、ここまでのものを作っちゃったら、「静」路線がこれ1作で幕を下ろしちゃったのも無理はないかなと。まあただ単にモチベーションがハードロックに傾倒しちゃったってだけの話でしょうけども笑。

 個人的にもかなり気に入ってるアルバムです。ハードロックのHYDEと双璧を成すほどの魅力が詰まってます。

 

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