アルバム感想『LEO-NiNE』 / LiSA


『LEO-NiNE』 / LiSA
2020.10.14
★★★★★★★★★☆

01. play the world! feat. PABLO ★★★★★★★★★☆
02. 紅蓮華 ★★★★★★★★★☆
03. 晴レ舞台 ★★★★★★★☆☆☆
04. マコトシヤカ ★★★★★★★★☆☆
05. cancellation ★★★★★★★★★☆
06. 愛錠 ★★★★★★★★★☆
07. 赤い罠(who loves it?) ★★★★★★★★★★
08. わがままケット・シー ★★★★★★★★★☆
09. unlasting ★★★★★★★★☆☆
10. ADAMAS ★★★★★★★★★★
11. 1センチ ★★★★★★★★☆☆
12. ハウル ★★★★★★★★★☆
13. BEAUTIFUL WORLD ★★★★★★★☆☆☆

 

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 オリジナルとしては約3年5ヵ月ぶりとなるアルバム。
 先行でリリースされた楽曲(CD, 配信)からなんとなく予想はついていましたけど、過去のオリジナル+ミニアルバムとは作風が異なります。

 

 これまでは「活発1番、エロさは2番、3時のおやつは織部里沙」みたいな感じだったじゃないですか(?)。全体的には溌剌とした楽曲が多めで、視覚と聴覚の双方に性欲を刺激する要素を時々トッピングしてみたり、っていうのが前作までの大雑把なイメージ。

 

 でも今回は、アニソンシンガーとロックシンガーという二本軸をぶらさないまま、元から秘めていたエネルギッシュさをさらに強化しつつ「溌剌さ」や「陽性ぶり」以外の用途で活用したり、色気の演出や情感のアプローチに磨きをかけたり…。と、要するに、路線変更したわけじゃないけども、いちアーティストとして 今までよりもちょっと振れ幅が広がり、かつ深みを増したことがしかと窺えるアルバムになったということです。

 

 Pay money To my PainのPABLOが楽曲提供+ギター演奏に参加した オープニングナンバー『play the world! feat. PABLO』が早速これまでとは違うタイプの挑発的なロックナンバーで、なかなかパンチが効いてます。ごっついフットストンプや LiSAのオラついた歌唱が聴き手を扇情。スタジアムロックさながらの熱気やスケール感も備わっており、この1年ちょいの間で一気にスターダムにのし上がった現在のLiSAを象徴しているかのような印象もありますね。

 

 んで、今やドラゴンボールZの『CHA-LA HEAD-CHA-LA』と同等と言っていいほど国民的アニソンの域にまで昇り詰めた感がある『紅蓮華』。重厚なアンサンブルをバックに、哀愁と屈強さを携えた退廃的な音世界を繰り広げた佳曲であります。こういう雰囲気のロックナンバーって、LiSAの全ディスコグラフィーの中で後にも先にも一応あるっちゃあるんですけど、『Rising Hope』系統のお転婆ハードロックに並ぶくらいのスタンダードなスタイルとして定着したのは やっぱりこの曲のおかげなのかなと。

 

 

 

 また、本作にはバラードが2曲あります。二胡の音色が物悲しさを引き立てる 繊細にして深遠な『unlasting』、死してなお逃れられない狂おしさを体現したシリアスダークな『愛錠』。いずれも先行でリリース済みのナンバーでありますが、これまでのLiSAにはなかった類いの作風であり、LiSAをLiSAたらしめる情感豊かな歌唱がより一層 表現力と深みを増したことで、「アルバム内のアクセント」という役割では収まらない存在感を放ってます。むしろ裏番長的な出で立ちで、これまでのLiSAとの決定的な違いや成長ぶりをガッツリと刻み付けていますね。

 

 

 

 エレクトロニカサウンドを用いたミドルスローな新境地ナンバー『わがままケット・シー』もなかなか良いぞ。静寂かつヒンヤリとした空間でダイレクトに感じる異性のカラダの温もり、思わずアソコが蕩けそうになるほどのエロス、欲望のまま交わりあって感覚がおかしくなっちゃった的な混沌ぶりが音像化されていて、いろんな意味で刺激的です。

 

 

 

 そして、またしてもPABLOが楽曲提供+ギター演奏に参加した まっさらな新曲『cancellation』。ヘヴィなリフが牽引するHR/HMナンバーですが、思っきしBring Me The Horizon『MANTRA』を演っちまったという、いわゆるパクリジナルナンバーであります。これはもう完全に確信犯ですよね。「メロディがなんとなく似てる」なんてレベルじゃないし、B’zや西野カナちゃんに比肩するくらい大胆に引用しちゃってるじゃないすか。まあそれを知っていようがいまいが、とにかくめちゃくちゃカッコいい曲ですよ。素晴らし。

 

 

 

 

 個人的MVPナンバーと言えば『赤い罠(who loves it?)』。王道にして真骨頂である黄金コンビ(LiSA×田淵智也)による楽曲ですが、ついに行き着くトコまで来てしまったかと言いたくなるくらい究極の快感を味わわせてくれる名曲でしょこれは。性急なビートで駆けるハードコアサウンドは相変わらず痛快だし、ヴィジュアル系さながらの退廃性やマイナー歌謡メロも個人的には贅沢なご馳走。ほんで、肉食男に食われたダメ女の翻弄されっぷりをダイナミックに体現したLiSAの歌唱がいつにもまして強烈!歌詞なんて最後の最後まで情報過多で、歌詞カードを見ながらじゃないとまともに聴き取れやしない。本作どころかLiSAの全楽曲の中でも断トツのマイフェイバリットナンバー。やっぱりLiSAはこうでなくちゃいかんな。

 

 

 

 清々しきミドルポップサウンドがあまりにもオーソドックスでLiSAの全ディスコグラフィーの中では却って新鮮に聴こえる『晴レ舞台』、実は本作で唯一の存在であるLiSA従来の活発ロックナンバー『マコトシヤカ』、シンガロングとシンフォニックアレンジによる壮大さ演出に興奮を禁じ得ないメタルナンバー『ADAMAS』、非モテ童貞の葛藤をコミカルに描写した軽快痛快ロックナンバー『1センチ』、多幸感をもよおすアイリッシュアレンジに自ずと泣けてくる雄大ミドルアップ『ハウル』、爽快ミドル『BEAUTIFUL WORLD』と、その他の楽曲も軒並み好感触。相対的に活発なアップナンバーの数が減りましたが、だからといって物足りなさを感じるなんてことは微塵もありゃしませんでした

 

 『紅蓮華』の特大ヒットで高まった期待に物怖じも媚びもせず、これまで培った経験と実績を正当に活かして見事アップデートを果たした超力作であります。同時リリースされたシングル『炎』も良かったっす、カップリング曲も含めて。

 

 

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