アルバム感想『IMPACT EXCITER』/ 水樹奈々

IMPACT EXCITER 初回限定盤(CD+DVD)
『IMPACT EXCITER』/ 水樹奈々
2010.7.7
★★★★★★★★☆☆

01. TIME TO IMPACT EXCITER
02. NEXT ARCADIA ★★★★★★★★★★
03. ミュステリオン ★★★★★★★★☆☆
04. Silent Bible ★★★★★★★★★★
05. Young Alive! ★★★★★★★☆☆☆
06. SCOOP SCOPE ★★★★★★★☆☆☆
07. DRAGONIA ★★★★★★★★☆☆
08. 夢幻 ★★★★★★★★★☆
09. 夏恋模様 ★★★★★★★★☆☆
10. 恋の抑止力 -type EXCITER- ★★★★★★★★★☆
11. PHANTOM MINDS ★★★★★★★★★☆
12. ストロボシネマ ★★★★★★★★★☆
13. 囚われのBabel ★★★★★★★★★★
14. アルビレオ ★★★★★★★★☆☆
15. Don’t be long ★★★★★★★☆☆☆
16. 7月7日 ★★★★★★★★☆☆

 

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 『PHANTOM MINDS』シングルチャート1位やNHK紅白出場など、数々の「声優史上初」を樹立したことや、それに伴いメディアへの露出が増えたことで 知名度が一気に拡大している最中にリリースされたアルバム。だからといって一般層を意識して間口を広げようと施策を行ってる感は微塵も伺えません。むしろ、そんな中でも方向性を頑なに変えることなく、カロリーとボリューム感をさらに増幅させているのが実に驚異的。なんでしょう、これは声優アーティストとしての矜持があってこの路線を邁進しているのか、それとも前作までのセールスの右肩上がりぶりやファンウケの良さに味を占めたからこうなったのか、狙いは正直よくわからんが、結果的にはまたセールスがアップしてファンも増えたんですよね。

 

 近未来的なデジタルサウンドとストリングス、ピアノの旋律を中心とした 緊張感あるイントロダクション『TIME TO IMPACT EXCITER』で今回は幕開け。
 そしてそのイントロから間髪入れずに突入するアップナンバー『NEXT ARCADIA』がいきなり素晴らしすぎる!作曲を手掛けた上松範康氏による 華麗に躍動するピアノサウンドが実に鮮やかだし、起伏の激しい歌唱、壮大な弦楽アレンジ、まるでライブにおけるキモヲタのジャンピングポイントを意識したかのようなキメやブレイクの多い演奏と、楽曲を司る全要素が全身全霊でクライマックスも同然のドラマティックさを演出。「次なる理想郷」という名に違わぬ名曲であります。

 

 んで一応本作のリード曲にあたる『ミュステリオン』はabingdon boys schoolやXにインスパイアされたかのような ハイテンポのミクスチャー×メロスピナンバー。ぶっちゃけ何をやってんのかさっぱり分からんって感じですけども、とにかく凄いです。特にサビなんてメロディが変態的だし、それに合わせて演奏も荒れ狂うし、奈々さんも女帝みたいな素振りで艶っぽく歌うし、半分くらい何歌ってるか聴き取れないしで、シンプルにカオス。しほりさん、なんちゅう曲作っちゃってんだと。これをリード曲にして各音楽番組で披露してたのも今考えるとなかなか驚愕モノ。そして衣装(というより太もも)がくっそエロい。

 

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 シングルにもなった『Silent Bible』は神韻縹渺たるオーラを放つ エレガ感ハンパないアップナンバー。神秘的なメロディと鍵盤の音色、抑揚に富み なおかつ感情豊かな歌唱、静寂なAメロ→緊張感を煽るBメロ→ドラマティックに駆け抜けるサビといった 盛り上がりを魅せるには申し分ない展開、そして震えの極みである終盤のフェイク、どれもこれも得も言われぬほどに美しすぎて、ただただ恍惚するしかありません。リリカルなのはのゲームに手をつけていようがいまいが、とにかく必聴です。

 

 『恋の抑止力 -type EXCITER-』はPSPゲーム『メタルギアソリッド ピースウォーカー』挿入歌のアルバムバージョンで、打ち込みリズムやギター、ストリングスのアレンジが変わってます。茅原実里の楽曲でお馴染みのエレガ菊田大介氏のお家芸ともいうべき壮大かつ飛翔感溢れるデジタルアッパーなアプローチがフルスロットルしちゃってて、『ミュステリオン』と併せてもはや笑うしかないって感じ。

 

 『ストロボシネマ』はグロッシーな靄が掛かった感じの夢心地なポップナンバー。平たく言えば萌え萌えソングです。といっても妹キャラ的なロリータ指向の萌えではなく、包容力があるキレイなお姉さん的な 物腰が柔らかい萌えヴォーカルです。声優としてのアビリティやキャリアだけじゃなく、人として女性としてそれなりの齢と経験を積んだからこそ成せる表現。そんな萌えヴォーカルとバニラの芳香がするようなメロディ、アレンジについつい酩酊。や、萌え萌えというよりムラムラといったほうが正確かも。エロ線4本を掌に所有する奈々さんの面目躍如といった感じのナンバーですね。

 

 

 その他、ザクザクとしたバンドサウンドを鳴らすポジティブ志向のポップロック『Young Alive!』、カラフルなエレポップナンバー『SCOOP SCOPE』、島谷ひとみが歌ってそうな 中国四千年のナンチャラ的オリエンタルデジタルアップ『DRAGONIA』、愛憎劇ドラマしか想起しようがない情念渦巻く歌謡ロックナンバー『夢幻』、60年代生まれのオッサンホイホイの哀愁アイドル歌謡ポップス『夏恋模様』、退廃美を演出するストリングスアレンジを装備したクールで熱いブレイブリーロック『PHANTOM MINDS』、タイトルのイメージと全くかけ離れた トランス仕様の性急アップナンバー『囚われのBabel』、奈々さん作詞曲の荘厳かつエキゾチックなミドルナンバー『アルビレオ』、盤石の矢吹節が平常運行してるとしか言いようがないいつもの矢吹ソング『Don’t be long』、上松美香さんが作曲を手掛けた 星空をイメージさせる しっとりバラード『7月7日』と、相変わらず色々やってます。

 

 前回から変わったことと言ったら、主にエレガが手掛ける勇壮系ナンバーはより大仰大味になったとか、J-POP寄りの楽曲がより中庸性を増したとか、なんか変な方向へベクトルが突き進んじゃってるってことですかね。なんじゃそりゃ、進化じゃなくて容体が悪化してもうてるがな!そんなこともあり、ちょっと飽きやすいアルバムだし、ビギナーが最初に手に取るような作品ではありませんが、とりあえず『NEXT ARCADIA』『Silent Bible』『ストロボシネマ』、この3つだけは何が何でも聴いておけ!

 

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