アルバム感想『anti』 / HYDE


『anti』 / HYDE
2019.6.19
★★★★★★★★★★

01. WHO’S GONNA SAVE US ★★★★★★★★★☆
02. MAD QUALIA ★★★★★★★★★☆
03. SICK (feat.Matt B of From Ashes to New) ★★★★★★★★★☆
04. ANOTHER MOMENT ★★★★★★★★★☆
05. FAKE DIVINE ★★★★★★★★☆☆
06. AFTER LIGHT ★★★★★★★★★★
07. OUT ★★★★★★★☆☆☆
08. ZIPANG (feat.YOSHIKI) ★★★★★★★★☆☆
09. SET IN STONE ★★★★★★★★★☆
10. LION ★★★★★★★☆☆☆
11. TWO FACE ★★★★★★★★★☆
12. MIDNIGHT CELEBRATION II (anti mix) ★★★★★★★☆☆☆
13. ORDINARY WORLD ★★★★★★★★★★

 

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 HYDE名義としては約13年ぶりとなる4thオリジナルアルバム。

 13年って、干支一周してもうてるがなって話ですけど、10年以上前からずっとVAMPSとして活動してたし、音楽性もソロとVAMPSとで特に大差はないし、DEAD ENDやglobeのトリビュートアルバムに参加したりとコンスタントに課外活動をこなしていたし、ぶっちゃけそんなに久々という感覚はないのですよね。まあそれはHYDE自身も同様に思ってることでしょうけども。

 

 ということで本作『anti』、VAMPSの現時点での最新作と同様に、作詞・作曲・編曲を他のクリエイター(主に海外のクリエイター)と共同で手掛けているのがほとんど。海外(特にアメリカ)のトレンドに倣ったサウンドアプローチが施されており、その結果、エレクトロコーティングされたハードコアやニューメタルがこぞりにこぞったラインナップとなっておりば。

 

 HYDE名義としては約12年ぶりのシングルリリースとなったオープニングナンバー『WHO’S GONNA SAVE US』からいきなりアメリカ市場意識もといアメリ感なモードが全開。閉塞的な空間を打ち破らんとするサイバーアレンジは重度の中二病を患っているようにも思えますが、その鳴りの潔さといい サマになりすぎなHYDEの着こなし様といい、茶々入れしようがないくらいにカッコいいので、我 初っ端から熱狂する有り様。

 

 

 続く『MAD QUALIA』『SICK (feat.Matt B of From Ashes to New)』はシンガロングを促進するエモーショナルなハードコアナンバー。なんか、いつぞやのワンオクやCrossfaithを思わせる作風だなと思ったら、前者は日本のエモ/ハードコア系バンド・MY FIRST STORYのギタリスト・Shoとの共作だそうで。

 

 

 HYDE史上初めてのドラマ主題歌となった『ANOTHER MOMENT』もスタジアム映えしそうなエモロックナンバーですが、攻撃性を前面に打ち出した序盤3曲とは異なり、うっすらとセンチメンタルな香りが漂う(本作中では)ポップ寄りの仕上がり。いやあ、なんでしょうこの青春まさかり感。青春どころか、物語の主役がもはや人間ではない詞世界なのに、なしてこんなに甘く切ない高鳴りを覚えるのか。

 

 

 個人的には『AFTER LIGHT』がダントツで気に入ってる一曲。上記のアルバム前半の楽曲同様、ライブ意識の高いラウドロックナンバーなのですが、その中でもとりわけ攻めの姿勢が強く表れたサウンドと、魔王さながらの風格を纏ったHYDEの歌いっぷりがべらぼーにカッコよすぎるゆえに。本作どころか、これまでの全HYDEナンバーの中でもいちばん好きな曲ですね。

 

 

 不穏な空気が漂うキャッチーなラウドロック『FAKE DIVINE』、本作の中ではラフな印象を受けるハネモノロックナンバー『OUT』、これまでのHYDEの楽曲にはなかった 茶目っ気チラリズムなポップロックナンバー『LION』、退廃的なヘヴィロック『TWO FACE』、本作中では最もVAMPSの雰囲気に近いダークでゴスいヘヴィロック『SET IN STONE』、美しく気高い翼を広げて飛翔するイメージの雅やかなロックバラード『ZIPANG (feat.YOSHIKI)』と、その他の楽曲も、サウンドはもとより、人間年齢50歳であることが俄に信じがたいほどのカッコよさと迫力と色気が備わったHYDEのボーカルに打ちのめされること請け合いのナンバーばかり。

 

 

 『MIDNIGHT CELEBRATION II (anti mix)』は、その名の通り、2003年リリースの『MIDNIGHT CELEBRATION』をリメイクしたもの。例によってサイバーアレンジが施されているのですが、これは原曲のほうが良いです。サウンドもそうだし、何と言ってもHYDEのボーカルに衝動性が欠如しちゃってるのがネック。その代わりとしてボーカルやギターでエモーショナルさが調味料程度ながら加味されており、それが原曲とはまた違う良い意味での味わいをもたらしてはいるんですけどね。

 

 デュラン・デュランの名曲カバーである『ORDINARY WORLD』、これはなかなかの良カバー。原曲とは異なるスケール豊かなロックバラードアレンジがアルバム全体の雰囲気に馴染んでいるし、歌詞の内容も他の収録曲に通ずるトコがあるように思える。そして、HYDEの切なくも大らかな歌唱が雄大な音世界と相まって大きな感動をもたらします。重みと粘っこさを増したボーカリゼーションがここでは凄く嵌まってる。終盤のハイトーンとかもう圧巻ですよ。「動」モードのHYDEやVAMPSのバラードでこんなに心震えたことなんてなかったし。…なんて言うと少し語弊がありますけども、それだけ現行のHYDEのボーカルが深化を遂げてるってこと。

 

 

 アメリカ市場で勝負に挑まんとする姿勢はしかと伺えはするものの、HYDE自身の宗教観や人間の倫理観を打ち出した前作『FAITH』と違い、本作ではそこでの音にただ乗っかってるだけも同然なので、ぶっちゃけオリジナリティには欠けます。統一感があると言えば聞こえは良いけど、人によっては、どれも似たような曲ばっかじゃねーかと思ってしまうかもしれないっすね。でもこんだけカッコよく乗りこなしてるわけですから、私的にはNOを突き付けるという選択肢はナッシング。ていうか、そんな思考を巡らせる前に私はもう既に打ちのめされちまってるんですけども。

 ものっそく好きなアルバムです。それも、過去のソロ名義3作やVAMPSのどのアルバムよりも気に入ってしまったという まさかの事態に。

 

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