アルバム感想『Go with the Flow』 / 木村拓哉


『Go with the Flow』 / 木村拓哉
2020.1.8
★★★★★★★★★☆

01. Flow
02. One and Only ★★★★★★★★★★
03. I wanna say I love you ★★★★★★★★★☆
04. UNIQUE ★★★★★★★★☆☆
05. NEW START ★★★★★★★★☆☆
06. Leftovers ★★★★★★★★★☆
07. ローリングストーン ★★★★★★★★☆☆
08. Speaking to world ★★★★★★★☆☆☆
09. サンセットベンチ ★★★★★★★★☆☆
10. Your Song ★★★★★★★★★★
11. My Life ★★★★★★★★☆☆
12. A Piece Of My Life ★★★★★★★★★☆
13. 弱い僕だから(session) ★★★★★★★★☆☆

 

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 皆さんご存知、SMAP、ロンバケ、ラブジェネ、HERO、グランメゾン東京、『今夜はHearty Party』(竹内まりや)の「ねぇ、パーティーにおいでよ!」でお馴染みのキムタクこと木村拓哉の1stアルバムであります。SMAP時代にソロ楽曲は何曲か歌ったことはありましたが、木村拓哉名義でCD作品をリリースするのは今回が初

 

 実に理想的なNEW STARTじゃないですか。ルーティンとしての音楽活動ではなく、自身のラジオ番組『木村拓哉 Flow supported by GYAO!』にゲスト出演したアーティストや、その番組リスナーの後押しがあって このアルバム制作やライブが実現したわけでしょ。そしてキムタク本人も目に見えてやる気になったと。

 

 一時代を築いたビッグスターであり、なおかつ今現在も変わらず表舞台で「キムタク」を貫徹し続けてる木村拓哉だからこそ演れちゃうこの贅沢な余興。純粋に仕上がりが良いのはもちろん、楽曲然り歌詞然りどいつもこいつも「キムタクが歌って映えるナンバー」を提供しているのは流石って感じですな。精鋭ミュージシャン達が提示したコーディネートをキメキメに着こなしながらもガッチガチに肩肘張ってる感がないという まるで「さんタク」のような程よいラフさがあって、受け手であるこっちも変に構えず気楽に聴けます。

 

 リード曲と思わしき『One and Only』は稲葉先生が作詞を、多保孝一が作曲を手掛けたパワフルなロックナンバー。スマスマの歌のコーナーでゲストとコラボする際「ア~~~~~オッ!!!」と雄叫びをあげて弾けるキムタクの姿が容易に想像できるほどに迸っちゃってます。

 

 歌やサウンドのカッコよさも然ることながら、特に目を惹くのが2コーラス目の歌詞。「ほんのボタンの掛け違え そんなつもりじゃないのに 大事なものが壊れるのは あっけない夢みたい」「想像以上に世界はねじれ 語るほど遠のく真実 想像以上絆は強いし C’mon c’mon また会う日まで」のくだりは、スマヲタなら血管の中が沸騰すること不可避のクリティカルヒットフレーズでしょ。稲葉先生スマヲタかいなと。ほんで、取り立ててSMAPの件を宛がわずとも、稲葉先生がかねてより歌い続けている「人と人との繋がり」がテーマの根底として備わっているので、汎用性の高いメッセージソング・マニフェストソングとしてもしっかり機能してるのがまた巧いですな。名曲や名曲。

 

 

 一方、じっくり聴かせるタイプの曲だと、女性シンガーソングライター・Uruが提供した2曲が特に注目のナンバーになります。穏やかな海辺でギター弾きながら歌うキムタクの姿が思い浮かぶ『I wanna say I love you』、ピアノとストリングスをバックに据えた渾身のバラード『サンセットベンチ』と、作風は違えど いずれも『恋つづ』ばりに甘々でベッタベタの クールなイケメン専用スローバラード。「君に似合う花束を探しに来たんだ」「もしあの日出会えてなくても僕はきっと君を見つけだした」「愛してる ずっと愛してる どうしようもない愛しさが溢れてくる」と、イケメンが口にした時だけ真価を発揮する直球フレーズを着飾りなく歌うキムタク。カッコえぇ!容姿もキャラも声もカッコいいキムタクのスペックを最小限のアプローチで最大限に活かした佳曲であります。てかよくよく考えてみたら、SMAP時代のソロ曲にありそうで実はなかったタイプの曲だよな。何で今まで出てこなかったんだろ?

 

 そして個人的に大当たりだったのが『Your Song』。これはドロスこと[ALEXANDROS]の名バラード曲『Your Song』のカバー。と言っても、[ALEXANDROS]のボーカル・川上洋平曰く、キムタクをイメージして作った曲で、キムタク本人に歌って貰えたら嬉しいということらしいので、スタンスとしてはキムタクに向けた提供曲も同然(?)。で、ドロスが演る『Your Song』に聴き慣れてしまってる私なんですけども、実際の聴感的にも「キムタク歌唱テイクがオリジナル」と錯覚してしまうほどキムタクの歌声が楽曲にめっちゃくちゃ嵌まってるんですよね。特にサビの「世界中の誰もが敵でも僕は味方さ」でファルセットになるトコとか 子どもを愛でるような柔らな質感や温かみが滲み出ていて かなり気に入ってます。

 

 キムタクがサーフボードのワックスを塗る音をサンプリングした小山田圭吾氏提供のインスト『Flow』、マッキー成分濃厚な胸キュンポップス『UNIQUE』、いきものがかり水野氏提供の豪快なブラスロック『NEW START』、[ALEXANDROS]川上洋平氏提供の思わずシンガロングしたくなるミドルナンバー『Leftovers』、森山直太朗氏提供のアーシーで渋いロッカバラード『ローリングストーン』、嵐『I’ll be there』を提供した「Fredrik “Figge” Bostrom,佐原康太」による煌びやかな四つ打ちポップス『Speaking to world』、LOVE PSYCHEDELICO提供の刺々しいファンクナンバー『My Life』、キャンプファイアーの締めで歌うような雰囲気の『A Piece Of My Life』といったその他の楽曲も中々。

 

 ラストの『弱い僕だから(session)』は、1997年に忌野清志郎氏がキムタクに提供もとい譲渡した楽曲(アルバム『SMAP011 ス』収録)をリレコーディンングしたもの。1997年当時の楽曲でもボーカルに清志郎節を利かせてましたが、成熟し しゃがれた声で歌われた今回のほうが清志郎っぽさが強め。そんなこともあって、よりカッコいいロックンロールにアップデートされた感じがしますな。

 

 良いアルバムでした。欲を言うなら、クボジャー(久保田利伸)提供の小気味良いブラックミュージックがあったらよかったのにな~って感じなんですけど、キムタクがキムタクで在り続ける楽曲が一堂に会していながらも 流し聴きして心地良く響いてくるっていう、デザイン性も機能性もしっかり兼備したアルバムはシンプルにカッコいいと思ったし、何よりキムタクが再びこうして音楽のフィールドに帰ってきてくれたわけですからね。そのことを素直に喜びたいと思います。SMAPっぽい曲はないけど、『夜空ノムコウ』などを聴いてキムタクの歌声に好印象を抱いた人なら聴いてみる価値は大いにアリ

 

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