アルバム感想『ALIVE&KICKING』/ 水樹奈々


『ALIVE&KICKING』/ 水樹奈々
2004.12.8
★★★★★★★★★★

01. ミラクル☆フライト ★★★★★★★★★☆
02. innocent starter ★★★★★★★★★☆
03. FAKE ANGEL ★★★★★★★★☆☆
04. 大好きな君へ ★★★★★★★★★☆
05. Tears’ Night ★★★★★★★☆☆☆
06. そよ風に吹かれて ★★★★★★★★★★
07. Independent Love Song ★★★★★★★★★☆
08. Take a shot ★★★★★★★★★★
09. パノラマ -Panorama- ★★★★★★★☆☆☆
10. JUMP! ★★★★★★★★☆☆
11. cherish ★★★★★★★★☆☆
12. It’s in the bag ★★★★★★★★★☆
13. Abilities ★★★★★★★★☆☆
14. M・A・M・A ★★★★★★★★☆☆

 

スポンサーリンク



 

 またしても矢吹俊郎氏プロデュースの4thアルバム。声優アイドル時代の集大成とも言える作品ですね。

 

 作風的には90sガールポップの色味が強めですが、それはあくまでサウンドの大まかな方向性であって、鳴らされてる音からはあからさまなアーリー90s感が漂ってるなんてことはなく、ここにきてようやく時代錯誤感が薄れてきたような感じがしますね。解消されたんじゃなく「薄れた」だけですけど。

 

 冒頭を飾るナンバー『ミラクル☆フライト』が爽やか元気なアイドルポップスであったり、軽快なポップロック『FAKE ANGEL』、リリカルなのは1期でたった1度使用されただけながらインパクトは強烈だった ブレイブリーなデジタルアップ『Take a shot』、ライブ意識のキラキラ疾走アップ『JUMP!』、初っ端からギターがかっ飛ばす ビーイング感混じりのスポーティーな燃焼系ロック『It’s in the bag』、『New Sensation』と大して変わらん『Abilities』といった陽性アップナンバーが随所に散りばめられていることもあって、全体的に明朗快活ハイテンション!カラフルハッピーマテリアルGO!といったイメージがあります。

 

 が、始終 勢いで押せ押せな感じでぶっ通してるわけじゃなく、蜃気楼を連想させるクールなポップロック『パノラマ -Panorama-』といったザ・ゲーソンなナンバーや、奈々さんの感傷的なボーカルと 終盤における 心を浄化させる伸びやかなギターソロが絶品な『innocent starter』といった爽快かつ繊細なミドルアップナンバー、可愛らしさと切なさをふんわり纏った『大好きな君へ』といったガーリッシュなミドルポップス、ピアノとギターをメインに据えた静謐なバラード『Independent Love Song』、甘酸っぱくて切ない キラキラしすぎな青春まさかりバラード『cherish』、ピアノとアコギを中心とした構成のハートフルバラード『M・A・M・A』といった聴かせるバラード系など、様々なタイプの楽曲に臨んでおります…って、振れ幅の広さは前2作とそんなに大きく変わってないやんか!

 

 ただ、『Tears’ Night』は本作リリース時点では新境地に相当するナンバーで、上松範康氏が初めて奈々さんに提供した(Elements Gardenが初めて関与した)楽曲でもあります。初顔合わせだというのに、切なさをめいっぱい表現すべく終始一貫ストリングスがガンガン鳴ってます。ものっそくドラマティックです。優雅な素振りでなかなかのオラオラ系です。この押しの強さで奈々さんのアルバムにおける主導権を勝ち取ったわけですか。

 

 個人的に特に好きな曲は『そよ風に吹かれて』。ガーリッシュなオシャレ感が備わったミディアムナンバー。出だしから入ってくるアコギの音色がさっそく良いです。ほんで、11~12月あたりの季節感や街並みを想起させるキーボード/シンセと 奈々さんの年相応のレディな歌唱の相乗効果で 雰囲気作りは十分。さらに「不意に 少し 照れる 気持ちは決まってる あなたもきっと」と、20代同士の恋の始まりを描写したような歌詞もいいです。特に「ガラスの向こう 手を振るあなた 気のないふりして 子どものように寂しい顔させてみたくなった」のくだりが。こんなに素晴らしすぎる楽曲なのに、13年以上もライブでやってくれないでやんの。あのくそ地味な『Dear to me』ですら2015年のライブで超久々に披露されたってのに!

 

 てなわけで、前2作と方向性に大きな違いはありませんが、一曲毎の出来栄えと各曲の顔ぶれ、全体のまとまりやバランスなどは今回のほうが上。声優アイドル時代の中で言えばこれが最高傑作。奈々さんのオリジナルを聴く際にこのアルバムから手に取るという選択肢も大いにアリです。てか実際私は最初にこのアルバムを手に取ってファンになったし。

 

スポンサーリンク




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です