アルバム感想『CROSS』 / LUNA SEA


『CROSS』 / LUNA SEA
2019.12.18
★★★★★★★★★★

01. LUCA ★★★★★★★★★☆
02. PHILIA ★★★★★★★★★★
03. Closer ★★★★★★★★★☆
04. THE BEYOND ★★★★★★★★★★
05. You’re knocking at my door ★★★★★★★★★☆
06. 宇宙の詩 ~Higher and Higher~ ★★★★★★★★★☆
07. anagram ★★★★★★★★☆☆
08. 悲壮美 ★★★★★★★★★☆
09. Pulse ★★★★★★★★☆☆
10. 静寂 ★★★★★★★★★☆
11. so tender… ★★★★★★★★☆☆

 

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 前作から約2年ぶりの作品であり、結成30周年という節目のタイミングでリリースされた10thアルバム。

 インディーズ時代から全ての作品をセルフプロデュースで制作してきたLUNA SEAですが、今回は グラミー賞を5度受賞したイギリスの音楽プロデューサー・Steve Lillywhite(スティーヴ・リリーホワイト)を招き、LUNA SEAとの共同プロデュースというカタチで制作に臨んだとのこと。

 

 いきなりデカいこと言っちゃいますと、これは超傑作です。素晴らしい楽曲が勢揃いしてる、なんてのはもはや当然の話で、かねてよりLUNA SEAだけが有していた独特の音世界が想像をはるかに越える進化を遂げてしまったことに 初聴の瞬間から全細胞の震えを禁じ得ない。や、本当は「進化」というフレーズをあまり軽々しく乱用したかないんだけども、ここではそんな出し惜しみをしてる場合じゃないのだ!

 

 なんといっても音の鳴りが凄い!以前よりも段違いに輪郭が明瞭で かつ奥行きを増した立体感あるサウンドは、私が長年使用しているiPod touchからでも十分汲み取れるほどに圧巻。各パートがごちゃついたり埋もれたりすることなく、いずれの音も程よく分離しており、一つ一つ際立って聴こえるから響きがすこぶるクリアだし、より一層ダイナミズムを増してるのも良い。どうだ、このソーシャル・ディスタンスを弁えた優良なサウンドプロダクション!これはSteve Lillywhiteの手腕によるところが大きいでしょう。

 

 ほんで楽曲は、LUNA SEAの耽美さや深遠さ、プログレッシブな側面をクローズアップしたものが多く、前述のサウンドプロダクションによって各曲の持ち味が深く掘り下げられてます。

 

 中でも『PHILIA』『THE BEYOND』が秀絶。
 前者は勇壮かつエモーショナルな歌メロと劇的な曲展開が背筋をゾクゾクさせるロックナンバーで、現在のLUNA SEAの凄みを端的に象徴するような名曲。
 後者は包容力ある眩い歌メロと高らかに鳴り響くギターサウンドに思わず胸熱号泣してまうバラードで、なんかスタジアム映えしそう。どちらも紛れもなくLUNA SEAの音世界ながら 明らかにこれまでとは格が違う。

 

 

 

 これ以外にも、モノクロの情景が豊かな色彩を取り戻していく様が窺える雄大なポップナンバー『LUCA』、Jのベースプレイとコーラスワークがじんじん熱い疾走ロックナンバー『Closer』、轟音リフと重厚なストリングスが織り成す荘厳さに痺れる『You’re knocking at my door』、果てのないスケール感とブレイブリーな力強さが壮大なドラマを呼ぶ『宇宙の詩 ~Higher and Higher~』、スレイヴ(LUNA SEAファンの呼称)なら真っ先に『Ray』(『IN SILENCE』カップリング)を思い浮かべること請け合いの 退廃美と浮遊感に抱かれたミドルナンバー『anagram』、LUNA SEAならではの神聖さが垣間見える美メロが映える正統派バラード『悲壮美』、今までのLUNA SEAにありそうでなかったポップなUKロック『Pulse』、ボーカルと演奏陣が徐々に熱気を高めて深遠サイドを極めてく様に圧倒されるロックバラード『静寂』、切なくも穏やかな余韻を残すシンプル志向のバラード『so tender…』と、次から次へといちいち心震わす楽曲が登場!その上、一本の壮大な映画を観てるかのようなストーリー性までもが備わっており、アタマからケツまで耳が離せやしない。これを名盤と呼ばずして一体何と呼べというのだ。

 

 

 

 逆に今回は『ROSIER』『TRUE BLUE』『DESIRE』『TONIGHT』といったポピュラリティとアグレッションを兼備した王道V-ROCKナンバーがほぼ皆無。疾走ナンバーという意味では前述の『Closer』があるけど、その手のサウンドを求めてやまない人や、とにかくライブ・フェスで盛り上がれる曲が欲しいって人にとっては今回のアルバムは満足のいかない内容かも。

 

 2010年のREBOOT以降も、『Rouge』やら『BLACK AND BLUE』やら名曲佳曲を生み出してきたものの、正直かつての無敵オーラはさすがにもう感じられないし、大型の音楽番組に出演しては過去の楽曲を当て振りで披露させられてるのを見るたんびに「2000年末で終幕したままでいたら伝説のヴィジュアル系バンドとして神格化されてたのに…」とか思っちゃうこともあったわけですよ。でも今回のアルバムでその全盛期至上主義的な発想はものの見事に粉砕されました。極端な話、このアルバムを生み出すためにLUNA SEAは再集結したんじゃないかと思っちゃうくらい、記念すべき10枚目のアルバムはSUGIZOが言うように(※参照)エポックメイキングな作品だと思いますよ。

 「皆が笑って楽しく音楽を演れていればそれでいい」という考えも分からんではないけど、やっぱりLUNA SEAという唯一無二の崇高なブランドを掲げて活動するなら この先もずっとバチバチっと火花飛ばし続けて欲しいなと願わずにはいられません。

 

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