アルバム感想『FAITH』 / HYDE


『FAITH』 / HYDE
2006.4.26
★★★★★★★★★☆

01. JESUS CHRIST ★★★★★★★★★☆
02. COUNTDOWN ★★★★★★★★★★
03. MADE IN HEAVEN ★★★★★★★★☆☆
04. I CAN FEEL ★★★★★★★☆☆☆
05. SEASON’S CALL ★★★★★★★★★★
06. FAITH ★★★★★★★★☆☆
07. DOLLY ★★★★★★★★★☆
08. PERFECT MOMENT ★★★★★★★☆☆☆
09. MISSION ★★★★★★★★☆☆
10. IT’S SAD ★★★★★★★★★★

 

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 ラルクでの活動を挟んで約2年4ヵ月ぶりにリリースされた3rdアルバム。

 前作に引き続きハードロック路線をひた走ってますが、今回はHYDE自身の宗教観や人間の倫理観を前面に打ち出したのが大きな特徴。単なる楽曲の世界観演出ではなく、具体的な表現を用い、英詞に対訳を用意してメッセージを発信しています。

 

 他に変わったことと言えば、共同プロデューサーであるK.A.Zが作曲にも関与するようになったこと。ていうか本作の半分はK.A.Zが単独で作曲を手掛けてます。決してHYDEのおまけでもなけりゃHYDEの不足部分を補う役割でもなく、HYDEと同等に主戦力になれるだけの求心力を有した楽曲を提供しており、ぶっちゃけ私の耳では一聴して HYDEかK.A.Zか どっちが手掛けた曲なのか判別に困るほど笑。そして、それら楽曲は前作よりも仕上がりが洗練されており、攻める曲と聴かせる曲の棲み分けを明確にした上で 攻撃性や美しさなどを研磨しているような感じが。

 

 『JESUS CHRIST』はオープニング曲にして いきなり本作の肝となるようなナンバー。宗教の矛盾や信仰者に対する疑念をテーマにした歌詞や ゴシカルで荘厳なサウンドはとても重く悲痛で、胸に深い爪痕を残します。

 クローン羊・ドリーを題材とし科学を皮肉った『DOLLY』も歌詞・サウンドともにシリアスかつヘヴィ。ゴリゴリのリフとスリリングに詰め寄るサビがくそカッコいいっすな。

 

 神秘的なオーラを纏い平熱のまま駆け抜けるメロディアスな疾走ロックナンバー『FAITH』は、HYDEが神の子であることを訴えかけているかのよう。攻撃性を押し出さず、これ見よがしにメロディアスさを際立たせているわけではないゆえ 本作の中では地味に聴こえますが、このスマートさがあってこそのカッコよさと美しさ。キリストの心情を代弁しているかのような歌詞ですが、私的にはHYDEの象徴といった感じの楽曲。

 

 先行シングルとなった『SEASON’S CALL』はぶっちゃけ本作のテーマと全く関係がないナンバーですが、前後曲の繋ぎとしても有用してるし、全体を俯瞰した際に良い息抜き場面というか思い切り深呼吸が出来る場面にもなっているので、ほんとにもうココしかないというポジションに就いている感じ。明るいと形容するのはちょっと違うけど、開放感とスケール感を携え、渇きと潤いの対比が効いたサウンドが気持ちいい一曲であります。

 

 そして本作のトリを飾る『IT’S SAD』は、人間の愚かさを訴えたヘヴィロックナンバーで、私的には本作きっての名曲。「そう 我々は人間と呼ばれる最悪の悪さ」という冒頭のフレーズからして強烈だし、「判決被告の罪は原罪より重い 恐れる事無かれ執行人が不在」という皮肉り方がまた痛烈。そしてサウンドも、そういった歌詞に相応な抜群の攻撃性と重厚尾さを有していて すこぶるカッコいい!悪しきオーラが噴出するかのような2サビ手前のくだりとかゾクゾクもの。

 

 その他、焦燥感溢れるハードロックナンバー『COUNTDOWN』、本作では数少ない HYDEのしゃがれ声が弾けまくるダンサブルなヘヴィロック『MADE IN HEAVEN』、詞の描写的にも浮遊感を有したサウンド的にも輪廻転生を思わせるミドルナンバー『I CAN FEEL』、幻想的な音空間を 気が遠くなるほど めいっぱい拡げたミドルスローナンバー『PERFECT MOMENT』、前年のラルクの活動でも取り上げていた反戦がテーマとなった シンガロング系ミドルロック『MISSION』と、それぞれ宗教や戦争などを発端としたテーマを取り上げていますが、シンプルに楽曲がカッコいいしノれるし、曲によってはそのテーマが楽曲の色彩描写をより明確かつ鮮明にしているものもあるし、私は過去2作よりもこのアルバムのほうが好きですね。

 

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